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京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 京太郎「いつの間にかいなくなってました、なんてシャレにならねぇし……なんとか目立たないと」 京太郎「家に籠ってても仕方ないし出かけよう」 京太郎「何かいいことありますように」 京太郎「うーっす」ガチャ 咲「あ、京ちゃん」 京太郎「おっす咲!」 優希「ちゃんと来たか犬!えらいじぇ、頭を撫でてやろう」 京太郎「い・ら・ねー!」 和「こんにちは須賀くん。今日も元気そうですね」タユン 京太郎(うおおおっ!相変わらずすげーものをおもちで……!) 京太郎「お、おう!まぁな、はははっ!」 和「ふふっ」 京太郎(あーやっぱ美人だなぁー和……スタイルも抜群だし) 京太郎(こんな子が彼女になってくれたら人生楽しいんだろうなー)ジーッ 和「……須賀くん?」 京太郎(このぐらいの距離でも結構心地いいんだけどもうちょっとステップアップした関係が欲しい) 京太郎(和との接し方をちょっと変えてみるか) 京太郎(和をさりげなくお姫様扱いしてみるか) 京太郎(あくまでさりげなーくだ、さりげなーくだぞ俺) 京太郎「和は今日何をするんだ?」 和「そうですね、今日は牌譜並べでもしようかと」 京太郎「なるほどな……あ、そう言えば和って今も家でもネト麻やってるんだっけ?」 和「はい。基本的に学校の予習復習が終わった後はネット麻雀に時間を費やしてることが多いですね」 京太郎「ずっとパソコンの画面見続けてたら肩とかこるだろ?」 和「毎日お風呂でほぐしているのでそんなには無いですけど、流石にちょっとはこってますね」 京太郎「ちょっとほぐしてやるよ。ほら、肩かしてみ」 和「え?須賀くんがですか?」 京太郎「いいからいいから」 和「は、はい」 京太郎「痛くないか?」モミモミ 和「ええ、痛すぎず弱すぎず丁度いい感じです」 京太郎「だろ?」 京太郎(中々良い反応だ) 京太郎(けど、これじゃまだお姫様扱いとは言えないか) 京太郎(もうもう一歩なんかあれば……) 京太郎(あっ、思い出した!) 京太郎(こういう時にこそハギヨシさんから教わった執事スキルがあるじゃねーか!) 京太郎「ちょっと待っててくれ和」パッ 和「……?分かりました」 ―――――― ――――― 京太郎「……」ツンツン 和「?」クルッ 京太郎「どうぞ、お姫様」コトッ 和(お姫様……?) 和「えと、これは紅茶ですか?匂いからしてアッサムみたいですけど」 京太郎「ああ。疲れてる和の為に淹れてみたんだけどさ、よかったら飲んでみてくれよ」 和「私の為に?」スンスン 和「あ、でも凄くいい香りがします」 京太郎「だろ?味の方は保障できねーけどな」ハハ 和「ありがとうございます須賀くん。それじゃあいただきますね」 和「んっ」コクッ 京太郎(全神経を集中させて絶妙の茶葉量にに完全な湯加減で作った紅茶だ) 京太郎(大丈夫だ、まずい筈は無い……無いよな)ドキドキ 和「あの……これ」 京太郎「!」 和「すごく美味しいです!ひょっとすると今まで飲んだ紅茶の中で一番美味しいかもしれません」 京太郎(よ、よかった。ハギヨシさんに感謝だな)ホッ 京太郎「いやいや。和に喜んでもらえたんなら作ったかいがあるってもんだぜ」 和「須賀くんって紅茶淹れるのがとても上手なんですね。ちょっと驚きました」 京太郎「おう、和が飲みたいって言うなら、いつでも淹れるからな」 和「ふふ。ありがとうございます」 和「今度は私が何かお礼をしますね」 ―――――― ――――― 京太郎「今日は大成功だったな」 京太郎「これで"部員の一人"から"ちょっと気になる人"にでもステップアップしてたらいいけど」 京太郎「明日は和にどうアタックしようか」 京太郎「ういーっす」ガチャ 和「こんにちは、須賀くん」 京太郎「あれ?和一人か?」 和「はい。咲さんはゆーきの補習の特訓で、部長は議会、まこ先輩はお家のお手伝いだそうですよ」 京太郎「なーるほどな」 京太郎「優希の補習の手伝いって咲がやってんのか。和のが教えるのうまそうだけどな」ハハ 和「私が教えるとあの子たまに逃げ出すので」 京太郎「えっ?」 和「基礎からきっちり"こうなるからこうなるんです"って理論で教えてあげようとしただけなのに……」 京太郎(ああ、何となく分かる気がする……) 京太郎「と、まぁそれはおいといて。じゃあ今日は和と二人か」 和「ええ、そうなりますね」 京太郎(おっ?これは和と急接近するチャンスなんじゃないのか) 京太郎(昨日いい感じだったし今日も何か印象付けたいな) 和「今日はお互いそれぞれやりたいことをやって、時間になったら解散と言うことで」 京太郎「ああ」 和「麻雀は二人打ちでよろしければ打ちますので、気軽に声をかけてくださいね」 京太郎「いいや、大丈夫だ。俺も今日やりたいことあるしさ」 京太郎(……とは言った物のやりたいことなんて無いけどな) 京太郎(んー、暇潰しにエトペンでも作って和に渡してみるか) 京太郎(ズボンとかが破れた時に使う緊急用の裁縫道具ならあったよな確か)ガサゴソ 京太郎「んー……これはお世辞にもいい出来とは言えないな」 京太郎「如何にも学生がちょっと頑張って作りましたって感じが凄い」 京太郎「ま、まぁ売り物として売るわけじゃないんだしいいだろ」 京太郎「のーどか」 和「はい、どうしました?」クルッ 京太郎「ちょっと手出してみてくれ」 和「……?」 京太郎「いいからいいから」 和「はぁ…こうですか?」スッ 京太郎「はい、プレゼント」トン 和「………」 京太郎「………」ドキドキ 和「えっと、これはエトペンですか?」 京太郎「い、一応な。あんま似てないけどさ」 和「いえ、よくできてると思いますよ。須賀くん器用なんですね」 和「素適なプレゼントありがとうございます、大事にしますね」ニコッ 京太郎「そんなに喜んでもらえたら作ったかいがあったよ」ハハ 和「でも、何だか昨日から須賀くんには貰ってばかりな気がして申し訳ないです」 和「須賀くんは何か私にしてほしいことはありますか?」 京太郎「俺が好きでやってることだからさ、気にするなよ」 和「私にできる範囲なら何かしてあげたいんですけれど……」 京太郎(和にできる範囲で!?)ゴクッ 京太郎「そ、それじゃあ……」 京太郎「俺に麻雀を教えてくれないか?」 和「麻雀を……?そんなのでいいんですか?」 京太郎「全然いい!てかむしろインターミドルチャンプに教えてもらえるんだからお釣りがくる!」 京太郎「ってことで是非ともお願いします」ペコリ 和「分かりました。私でよければ力にならせてもらいますね」 京太郎「サンキュー和、お前がおれば百人力だぜ!」 和「そんな、大袈裟ですよ」 京太郎「ネト麻で目指せトップレート入りも夢じゃないかもしれないなーこりゃ」 和「とりあえず、最初の半雀で私は口だしをしません」 京太郎「ええ!?なんで?」 和「一度須賀くんがどんな打ち回しをするか見ておきたいですからね」 和「対局が終わった後に牌譜を見て、反省点を探した方がいい場合もありますし」 京太郎(マジかよ……じゃあ普段俺がボコボコにされてる姿が和にずっと見られるってことか) 京太郎(和にかっこ悪い所なんか見せたくねーしなんとかしないと……!) 和「……私、部長以外にわざと悪待ちをしている人を初めて見ました」 京太郎「わざとじゃねーよ!マジでやったんだって!」 和「その他にも立直をかけるタイミングや牌の選択とか色々言いたいことはありますけど」 和「一番言いたいのは"まず基礎から鍛えなおしましょう"ってことですかね」 京太郎「ですよね……」ガックシ 和「言葉で伝えても分かりにくいこともあるので、次は一緒に打ちましょう」 京太郎「お願いします先生」 京太郎「えーと、ヤオチュウ牌邪魔だから捨てちゃってもいいよな」スッ 和「ダメです」ガシッ 京太郎「うおっ!?」 和「よく見てください。河にヤオチュウ牌が一つも出てないじゃないですか」 京太郎「………」 京太郎(あー、女の子の手ってひんやりしてて気持ちいいのな……それに) 和「序盤ならともかく残りのツモ数も少ないのでここは……」フニン 京太郎(胸が当たってるんだけど本人気づいてないのか!?) 京太郎(集中しないといけない時にこれは辛抱たまらんだろ!) 京太郎(で、でもこのままずっとこの状況はマズいからなんとか) 京太郎(けどこんな機会一生に一度あるか無いかだ) 京太郎(ってことでしばらくはこの素晴らしい感触を味わっていよう……) 和「あの、須賀くん聞いていますか?」 京太郎「ええ、とても素晴らしいですね」カチッ ロォォォォン 和「ど、どこかですか……?完全に危険牌でしたよね今の」フニッフニッ 京太郎(ああ、ダメだ……これは頭が馬鹿になる) 京太郎「へへ……へへへ」タラー 和「っ!?須賀くん鼻血が!」 京太郎「え?ああ、うん」ゴシゴシ 和「袖で拭かないでください!血は落ちにくいんですから!」 ―――――――― ――――――― 京太郎(手とり足とり麻雀を教えてもらったが結局解散時刻になるまで全然集中できなかった……) 京太郎(何か真面目に教えてくれた和に申し訳ないな。明日また何か埋め合わせしないと) 和「そんなオカルトありえません!」 煌「すばっ!?」ビクッ 和「須賀くんとは単なる部員同士です。今日もたまたま会ったから一緒に行動しているだけです」 京太郎(ははー、そうだよなーはは) 煌「こ、これは失礼を。しかし部員同士というだけで彼の内面を知らないとは勿体ないですね」 和「え?」 煌「この方は先ほど誰に言われるでもなく地域清掃をし、皆が住みやすい街にする為に汗水を流していました」 和「私に会う前やけに汗をかいてると思ったら、そんなことをしていたんですか?」 京太郎「お、おう」 煌「ここの住民でもないのに関わらずですよ?ここまですばらっ!な青年私は初めて見ましたね」 和「……そうなんですか須賀くん?」 京太郎「ああ」 京太郎(そこまで言われるとなんかムズ痒いな) 和「ふふっ。変な人ですね、須賀くんは」クスッ 京太郎「なっ!」ガビーン 和「でも私、ちょっとあなたの事を見直したかもしれません」 京太郎「!」 和「だから……これからは、その」 和「京太郎くんって下の名前で呼んでもいいでしょうか?」モジ 京太郎「うぃーっす」ガチャ 久「こんにちは須賀くん。会うのは久々ね」 京太郎「あっ、部長!」 久「最近顔出せなくてごめんなさいね、議会の方が忙しくて」 京太郎「いえ、気にしないでくださいって」 京太郎「部活と生徒会を両立できてる人なんてそうはいませんよ」ハハ 久「そう言ってもらえると嬉しいわ………ところで」 京太郎「?」 久「最近えらい和と仲がいいようじゃない」ニヤニヤ 京太郎「え゛っ!?何で知っってるんですか?」 久「ふふ、麻雀部の事はなんでもオミトオシよ」 京太郎(こええ……) <コンニチハー!ダジェ コラユーキ!タベナガラハイッチャ,ダメデス! 久「おっ?噂をすればなんとやらね」 久「頑張りたまえ少年っ」ポンッ 京太郎「は、はい」 京太郎(そろそろ次のステップだ。てことで和をデートに……) 京太郎(ってちょっと待て。それはまだ早すぎる気がする) 京太郎(幾ら仲良くなったって言ってもまだそれは部員の範疇でだし、ただでさえ和は男に免疫なさそうなのに) 京太郎(デートなんてオーケーしてくれる筈が……) 京太郎(……まぁ、そん時はそん時で) 京太郎「おっす和!」 和「こんにちは須賀くん」 コラー! ワタシヘノアイサツハナイノカ!? 京太郎「なぁ和、いきなりで悪いが一つ聞きたいことあるだけどいいか?」 和「はい、なんですか?」 京太郎「その、さ……今週の日曜日とか空いてたりしない?」 和「えっ?」 優希「じぇっ!?」 久「おおっ、何か面白くなってきた」 和「え、えーと。どうしてそんなことを?」 京太郎「あ、深い意味は無いんだ!ただ和と一緒に遊びに行きたいなって思って……ダメかな?」 和「………」 キサマー!ノドチャンニナンテコト! ハーイ,ユウキハコッチネ 和「いいですよ」 京太郎「マジか!?」 和「はい。家に居てもネット麻雀ぐらいしかしないかもしれませんし……それに」 和「須賀くんなら信用できます」ニコッ 京太郎(天使だ………天使がいる) 京太郎「そういうことなら任せとけ!」 京太郎「絶対絶対楽しい一日にする、約束だ!」 和「ふふっ、よろしくお願いしますね」 ―――――――― 咲「すいません遅れました!」ガチャ 京太郎「おお咲!ちょうどいい所に来た!」 咲「へ?」 京太郎「実はな、和と今週の日曜デートすることになったんだ」 咲「えええ!?ど、どうして急に?」 京太郎「へへへ、俺も結構やるもんだろ?」 京太郎「それでさ咲、お前和と一緒に遊ぶこと多いだろ」 咲「それは……うん」 京太郎「そこで頼む!あいつの好きそうな場所とかおしえてくれないか?この通り!」 咲「………」 咲「和ちゃん、山が好きって言ってたよ」 京太郎「や……山?山ってマウンテン?」 咲「うん。特にこう配が急な山が好きだって言ってた」 京太郎「へぇ、体力とか無さそうなのにな和……なんていうか意外だ」 咲「きっと山に誘ってあげたら和ちゃんも嬉しいんじゃないかな」 京太郎「山ねぇ……分かった、サンキュー咲!」ナデナデ 咲「えへへ、どういたしまして」 京太郎「それじゃあ今日の夜早速、"山に行こう"ってメールしてみるわ」 優希「…………」 ――――――――― 優希「……聞いてしまったじぇ」 優希「咲ちゃんが嘘言ってるって思いたくないけど、のどちゃんは山が好きだなんて聞いたこともない……」 優希「と、とにかく京太郎には本当のことを」ピポパ prrrrrrr 京太郎『はーい』 優希「京太郎か!?」 京太郎『うおっ、耳元で大きな声だすなよ!……それでどうした?』 優希「今日咲ちゃんが言ってたことは全部嘘だじぇ!のどちゃんは山なんか好きじゃない」 京太郎『へ?』 優希「今日咲ちゃんが言ってたことは全部でたらめだってことだじょ!」 京太郎『はは、何言ってんだよ。咲に限ってそんなこと……』 優希「いいか京太郎耳の穴かっぽじってよく聞け!のどちゃんが本当に好きな場所は」 優希「水族館だ!」 京太郎『水族館って……山とまるっきり反対じゃねーか』 優希「ちゃんと伝えたからなー!のどちゃんに不快な思いさせるんじゃないじょ!」 京太郎『あ、おい!』 京太郎「……切れちまった」ツーツー 京太郎「咲が"山"で優希が言うには"水族館"?」 京太郎「確かに女の子だったら山より水族館の方が喜びそうだけど、あの咲が嘘を言ってるなんて考えもできないし」 京太郎「どっちを信じたら……」 京太郎「咲には悪いけどやっぱり山ってのはどうもな……」 京太郎「とりあえず優希を信じてみるか」ピッ ―――――――― ――――――― 京太郎「遅くなってゴメン!待っただろ?」ゼェゼェ 和「まだ時間になってませんよ。とりあえず、これで汗を拭いてください」スッ 京太郎「あ、すまん!さんきゅー和」 京太郎(うおおお、和のハンカチすっげーいい匂い……!)フキフキ 和「私の方こそ早く来過ぎてしまってごめんなさい。水族館なんて久しぶりだからつい楽しみで」 京太郎(そ、そんなに楽しみだったのか……じゃあ) 京太郎「えーと、和ってさ?水族館と山ってどっちが好きなの?」 和「はい?」 京太郎「いきなり変なこと聞いてゴメンな。いや大した意味は無いんだ、ちょっと気になっただけで」 和「私は水族館ですね。逆に女の子で山が好きな人なんてそうそういないと思いますよ………例外を除いて」 京太郎「そ、そうか!そうだよなー!」ハハ 京太郎(咲……) 和「あ、見てください!あのペンギンエトペンそっくりですよ!」 京太郎「おー本当だ。見事に真ん丸にふとってんな」 京太郎「シャチってさ、海じゃ世界最強の生物らしいな」 和「あ、それ知ってます。ホオジロザメでもどつかれたら全身の骨が折れるとか」 京太郎「海蛇って結構可愛い顔してんのな」 和「次!はやく次行きましょう!!」グイグイ 京太郎「ははっ、あのサンゴ礁染谷先輩の髪に似てるな」 和「染谷先輩がきいたら怒りますよ……」 ―――――――― ――――――― 和「今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました」 京太郎「いやいや、俺の方こそ和のおかげで有意義な一日になったよ」 和「ふふ、じゃあお互いさまということで」 京太郎「そうだな」ハハ 和「じゃあ、私はこれで。また明日学校で会いましょう」 京太郎「おう!」 京太郎(……いや待て。和をこのまま帰していいのか?) 京太郎(ここは男を見せるべきなんじゃないのか?) 京太郎「和!!」 和「!」ビクッ 和「そ、そんな大きな声出してどうしたんですか?」クルッ 京太郎「………」スーハー 京太郎(言うぞ……言うぞ!!) 京太郎「俺、お前の事が好きだ!!」 和「えっ……」 京太郎「前は憧れみたいな感情だったけど、最近一緒に過ごしてマジで好きになって」 京太郎「今日一日過ごしてずっとお前の横にいれたらなって思って……!だから……」 京太郎「俺と付き合ってください!」 和「………」 オー ナンダナンダコクハクカ? イイゾーヤレヤレ 和「……れば」ボソッ 京太郎「へ?」 和「わっ……私でよければ!よろしくお願いします!」ペコリ 京太郎「…………」 京太郎「マジで?」 和「はい!」 京太郎「………い」 京太郎「いやったああああああああ!!」 和「!」ビクッ 京太郎「俺は世界一の幸せ者だあああああ!!」 和「……そこまで喜んでもらえるとは思ってなかったですね」 京太郎「和!ずっと大事にするからなー!!」ダキッ 和「わわ!ちょ、ちょっと須賀くん!周りの人が……」 和「……恋人になったのに名字で呼ぶのもなんですね」 和「これからは下の名前でお呼びしてもいいでしょうか?」 京太郎「勿論だ!!」 京太郎「下の名前でも旦那様でも好きなように呼んでくれ!」 和「そ、それはまだ早いですけど………じゃあ改めて」 和「これからよろしくお願いしますね。京太郎さん」 ――――――― ―――――― 久「二人とも付き合うことになったんだって?いやーお若いねお二人さん!」 京太郎「げっ!」 和「部長!?なんで知ってるんですか!」 久「あら?本当だったの?これはいいこと聞いちゃったわ」 和「――――!!」カァァ 優希「まぁ、そんな気はしてたじぇ」 優希「きょーたろー!のどちゃんを幸せにしなかったらどうなるか分かってるだろうな!?」 京太郎「あったり前だろ!んなこと分かってるよ!」 優希「京太郎を信じたからのどちゃんを送り出す!けどもし不幸にしたら返してもらうじょ!」 京太郎「お前を和をお父さんか!心配すんな。和は俺が幸せに……」 京太郎(ん?和のお父さん……?) 和「あ、そういえば」 和「今週の休日にお父さんが京太郎くんに会いたいって言ってました」 和「家に連れてこい、と」 京太郎「…………」 ――――― ―――― 和「お茶、ここにおいておきますね」 恵「ああ、ありがとう和。お前は部屋にあがってなさい」 和「はい……」 京太郎「………」 恵「キミが、和の恋人というのは本当かね?」 京太郎「本当です」 恵「和に恋人がいるというのは喜ばしい。なんせ娘が選んだことだ。しかし……」 京太郎「?」 恵「学校の成績の方はどうなのかね?」 京太郎「せ、成績ですか?」 恵「ああ。正直に答えたまえ」 京太郎「……そんなによくはありません」 恵「そうか。それでは和との交際を許可することはできないな」 京太郎「えっ!?」 恵「娘の幸せを願う身としては、付き合う相手は将来性のある相手ではないといけないということだ」 恵「可愛い一人娘だ。私の気持ち分かってくれるね?」 京太郎「そりゃ分かりますけど……!そんなの、俺は嫌ですよ!」 京太郎「失礼ですけどせっかく掴んだ幸せを手放すなんて、俺はできません!」 恵「待ちなさい。同じ男としてキミの言いたいことは分からないワケではない」 恵「だからチャンスをあげようと思ってね」 京太郎「チャンス?」 恵「"常に学校のテストでコンスタントに10位以上に入り続けること"……これが和と交際する条件だ」 京太郎(えええええーーーー……!!) 恵「この条件、うけるかね?」 京太郎「勿論です!俺の和への思いが本物だって証明して見せますよ!」 恵「男と男の約束だ。破ったときはどうなるか、言わなくても分かるね?」 京太郎「はい。卒業まで頑張って、正々堂々娘さんとお付き合いさせていただきます」 京太郎「ってなことになっちまったんだ」 和「全部聞いてましたよ。京太郎くんの言葉もお父さんの言葉も」 和「お父さんの出した条件をクリアして、私への思いが本物だと言うことを証明してくれるのを待っています」 京太郎「おう、任せとけ!」 和「私も勉強をできる限り手伝いますので……二人で乗り越えていきましょう」 京太郎「和……!」ジーン 和「それじゃあ、今日から早速勉強開始ですよ!」 京太郎「やってやるさ。これも和と付き合い続けるためだ」 和「並大抵の努力で上位をとることはできません。ビシバシいきますから」 ――――――― ―――――― 教師「それじゃ、試験開始!」 京太郎(和と自分を信じてここまで努力してきたんだ!) 京太郎(部長にも協力してもらって部活休んでまで勉強したし……いける!やれるはずだ!) 京太郎「………お、俺が5位?!」 和「5位!5位ですよ京太郎くん!!」←1位 咲「そんな、京ちゃんに負けたなんて……」←10位 優希「のどちゃんの彼氏だからな、こんぐらいは当然だ!」←222位 京太郎「なんでお前が威張るんだよっ!」 和「でもこれでお父さんに胸をはって交際ができますね」 京太郎「ああ、まずは一安心だな。次もうまくいくか分かんないけど」 和「大丈夫ですよ。京太郎くんには上位10位以内に入る力があるって分かったんですから!」 京太郎「……そうだな!この調子で次もその次もやってやるぜ」 ―――――――― ――――――― ―――――― 恵「君が和と付き合いだしてからもうすぐ2年か……今までよく頑張った」 京太郎「言ったでしょう?和への思いが本物だって証明するって」 恵「ああ、私の負けだ。どうやら娘の眼に狂いは無かったようだ」 恵「ところでもう進路は決めているのかね?君の学力ならどこへでもいけるだろう」 京太郎「はい。俺の進路は」 京太郎「医大です」 恵「医大か。それは将来性もあって私の学歴などよりもよほどいいな」 恵「もう私からは何も言わない……どうか娘を幸せにしてやってほしい」 京太郎「任せてください。娘さんは俺が必ず幸せにしてみせますので」 ―――――――― 京太郎「優希はメキシコに留学、咲はプロデビューか……みんな進路決まって行ってるな」 和「みんなにと過ごせるのもあとほんのちょっとですね。さびしいです」 京太郎「和はさ、進路どうするんだ?」 京太郎「俺も結局お前には一度も順位で勝てなかったしな。いいトコ狙えるだろ」 和「そうですね、一度は弁護士や検事になるのもいいかって思ってたんですけど」 京太郎「おお、いいじゃん!」 和「今はどちらも諦めました」 京太郎「えっ……!?どうして?」 和「進学も多分しないと思います」 京太郎「進学もって、じゃあ卒業後どうすんだよ?」 和「へ!?え、えーとそれはですね……」 京太郎「それは?」 和「……お、お嫁さんですかね」モジモジ 京太郎「………」ポカーン 京太郎「お、お嫁さん?」 和「はい……私、昔からすごくお嫁さんに憧れていましたし、だからその……」 和「卒業したら京太郎くんと結婚して専業主婦になろうかなと考えてたんですけど」ボソッ 京太郎「!?」ドキッ 和「ダ、ダメでしたか?」 京太郎「………」 京太郎「何言ってんだよ和……そんなの」 和「っ!」ビクッ 京太郎「そんなのダメなワケないだろぉー!!」ダキッ 和「ひゃあっ!!」 京太郎「お前なんだよ"お嫁さん"って!可愛すぎだろうがああああ!!」スリスリ 和「またですか!?ちょ、ちょっと京太郎さん周りの眼を少しは気にして……!」 京太郎「もう離さねーからな!」ギュゥゥ 和「人の話聞いてください!」 和「……全く、世話の焼ける旦那さんになりそうですね」フフッ 優希「またやってるじぇ二人とも」 マホ「いいですねああいうのって……!」 マホ「マホもいつか和先輩と須賀先輩みたいなカップルになりたいです!」 優希「お前はまず相手からだな!」 マホ「うぅっ」グサッ マホ「ゆーき先輩だって!」 優希「うっ、私はいいんだじょ!このナイスバディがあるからどんな男もイチコロだじぇ!」 マホ「あーん!昔はマホと一緒ぐらいだったのにそんなに成長してずるいですよー!」 ――――――― ―――――― 京太郎「ただいまー」ガチャ 和「あ、お帰りなさいアナタ」 和「お父さんとの飲み会どうでしたか?」 京太郎「そりゃもうずっと緊張しっぱなしだったよ」 京太郎「色々と聞かれまくって酒なんて味さえ分かんなかったし……やっぱり怖いよ」 和「お父さんちょっとぶっきらぼうな所がありますからね」 和「でもああ見えてお父さん京太郎くんのこと結構気に入ってるんですよ?」 和「一時期は跡を継いで貰おうかなって考えてたみたいですし」 京太郎「そ、そうなのか?いつも怒ってるようにしか見えなかったけどな」 和「それに早く孫の顔も見たいって言ってますからね」フフッ 京太郎「お、おう」ドキッ 和「ところでスーツからこんなものが出てきたんですけど……」 京太郎「?」 和「これはキャバクラ?の会員カードでしょうか?」ニコニコ 京太郎「あっ」 京太郎「……えーとそれはね、和のお父さんが一緒にどうだいって」 和「お父さんはそんなとこに行ったりしません」 和「今夜はこんなトコに通えなくなるぐらい激しくいきますから、覚悟してくださいね?」ニコッ 京太郎「………はい」 京太郎(拝啓 和のお父さんへ。和は元気です、でもボクはもう駄目かもしれません) カンッ!
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華菜「うーむ……けっこーめんどくさそーだし。でも、こーでもしないと今のあいつには何一つ伝わらないというか……」(ペラペラ 未春「華菜ちゃん、なに読んでるのー……チョコレートの作り方?そういえば来週はバレンタインデーか。華菜ちゃんは須賀君にチョコあげるの?」 華菜「ななな、なんで私があんな奴にチョコくれてやらなきゃいけないの?こ、こここれは緋菜たちにお願いされたお菓子のレシピ探してるだけだし」 未春「あ、そーなんだ、大変だねーお姉ちゃんって」(ニヨニヨ 華菜「う、うむ。まあ、可愛い子ほど手がかかるって言うし……」 未春「へー。私はバレンタインどうしようかなー……恨み辛みを込めた胡椒風味のチョコでもあげちゃおっかな」 華菜「胡椒風味のチョコ、普通にあるし」 未春「え、ホント!?」 華菜「ホラ、ここ。他にも生姜とかいろいろ」 未春「うわー、ホントだー。うーん、それじゃ麻雀でボコボコにされた復讐にならないし……」 華菜「みはるん……華菜ちゃん、バレンタインにチョコあげないのが一番の復讐になると思う」 未春「さすがにそこまで心狭いのはどうかと思わない?」 華菜「…………正直、思う」 未春「でしょー?だから華菜ちゃんもさ、ちゃんと須賀君にあげるチョコ用意してあげなきゃダメだよー」 華菜「わかったし!…………って、だから私があのバカにチョコあげる義理なんてないから!」 未春「ハイハイ、義理なんかじゃないよねー」 華菜「ちょっ、真面目に人の話を聞いて――――」 貴子「ゴラァ!テメエらいつまでくっちゃべってやがんだ!あんまりふざけてっと、イカにチョコソースかけたの食わせて病院送りにするぞ、池田ァ!!」 華菜「ヒィッ!?なんで華菜ちゃんだけ……っていうか、なんでイカとチョコを合わせたし!?」 未春「あー、猫にイカもチョコも食べさせちゃいけないもんね……」 純代「バレンタイン……私たちが乗るべき波じゃ、ない」 星夏「ですね……悲しいながら」 美穂子「あらあら、ダメよそんな風に自分を除け者にしちゃ。バレンタインだって行事の一つなんだから、参加することに意義があるのよ?」 星夏「い、いたんですか、キャプテン」 純代「気付きませんでした」 美穂子「ウフフ、引退したけどみんなが心配で見に来ちゃいました♪」 貴子「オラァ、福路も手が空いてるならこいつら揉んでやれー!」 華菜「た、助けてほしいしっ、キャプテーン……!」 未春「なんで私までー……!」 美穂子「あらあら、大変……今助けにいくわよ、華菜ー…………でも、どうやって助けてあげればいいのかしら?」 華菜「ニャアァァァァァッ……!」 バレンタイン当日…… 華菜「ま、上がれー」 京太郎「お邪魔しまーす……」 城菜「ねーちゃんおかえり。おかーさん、ついさっきおでかけー…………あれー?にいちゃんだし……よいしょ」(ベター 緋菜「あそんであげるー!」(ベター 菜沙「ごほんよませてあげるー」(ベター 京太郎「なんかワラワラきたんだけどどーすりゃいいんだよ、池田ァ!」 華菜「呼び捨てやめろし!ほら、緋菜たちも一度そいつから離れろー。こんなのでもいちおーはお客さんだし、家に上がったら、まず手洗いうがいしなきゃいけないからな」 緋菜城「「「はーいだし」」」(チョコチョコ 緋菜「にいちゃん、せんめんじょまであんないしてあげるー」(トテチテ 菜沙「みちにまよわないよう、ちゃんと菜沙たちのうしろあるくし」(トテチテ 城菜「まいごにならないよう、てーにぎってあげるしー」(トテチテケンジャ 京太郎「助かるぜー、ありがとうなー」 城菜「どーいたましてだし」(フンス 京太郎「しが一個抜けてねーえ?」 城菜「きのせいだし」 ゾロゾロゾロ… 華菜「……あれ、私放置されてる?」 京太郎「んで……なんか放課後、急に呼び出されて家にお邪魔したわけだが……」 華菜「うむ、お前の疑問ももっともだろうし、説明してやるからよっっく聞いとけ」 緋菜「はいだし!」 菜沙「はいだしー」 城菜「はーいだし」 京太郎「…………」 華菜「お前もちゃんと返事しろ、須賀ァ!」 京太郎「いいからさっさと説明始めろ、煮干しぶつけんぞ池田ァ!」 華菜「ヒィッ!ちょ、ちょっとからかっただけなのに、怒鳴ることないだろ……」 京太郎「ハハハ」 華菜「なんでこいつ、私にはこう態度がデカイっていうか、生意気なのかな……。まあ、それは一旦置いておくとして、実はな今日うちの親が用事でいないんだ」 京太郎「ふんふむ」 華菜「そんでな、これから私は夕飯の買い物に行かなきゃいけない。で、緋菜たちには留守番しといてもらいたいんだけど、それはちょっと心配だから……」 京太郎「うん、帰るわ俺」 華菜「うわー!待てっ、ちょっと待つし!ちゃんと緋菜たちの世話してもらうための報酬は用意してあるから!」 京太郎「雀荘の一日無料券とか、風越OGとの練習試合の参加権とかか!」 華菜「フフン、聞いて驚け!華菜ちゃんお手製おやつのプリンだ!」 緋菜「なん……だと……」 菜沙「ねーちゃん、ふ、ふとっぱらだし……!」 城菜「プリン……」(キラキラ 京太郎「……やっぱ帰るわ」 華菜「なんでだよっ!?」 京太郎「自分で考えろバーカ!」 華菜「なんだと、このバカ!」 京太郎「バカって言う方がバカなんですー」 華菜「ぐあー、腹立つ!こうなったら最後の手段だ!やっちゃえ緋菜、菜沙っ、城菜!」 京太郎「!?」 緋菜城「「「にーちゃんおねがーい、いっしょにおるすばんしてほしいしー」」」(ウルウル 京太郎「……なるほど、凡夫だっ」 華菜「じゃあ、私は買い物行ってくるから、須賀ァ、緋菜たちの世話頼んだぞ!」 緋菜「いってらっしゃーい」 菜沙「おゆはん、カレーがいいし」 城菜「ハンバーグー」 華菜「とりあえずメニューはスーパーの特売見て決めるから楽しみにしてろー」 京太郎「ハァ……車に気をつけてなー」 華菜「当たり前のこと言うなよ……。あ、須賀!おやつのプリン、ちゃんとお前の分もあるからちゃんと食べろよっ、絶対だかんな!?」 京太郎「よくよく考えたら、俺の分が用意してある時点で確信犯じゃねーか、このヤロー!」 華菜「…………お前が悪いんだよ、バーーーカ!」(ダダダ 京太郎「なんで俺が悪いんだよ……」 緋菜「にーちゃん、プリン、はやくプリンたべるし!」 菜沙「おゆはんたべられなくなるとこまるから、菜沙がにーちゃんのぶんもたべたげよーか?」 城菜「城菜もてつだったげるし」 緋菜「あ、ズルイ!緋菜もてつだったげる!」 京太郎「どんだけプリン好きなんだ君たち……。えーっと、プリン……これかー、ってなんか黒いぞこのプリン!?」 城菜「にーちゃん、どしたのー?」(トテトテ 京太郎「いや、なんかおやつに用意してあるプリンの色が……って、なんだ、ただのチョコプリンか」 城菜「んー?」 京太郎「どした、城菜ちゃん」 城菜「………………ふんふむ、なるほどなるほどー、じっちゃんのなにかけてなぞはぜんぶすべてスリッとまるっとゴリッとおみとおしだし」 京太郎「なぞってなんなぞ?」 城菜「にーちゃんあきれるぐらいニブニブだしー。しょうがないから城菜とマージャンしょうぶして、城菜にかてたらヒントあげるし」 京太郎「いいけど……城菜ちゃん、麻雀できるのか」 城菜「緋菜も菜沙もできるし。ねーちゃんじきでんだし」(エヘン 京太郎「そーなのかー」(ナデナデ 城菜「城菜はこころひろいから、にーちゃんがまけてもおしえてあげなくもないし」(フンス 京太郎「自信あるんだな……この京太郎、容赦はせん!」 城菜「かかってくるしー」 華菜「ただいまー…………って、どーした須賀、城菜たちにプリンなんか食べさせて」 緋菜「にーちゃん、はやくするし」 菜沙「はやくつぎー」 城菜「つぎは城菜のばんだし。にーちゃん、あーん」 京太郎「…………いやな、三人に麻雀勝負挑まれてな?池田仕込みっていうから、これはもう油断できねーって本気で打ったら――――泣いた」 華菜「なにやってんだよ、お前……」 緋菜「にーちゃんとマージャンしてもぜんぜんたのしくないし」(プンプン 菜沙「いっかいも菜沙たちにホーラさせてくれなかったし」(プリプリ 城菜「城菜のあがりパイ、ぜんぶとめるとかひどいし」(プンスカ 京太郎「城菜ちゃんに関しては、俺ぁ絶対に謝らねー」 城菜「城菜のだいさんげんとスーアンコーたんきとこくしじゅーさんめん……」 華菜「」 京太郎「まあ、とりあえずだ……」 華菜「な、なんだよ?」 京太郎「…………チョコプリン、美味しかったぜー」 華菜「お、おぉ、そっか、そりゃ……作った甲斐があるってもんだー」 京太郎「…………」(ジー 華菜「…………な、なんだよっ」 京太郎「いやー、べつにー?」 華菜「だったらこっち見んな、バカ……!」 京太郎「へいへい。さて、池田も帰ってきたことだし、俺はそろそろお暇するし」 華菜「――――お、おい須賀ァ!」 京太郎「なんだよ」 華菜「ひ、緋菜たちの世話してもらったお礼だ、つ、ついでにご飯も食べてけ……」 京太郎「…………んじゃ、お言葉に甘えるとするかな」 華菜「そ、そーしてけー」 後日…… まこ「おーい京太郎、お客さんじゃー」 京太郎「はーいっ、それじゃすぐにお茶を用意……」 華菜「…………よ、よぉ」 京太郎「ほい、水道水」 華菜「いや、お茶出せよ!?」 京太郎「ハハハ、お客様にはちゃんとお茶出すぜ俺?」 華菜「遠回しに客扱いしないって言ってるよな、それ!?ひどいし!」 <ギャーギャー 優希「なにしに来たんだじぇ、風越の人」 和「また合同で合宿するらしいですし、その打ち合わせじゃないですか?」 咲「……ホントにそれだけかな?」 優希「ハハハ、案外京太郎の奴に会いに来てたりしてな!」 華菜「あー、そういや京太郎、今度の休み暇か?緋菜たちが今度はいつお前が遊びにくるのか、ってちょーうるさいんだけど」 京太郎「つい二、三日前にお邪魔したばっかじゃなかったっけ?」 華菜「い、いいだろ別にっ。私も歓迎してやらんこともないから遊びにくるし、な?」 京太郎「素直じゃねーなあ、華菜は」 華菜「ほっとけ!」 優希「」 和「嘘から出たまこと、という奴でしょうか…………って、咲さん?」 咲「…………」 優希「いつの間にか風越の人と京太郎がいい感じになってるのを見て、ショックのあまり石化しちゃってるじょ……」 まこ「早いとこ用事済ませたいんじゃがのー」 池田華菜編……カン!
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361979886/ とある日の清澄高校 京太郎「うし、ツモだ。4000.2000」 和「須賀君、最近落ち着いてますね」 京太郎「ん?」 和「うち筋が、ですよ」 咲「あー、そういえば前みたいな浮き沈みがなくなったねー」 優希「そうだじぇ。前なんか引く牌引く牌ゴミばかりかと思えばダブリー一発三連続とかもあったじょ」 京太郎「あはは……なんでだろうな。練習の成果、かもな。まー相変わらず三人からトップとれる事は少ないけど。当然っちゃあ当然だしな」 和「当然、とは?」 京太郎「まだまだ練習不足ってことだよ。みんなに比べりゃ俺なんてまだひよっこだしな。もっと経験積まなきゃな」 和「……うん、いい心がけです」 優希「犬にしてはいい心がけだじょー!」 京太郎「だぁーれが犬か!」 咲(……先週の月曜日からだっけ、京ちゃんが落ち着き出したの) 咲(なにか、あったのかな) 京太郎「さぁーもう一局!」 優希「おう!」 咲(かんがえすぎかぁ) 咲(まぁ、京ちゃん前よりもっと楽しそうに打ってるしいいか♪)←のほほんヘル分岐点 とある日の龍門渕 月齢ー十六夜 ハギヨシ「着きました」 京太郎「毎度毎度すいませんハギヨシさん」 ハギヨシ「いえ、こちらが招く立場でございますれば……おや?」 京太郎「ん?門の前に立ってるのは」 衣「む、きょうたろー」 京太郎「衣さん」 衣「龍門渕へようこそ」 京太郎「おじゃましますー」 京太郎「いや、なんで改めてこんなことを?」 衣「ん?いままで衣は『須賀京太郎』を招き入れていたのだ。今日から招くはきょうたろーだ」 京太郎「何が違うんですか?」 衣「わからぬか、ならよいのだ。さぁ、今日も麻雀しよう、きょうたろー!」トタタタター 京太郎「え、あ、はい。って、おいてかないでー」 ハギヨシ(そう、あの晩から須賀くんは変わったのです。恐怖と狂気の王ではなく。深淵の闇の王ではなく) 京太郎「イチダァ!ニダァ!サンダァ!ヨンダァ!ゴハンダァ!!満貫!!」 衣「ぐぁっ!!」 ハギヨシ(ヘルカイザー京となって) 京太郎「他人の懐にある点棒を奪い取ってでも、俺は、かぁっ!!!」 透華「もう発音できていないですわ」 衣「ぬぅ、まだだ!まだ衣の点棒は尽きていない!」 ハギヨシ(月の満ち欠けによって力が上下する力は失われ、彼は異才を失いました、が) ハギヨシ(衣様と打つ時に限って、なぜか極度の興奮状態に陥るようになりました) 衣「次の局がある限り、次のツモ順がある限り、100点でも残っている限り!衣は負けない!衣のターン!」 一「ついてけないよー……」 ハギヨシ(しかも、なんでか衣様までそのテンションにつられる有様。二人が打つと、部室はとても騒がしくなります) 京太郎「エボリューションリザルトツモ!!」 衣「まだまだぁ!!」ゴォッ!! ハギヨシ(正直嫌いじゃありません) 京太郎「あ、ツモです。1300オール」 智紀「そしてこの落差である」 衣「」ゼヒュー、ゼヒュー 透華「あんまり声を張り上げるからですわ」ナデナデ 純「体力差も歴然だなー。おっと、チー」 一「衣も嬉しいんだよ。対等に渡り合うーとかじゃなくて、素のままで全力ぶつけ会える「天敵」ができてさ」 京太郎「んー、新月に近いほど強いとか言われてもイマイチ実感がなー。もうないし」 純「その力が拮抗しあって、衣の能力だけにはメタはってるんだよなー。それロンな」 京太郎「ぬおっ」 智紀「話しながらだと、よく振るね」 京太郎「なはは、集中力無くて……やっぱり龍門渕の皆さんつえーや」 一(衣と京太郎は同じで、私たちより京太郎が弱くて、衣は私達以上) 一(これが、相性の悪さってやつなのかな) 京太郎「んあー、結局ラス、かぁ」 智紀「負けるわけには、いかない」 純「だなー、年季が違うよ」 京太郎「そりゃそうかー……あ、そういえば。龍門渕さん」 透華「はい?」 京太郎「今日、たしか麻雀いがいにもやりたいことがあって俺を呼んだらしいですけど、なんなんですか?」 透華「あぁ、それh「それは衣が説明するぞ!!」…」 衣「実はな?京太郎。本日読んだ理由もう一つはな、実は ハギヨシの料理試食会なんだ」 京太郎「試食、ですか」 衣「うむ。普段食べ慣れている私たちよりも、その他のものの意見を聞いた方がいいのだ」 京太郎「確かに、第三者からの意見は参考になりますよね」 ハギヨシ「というわけで、こちらです」パカッ 一「へー、これはマカロン?」 透華「どれ、早速一ついただきますわ、ハギヨシ」サクッ 衣「ころももー!」パクッ 純「いただきーっと」バクッ 智紀「ん、いただきます」カリッ 一「いただくね、ハギヨシ」モグッ 透華「あぁ、パーフェクトよハギヨシ」 ハギヨシ「もったいなきお言葉」 京太郎「じゃあ、俺もいただきます」パクッ 京太郎「これは……うまい!」 衣「そうだろう!ハギヨシのお菓子は美味しいだろう!」エッヘン 京太郎「ハギヨシさん、これ本当美味しいですよもしかして隠し味にホワイトチョコを?」 ハギヨシ「おお、お気づきになられましたか」 純「へー、全然わからなかった」 智紀「味覚、いいんだね」 京太郎「んー、確かにパーフェクト……もういっこ」パクッ 衣「あー!衣の分食べちゃダメだぞ!」ピョンピョン 京太郎「えー、でも一人三つくらいはありますよ」 衣「えー!?もっと食べたいぞー!」ピョンピョン 京太郎「全く。じゃあ俺のぶんひとつあげますよ」 衣「ほんとかー!」 京太郎「えぇ、はいあーん」 衣「あー……」 ハギヨシ「」ほっこり 透華「」ほっこり 衣「…こ、こどもあつかいするなー!」ペチン 京太郎「いてっ」 京太郎「叩かなくたって」ヒリヒリ 衣「す、すまない」オロオロ 京太郎「別にいいですけどね」 智紀「ふふ……そういえば、須賀君は料理するの?」 京太郎「え、どうしてわかったんですか?」 智紀「味覚鋭いし、それに、前ハギヨシがタコスの作り方教えたって」 京太郎「あー、まぁかじる程度には」 純「へー、すげえなぁ」 一「食べてみたいねー」 透華「!!そうですわ!須賀君、いまから何か作ってきなさい」 京太郎「え?いまから!?」 純(あー、キッチン自慢したいんだな) 衣「ぉ、衣も京太郎が何か作るなら食べてみたいぞ!」 京太郎「うっ……わ、わかりましたよ。ハギヨシさん。使っていいものとか教えてもらえませんか?」 ハギヨシ「えぇ、畏まりました」 衣「楽しみだなー♪」 京太郎「とはいっても、あまり時間内しなぁ。適当に……同じマカロンじゃあれだし、ね」 ハギヨシ「おや、いつのまに練習を?」 京太郎「いえ、なんか適当にバーっとやったら美味しいのができて、試食させたらマカロンに似てるって」 ハギヨシ「ほぅ」キラーン 京太郎「んじゃー適当にシュークリームとかでも」 ハギヨシ「適当に、シュークリームとな」ピクッ 京太郎「ええ、設備すっげーし。ハギヨシさん、泡立て器は?」 ハギヨシ「こちらに……」 一「ちょっと覗いて見よーっと」ソーーッ 京太郎「かぁつ!かぁつ!俺はかぁつ!!」ガシャガシャガシャガシャ ハギヨシ「もっと!もっと!ハリー!ハリー!ハリー!」 一「」 俺は!まけたくなぃぃい!!!! 透華「凄まじいですわね」 純「あぁ」 1時間後 ※ 1はせいぜいケーキが限界だからシュークリーム作ったことない。一時間でできるかは知らん 京太郎「皆さん、できましたよー」 智紀「素に戻ってるのがなお怖い」 京太郎「え?」 智紀「なんでもない」 衣「おいしそうだ!いただきまぁす!」パクリッ! 純「んー、この短時間で何個も甘いのはなぁ」サクッ 一「まぁまぁ。いただきます」モフッ 透華「では、失礼」シャクッ 智紀「ん」モグッ ハギヨシ「おや?ひとつあまりましたよ?」 京太郎「ハギヨシさんどうぞ」 ハギヨシ「……ありがとうございます。では」カプッ 「!!!」 ハギヨシ「こ、これは」 透華「そんな……まさか」 智紀「こんなことが!」 純「しんじらんねぇ!」 一「ありえない!」 京太郎「え!?も、もしかしてまずかった?!味見はしたけど」 衣「おいしい!すっごいおいしいぞきょうたろー!」パクパク 京太郎「へ?」 ハギヨシ「なっ……なっ……」 智紀「ハギヨシよりも」 透華「美味しいなんて!!」 京太郎「え?」 ハギヨシ「負け、た」サラサラサラ… ハギヨシ、----年続けた執事生活の中で、始めての敗北だった 純「これ、店で一つ2000円とかでも買うレベルだな」 一「皮はサックリ中はふんわり、クリームは甘さを抑えてどんどん食べたくなるね!」 衣「むぐむぐ……ぁ、もう終わっちゃった」ショボーン 京太郎「俺のなんかでよければ、また作りますよ」ナデナデ 衣「ほ、ほんとうか!やくそくだぞ!」 京太郎「もちろん」
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第八章【ラブイズマネー! 恋するお嬢様】アフター 透華「酷いですわ酷いですわ!」ポカポカポカ 京太郎「す、すみません」 透華「よりにもよって、私のお店で福路さんとデートだなんて!」 京太郎「いや、だって福路さんが予約していて」 透華「私も相談を受けた時には、まさかアナタが相手だとは」ズゥーン 京太郎「そうですよねー」 透華「しかも私ったら」 ~透華「まぁデートですの!! それでしたら相手と上手くいくように最高のセッティングをしますわ!!」~ 透華「なんて言ってしまいましたのよぉぉぉぉ!! もぉぉぉぉ!!」ポカポカポカ 京太郎「(可愛い)」 透華「うぅ、ひっく……眼を閉じなさい」 京太郎「え?」 , ⌒ヽ -… 、 / `´, - 、ヽ ,′ rv' i .i | { /. / l .i /イ ‘, .',./´ ヽ ',__ . -‐< \ >‐-、 / \ / \ / \ / ,.へ \ 〈 /ヽヽ∨///∧ ヽ ∧ /``〉 7‐'='='≠! ∧ i ! ' / / ' / | / i | ノ / / ' ' ,′ |i { | / / /ハ{ |i |i ヽ.ノ. // / //ヽ. \八{ 八 \ / / / /ァ=≧ミ ヽ \ (、ー-‐<ノ ヽ ヽヽ 〃 / , //ヽ弋r'シ^ヽ ) ァ=≧ミハ ハ. 〃 / i //{ ` 弋r'シノ ∧ ∧ ! {{ ' i 人_ . . , . ... / } } . j ∨人 ヽ 从 /_,ノハ l } // /ヽ \ 个 .. へ .イ__ノ ノ ノ ノノ. // / /\ ヽ /{` . ._ r<´ ` < イ∧ //__/_/___ヽ ∨ \ ` /./|ヽ._,ノ、 `ヽ ハ / } } ∧ ∧ ヽヽ`二フ \ }\ / } ノ ノ /ヽ∨,ノ\)ー―'^ ー-へ.. __ / ヽ 透華「息を止めて、瞳を閉じればいいんですのよ」ジトォー 京太郎「な、何する気ですか?」 透華「フフフ……」ジリジリ 京太郎「あ、ちょっ! と、透華さん! ダメです、それは流石に! あ、アァー!!」 透華「アナタのせいでダメージを受けましたのよ? 回復、させてもらいますわ」ガシッ 京太郎「透華さ――んっ」 透華「んっ……ふふ、ごちそうさまですわっ♪」 京太郎「……甘い味がしました」 透華「~~~っ! そういう報告はいりませんのっ!!」カァァ カンッ
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京太郎「ナンパしたのに結局やり込められた気がする……大阪恐るべし」 京太郎「ターゲット変更……次はあの子にするか」 京太郎「おねーさーん、俺と一緒に飯でもどうですか?」タッ 雅枝「すまんなお兄さん。急いどんや、ナンパなら他あたってな」タッタッ 京太郎「そんなツレないこと言わずに……」 雅枝「ほんま勘弁したってな」タッタッ 京太郎「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいですから」 雅枝「やからアカン言うとるやろ。何度も言わせんといてや」クルッ 雅枝「帰ったでー」 洋榎「おけーりーオカン」 絹恵「お帰りオカン」 雅枝「ご飯つくっとる間、そこでゆっくりしとき」 京太郎「は、はい……」 洋榎「………」 絹恵「………」 京太郎「………」 京太郎(こっ、子持ちぃぃ!!?) 洋榎「誰やねんアンタ」 絹恵「いきなりアンタは失礼やでお姉ちゃん」 洋榎「せやけど見てみー絹、コイツ……」ジー 洋榎「如何にもナンパ顔しとるで」 京太郎「な、ナンパ顔!?」ガーン 洋榎「じょーだんじょーだんや!あのオカンが連れてきたんや、そんなはずあらへんもんな!」 絹恵「……」 洋榎「ん?どないした絹、そんな顔真っ赤にして」 絹恵「ねぇ、お姉ちゃん……この人私がもろーてええんやろか?」 洋榎「は?」 絹恵「どないしよーお姉ちゃん!私、この人に惚れてしもたわ……」 洋榎「んな!?」 京太郎「!?」ギョッ 洋榎「ア、アホ抜かせ絹!どないしたんや!?」 絹恵「そう言われて分からへんわ!ただ、この人見た瞬間心臓がめっちゃはよーなったんや……」 絹恵「これまさか恋……」 洋榎「ちゃう!そんなチョロいでアカンで絹!!」 雅枝「アンタらご飯できたでー。テーブルのうえのモン片しといてや」 洋榎「ああ、ちょうどよかったオカン!」 雅枝「騒々しいなー、いつものことやけど。どないした?」 洋榎「絹がこのボンクラに惚れたとかアホなこと抜かしとるんや!なんか言ったってーな!」 雅枝「……なんやて?」 雅枝「ええことやん」 洋榎「は?」 雅枝「娘が恋愛するんは親としても嬉しいんやで?」 雅枝「オトンは怒るかもしれへんけどなー」 洋榎「なんでやねん!絹はそれでええんか!?」 絹恵「ええよ」ポッ 洋榎「…」 京太郎「ほうほう」 京太郎(俺はこのお姉さんを狙っていたつもりがいつの間にかその娘さんに狙われてしまったと?) 京太郎(ええー…なんだそりゃ) 洋榎「もー分かった!分かった認めるわもう!」 洋榎「で、お兄さんは絹の言葉に何て返事するんや?」 京太郎「!」ビクッ 洋榎「……妹泣かせたら許さへんで?」 雅枝「同感や」 絹恵「お、お姉ちゃん!オカンも!」 京太郎「って今しなきゃダメなんですか!?」 洋榎「当たり前やん。男なら決めるトコ決めんかい」 京太郎(んな無茶な……くっそもうヤケだ) 京太郎「じ、じゃあ……」 京太郎「それじゃ……」 絹恵「…」ビクッ 京太郎「お願いします」ペコリ 絹恵「……!」 絹恵「ほ……ほんまに?ええの?」 京太郎「はい。俺も最初はちょっと圧力かかってたんでヤケだったんですけど」 京太郎「絹恵さん?よく見ると美人だしさ」 絹恵「はうっ」カァァ 京太郎「それに、関西弁の彼女って、なんか可愛いじゃないですか」ハハ 洋榎「それうちも入るんかなー?」ワクワク 雅枝「よかったな絹。幸せになるんやで」 絹恵「うん!めっちゃ嬉しい!」 京太郎「はは……」 京太郎(大阪に遊びに来たつもりがおかしなことになったな) 京太郎(ま、まぁ結果的にナイスバデーな女の子と付き合えるようになったんだしいいか!) ―――――――― ハギヨシ「と、いった様子になっております」 透華「……なるほど」 ハギヨシ「いかがなさいますか?透華お嬢様」 透華「愚門ですわね。決まっていましょう」 透華「人の物に手を出すことがどんな報いを受けるのか……」 透華「そのお方には身を持って知ってもらいますわ」 ハギヨシ「かしこまりました」 透華「ハギヨシ、お金に糸目はつけませんわ。あらゆる組織にアポを取りなさい」 透華「解剖して薬漬けにして機械で弄ってすり潰してドロドロになるまで」 透華「いやそれでも足りませんわね…」ブツブツ ハギヨシ「…………」 ハギヨシ(私は透華お嬢様の忠実な執事……そこに一切の感情を入れることなど愚の骨頂) ハギヨシ(し、しかしあまりにこれは…いかがなものでしょうか) ハギヨシ「かしこまりました……透華お嬢様」 ハギヨシ「では名のある者を五名ほど用意し向かわせます」 ――――――― ―――――― 絹恵「なぁ、京太郎いつまでこっちおれるん?」 京太郎「一週間滞在予定なので、あと五日ですね」 絹恵「あとたった五日なんか……さみしくなるなぁ」 京太郎「大丈夫ですよ。またすぐに会いにきますって」 絹恵「ほんまに?」 京太郎「本当に」 絹恵「……そっか!なら次会う時まで寂しくないように」 絹恵「五日のうちにできることたくさんしとかへんとな!」 京太郎「はい!」 黒服「突然ですがすいませんそこのお二方、ちょっとよろしいでしょうか?」 絹恵「え?」 京太郎「?」 黒服「いや、厳密にはそこの女性に用があるのですがね」 黒服「……ちょっと死んでもらえないかと」ギラッ 京太郎(ナイフ!?) 絹恵「!」 京太郎「っ!危ない!!」 絹恵「ふん!!」ボッ 黒服「うげぁッ!!」 絹恵「いきなりなにすんねんボケ」バキッ 絹恵「あぶないやろー!!」ガッ 黒服「がッ!!」 京太郎(お、女の人の脚力じゃない) 京太郎(……ムエタイでもやってたのか?) 京太郎「き、絹恵さん……もうそれぐらいでやめてあげてください!」 絹恵「はあ!?」 京太郎「その人、もう半分ぐらい死んでますよ!」 絹恵「………!」ハッ 絹恵「ご、ごめんなさい!私……」 京太郎「いいんですよ。絹恵さんが無事なら俺はそれ以上なにも言いません」 黒服「……」 絹恵「そ、それでコイツどないしょーか」 京太郎「とりあえず縛って交番の前に置いときましょう」 絹恵「せやな………にしても怖かったわぁホンマ」 京太郎(俺はあなたの方が怖かったですがね。これからは絹恵さんは怒らせないようにしておこう) 絹恵「送ってくれてありがとな京太郎」 京太郎「今日はもう絶対家から出ちゃダメですよ!」 絹恵「分かっとる。心配性やなー京太郎は」 京太郎「あんなことがあった後じゃ心配になりますって……」 絹恵「大丈夫や、ちゃんと守るから安心し。京太郎はほんまにウチに泊まっていかんでええんか?」 京太郎「流石にそれはちょっと」 絹恵「お姉ちゃんもオカンもええって言ってるで?」 京太郎「お気持ちだけ受け取っておきます」 絹恵「むー」 京太郎「明日の朝一番に迎えに行くんで、それで勘弁してもらえませんか?」 絹恵「……絶対やで!嘘ついたら針千本のますで!」 京太郎「絶対に迎えに着ます。約束です」 京太郎「………」 トントン 京太郎「?」 純「よっ!」 京太郎「い……井上さん!?どうしてここに!?」 純「詳しい話は後だ!とにかく今は長野に戻って来い!」 京太郎「へ!?どうして?」 純「だから詳しい話は後だ!とりあえず今は素直にコッチ戻ってきてくれねーか?」 純「お前が長野に戻って来ればあの子の命は絶対に保障する。それは絶対だ!」 京太郎「……なんでその事を!」 純「はい、か、いいえか早く選べって!!時間がねーんだ!」 純(こんなことやってるって透華にばれたら……) 京太郎「……お、俺は」 京太郎「……分かりました」 純「よし、そんじゃすぐに!」 京太郎「でも連れて行きたい人が……二人程いるんですが」 純「……」 純「お、おい…まさかとは思うがオメー!」 京太郎「絹恵さんと洋榎さんを龍門渕に連れて行っていい条件なら、行きます」 純「はぁぁぁぁぁぁぁ!!?」 純「ばっか言ってんじゃねーよ!んなこと!」 京太郎「ダメなんですか?もしダメなら理由を教えてください」 純(そりゃ透華がいるからに決まってんだろーが!) 純(そんな火にガソリンぶちまけるような真似してみろ……終わりだぞ) 純(いや待て……コイツのいる前で透華もそう派手には動けない筈だ) 純(木を隠すなら森の中って表現はどうかと思うが……そう考えたら逆に安全なのか?) 京太郎「井上さん?」 純「……わーったよ。連れて来い」 京太郎「!」 純「ただし、ちゃんと親を説得できんならな」 ――――――――――― 京太郎「というワケで、娘さんを僕にください!」 雅枝「…」 絹恵「ええええーーーー!!帰ったんじゃなかったん!?」 京太郎「気が変わりました」 洋榎「おいコラナスビ!絹はまだ高校生やしお前も高校生やろ!」 京太郎「あとできればお姉さんもください(安全の為に)!!」 雅枝「――」 絹恵「――」 洋榎「へっ?」 京太郎「俺、お姉さんの事も絹恵さんと同じぐらい大事に思っています!」 京太郎「だからお願いします!長野まできてください!」 絹恵「……お姉ちゃんどういう事やねん?」 洋榎「し、知らんわ!こんのパツキンてきとー言うなや!」 洋榎「オカンなんか言ったれ!!」 雅枝「せやなぁ……」 雅枝「二人にそれぞれ平等に愛情を分けることができるならええよ」 洋榎「アホちゃうかアンタ!絹はそれでええんか!?」 絹恵「……ええで私は」 洋榎「なっ!」 絹恵「麻雀は勝てへんけど……女としてお姉ちゃんに負けてる部分はあらへんもん私」 洋榎「おっ?」カチン 京太郎「お姉さん」 洋榎「なんや!?今取り込み中」 京太郎「俺は十分洋榎さんは魅力的だと思います。どうしてもダメですか?」ガシッ 洋榎「うっ……そ、そないな眼でみても」 洋榎「はぁ、しゃあないなー……そこまで言うなら」 京太郎「言うなら?」 洋榎「妹を守るのも姉の役目や。ついてったるわ」 絹恵「お姉ちゃん……」 洋榎「見とけや絹?さっきの言葉撤回させるからな!」 絹恵「じゃあ早く彼氏つくらんとなぁ」クスクス 洋榎「おぅ、表でろコラ」 雅枝「こんな娘達やけど、よろしく頼むで」 京太郎「はい。任せてください」 雅枝(できれば私も行きたいんやけどな……最近部活の生徒が倒れたりやらで忙しゅうてかなわんわ) 雅枝「ほな、確かに預けたでお兄さん」 ―――――――――― ――――――――― ―――――――― 咲「お帰り京ちゃん、久しぶりだね」 京太郎「おう咲。一週間ぶりだな」 咲「大阪はどんなトコだった?」 京太郎「そうだな、一言で言えば……混沌?」 咲「な、なにそれ?」 咲「……あ、そう言えば今日大阪から二人転校生が来るって!すごい偶然だね」 京太郎(帰りに井上さんから聞いたけど……絹恵さんが誰かに命を狙われてるって話も大概だけど) 京太郎(まさか透華さんが俺のこと好きだったなんてなぁ……) 咲「京ちゃん?」 京太郎(あんな可憐なお嬢様が……) 京太郎(……っといかんいかん!俺には彼女がいるんだ!) 咲「ねぇ、京ちゃん?まさかとは思うけどさ」 咲「あっちで彼女とか作ってないよね?」 京太郎「!?」ビクッ 咲「どうなの?」 京太郎「ど、どうしてそんなこと聞くんだよ?」 咲「京ちゃん前に時に言ったよね」 咲「"眼が離せない幼馴染がいるから女の子とは付き合わない"って」 京太郎「……言っ…たな」 京太郎(うわぁぁぁーーーしまったぁぁーー!んな事言ったのすっかり忘れてたぁぁー!!) 京太郎「えっと、それはだな咲!」 京太郎(な、なんて説明すればいいんだ!?) 咲「……ふふっ」 咲「あはは、ごめんね京ちゃん。ちょっと反応面白くてからかっちゃった」 京太郎「えっ?」 咲「本当は私だって分かってるよ。京ちゃん優しいからそういう事言ってくれたんだって」 咲「それに私は京ちゃんの一ファンに過ぎないからね」ニコッ 京太郎「………」 咲「さ、早くいこ京ちゃん!遅刻しちゃうよ!」 京太郎「咲は俺の事、どう思ってるかしらないけどさ」 京太郎「俺は咲のこと……」 京太郎「大事な"友達"だと思ってるよ!」 咲「……はぁ」 咲「友達、なんだね」ボソッ 京太郎「え?」 咲「ううん、なんにもないよ。早くいこう」 京太郎「いやでも今なにか言ったような……」 咲「いいから!!」 京太郎「うお!」ビクッ 咲「……ごめん。怒鳴っちゃって」 咲「私、先に行くね」タッ 京太郎「あ、おい咲!」 教師「であるからして、恋に狂った少女たちは男を呪ってー」 京太郎(ビックリした……あんな咲みたの初めてだな) 京太郎(はぁー、授業にも全然集中でじきねーし誰かに相談してみるか) 京太郎「天江さん」 衣「うにゅ?」クルッ 京太郎「お久しぶりです」 衣「おお、きょーたろーではないか!」ピョーン 京太郎「うおっと」ガシッ 衣「お前がいない間、ずっと衣は無聊を託っていたんだぞー」スリスリ 京太郎「……あの、天江さん」 衣「なんだ?」クンクン 京太郎「ちょっと相談したいことがあるんですけど、いいですか?」 衣「なるほど、友達と言ったらその娘は憤慨したと」 京太郎「はい……それでなんで怒ったかは俺には分からなくて」 衣「むぅ、衣は友達と言われたら喜ぶが……」 衣「すまない京太郎。衣には少し分からない」 京太郎「はは、いいんですよ。聞いてくれただけでもすっきりしましたので」 京太郎「今日はありがとうございました、じゃあ俺はこれで」 衣「気にするな。またいつでも来るがいい」 衣「………」ハッ 衣(待て。せっかく二人きりになれたのに、このまま帰していいものか……?) 京太郎「……」スタスタ 衣(千載一遇とはまさにこの事!かくなる上は) 衣「……待て京太郎!」 京太郎「?」 衣「その、衣は……衣は京太郎が好きだ!」 京太郎「はは、俺も天江さんのこと好きですよ」 衣「そういう好きではないのだ!」 衣「衣は一人の女として京太郎が好きなんだ!」 京太郎「えっ」 衣「一目惚れなどどいう言葉、信じてなどいなかったが……まさか自分自身が体験することになろうとはな」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」 京太郎(こ、告白は嬉しいけど俺には絹恵さんという大事な彼女がいるし) 衣「自分で言うのもおかしな話だが衣はそんなに気が長いほうではない」 衣「だから、今この時返事が欲しい………どんな返事でも衣は後悔しないから」 京太郎「……」 京太郎(変な事考えずに断るしか……変な事考えるなよ俺)ドキドキ 京太郎「さすがに三股は……」 衣「…」 京太郎「!」ハッ 衣「大層、荒唐無稽で面妖な単語が聞こえた気がしたのだが」 京太郎「い、いやいや!今のはちょっとした冗談ですって!」ハハ 衣「……」ジーッ 京太郎「うっ」 衣「……」ジトー 京太郎「す、すいません!実は俺他にお付き合いしてる女性が二人います!」 衣「……やはりか。あくまで机上の空論だったで外れてほしかったのだが」ハァ 京太郎「やはり?」 衣「なんとなくだが分かっていたよ」 衣「衣と透華が惚れたんだぞ?そんな男を他の女が放っておくものか」 京太郎「それは買い被りすぎじゃ……」 衣「一応聞いておきたいが、に誰と誰と付き合っているんだ?衣の知ってる者か?」 京太郎「ええと、どうなんでしょう?一人は愛宕絹江さんっていう大阪で知り合った人なんですが」 衣「愛宕絹恵か……衣は知らないな」 京太郎「もう一人は」 京太郎「大阪の姫松高校の監督さんです」 衣「監督!?大人とまで付き合っているのか?」 京太郎「はい……最初はただ連絡取り合う関係だったんですど、いつの間にか遠距離恋愛になってました」 衣(透華や衣、清澄の黒糖だけでなく短期間に西にまで手を伸ばしていたとは……) 衣(なんと恐ろしき魔性の男よ。衣ですら背筋が凍る) 京太郎「まぁ、三股でもいいのなら天江さんともお付き合いできますけど」 衣「なっ!」 京太郎「あっ、ちなみに三股なのは黙っててくださいね?こればれたら色々とまずいので」 衣「冗談じゃないぞ!衣は京太郎が他の女と仲睦まじくしてるところなど見たくない!」 衣「京太郎は衣だけの京太郎がいいんだ!」 京太郎「んー……そう言われてもなぁ」 京太郎(ここにも困ったお姫様が一人か。でも確かにそこまで好きになってくれるのは嬉しい) モブ「あ、こんなとこにいた須賀くん。おーい!」 京太郎「?」 衣「誰だお前は!今衣と京太郎は大事な話を!」 モブ「ハンドボールの遠征先決めるから、至急集合だってさ!」 京太郎「な、なんだって……!?」 京太郎「じゃ、じゃあ!全国の強い奴らと戦えるのか?」 モブ「うん!」 京太郎「……」 京太郎「……天江さん」ユラリ 衣「な、なんだ?」 京太郎「すいません、俺……」 京太郎「1にハンドボール、2にハンドボール、3に恋愛なので」 京太郎「この話はまた今度じっくり!」ダッ 衣「ふぇ!?」 京太郎「よっしゃーーー!ワクワクしてきたぞーーーーー!!」 衣「……」 衣「……衣、なにか悪いことしたのかなぁ?」グスッ ―――――――― 京太郎「で、遠征先ってどこよ?」 モブ「聞いて驚いてね。去年全国優勝した」 モブ「白糸台高校」 京太郎「!?」 モブ「なんでも、今年も前人未到の全国3連覇を果たそうとしているらしいよ」 京太郎「……ああ、知ってるぜ」ゴクッ 京太郎「ハンドボールやってる奴なら誰でも知ってる絶対王者校……!」 ――――――――― ―――――――― 顧問「相手は全国王者だ!だが胸を借りる気持ちではなく倒すつもりでいけ!」 京太郎「おぉ!!」 オオーー!! 京太郎「疾きこと風の如く」 ナンダアレ ハエー! 京太郎「侵掠すること火の如し!!」 ネットツキヤブッタゾ!? 京太郎「動かざること山の如く」 ディーフェンス!! 京太郎「動くこと雷霆(らいてい)の如し!!」 キエタ!? 京太郎「フハハハハハハ!!」 誠子「全国王者がこうもあっさりやられるなんて……」 淡「す、すごい……すごいよあいつ!!」」 菫「ハンドボールやれよ」 照「………」 淡「ねぇテルー!あいつやばくない!?」 照「……」ポー 菫「おい」 コレガ ゾーンカ!? 照「!」ハッ 照「……別に」 イヤチガウ!コレハ…? 淡「はっはーん」ニヤニヤ 照「な、何?」 テ,テンイ ムホウノ キワミダ!! 淡「さては……惚れたね?」 照「っ」カァー 淡「おお!テルーでもそんな顔真っ赤にするんだ」 菫「よせ淡」ポコッ 淡「いてっ」 菫「照、恋する乙女になるのはいいが分かってるな?」 菫「部長としてじゃなく友達として言うが、三連覇がかかった大会前に変な気は起こすなよ」 照「……」 照「分かってる」 菫「まぁ、そうか。そんな事お前が一番分かってるよな」 菫「変な事言ってすまな……」 照「だから私、麻雀辞める」 誠子「!?」 尭深「!?」 淡「えっ…」 菫「……おい」 菫「冗談でも言っていいことと悪いことがある。誰に聞かれてるか分からんぞ?」 照「冗談なんかじゃないよ菫。私本気だから」 照「麻雀にさえ縛られなくなったら私、あの人と仲良くしてもいいんだよね?」 菫「……」ガッ 照「殴りたいなら殴ってもいい」 京太郎「やっぱり楽しいな、ハンドボール。後半も頑張ろ」 ギャーギャー 京太郎「ん?なんだ騒がしいな?」 菫「お前にとって……照にとって麻雀は!そんなものだったのか!?」 誠子「待ってください菫先輩!暴力は……!」 京太郎「えええーーーー!」 京太郎「うわわわ!!ちょ、ちょっと待った!!」 バキッ 京太郎「ふごっ!?」ドサッ 照「!?」 菫「なっ!」 京太郎「いてて……」 京太郎(女性って普通平手じゃないのかよ!奥歯何本か折れたぞ!) 淡「さっきのパツキン!?」 京太郎「事情は知りませんが喧嘩はダメですよ。それも女性同士でなんて」 尭深「血が…!」 京太郎「大丈夫ですって、こんなもん唾をつけとけば治りますよ」 菫「な、なんと言ったらいいか……!本当にすまない、今すぐ保健室に」スッ 照「触らないで」バシッ 菫「っ!?」 照「この人に触らないで」 菫「……」 照「立てる?」 京太郎「なんとか……フラフラしますけど」 照「一緒に保健室行こう。私が支えて行く」 京太郎「すいません、ご迷惑おかけします」 菫「……私は部長失格だな」 誠子「そ、そんなことないですよ!なぁ大星!?」 淡「えっ?私?……あ、ああ!そーですよ菫先輩!」 尭深「!」オロオロ 菫「いいんだ。そんな気を使ってくれなくても」 京太郎「いたたたっ!」 照「ごめん。痛かった?」 京太郎「い、いや……ちょっと消毒が沁みただけですから続けてください」 照「分かった、なるべく優しくする」グリグリ 京太郎「いででででっ!!」 京太郎「それで、どうして喧嘩なんてしてたんですか?」ヒリヒリ 照「……話すと長くなる」 京太郎「あっ、無理に言わなくてもいいですよ。俺は所詮部外者なワケですし」 照「ごめんなさい。それと………できるなら菫を責めないでほしい」 京太郎「すみれ?」 照「君を殴った人」 照「だけど悪いのは全部私だから。菫は何も悪くない」 照(ただこの人に触ろうとした時は許せなかったけど……) 京太郎「責めるも何も、俺が勝手に割り込んだだけじゃないですか。だからあなたも悪くありませんって」 照「でも私があなたを傷つけてしまったことは事実。何か償いをさせてほしい」 京太郎「いや本当にいいです、悪いのは俺なんですから」 照「………」ジッ 京太郎「うっ」 京太郎(そんな事言われてもパッと思いつかねぇよなぁ……んー、それじゃ) 京太郎「腫れが引くまでそばにいてくれませんか?」 照「……そんなことでいいの?」 京太郎「はい。そんなことで十分嬉しいです」 照「分かった」 京太郎「……」 照「……」 照「お菓子食べる?」 京太郎「すいません、口の中が血だらけなので食べれません」 照「あ…そっか」 照「じゃあ、何か本読む?面白い小説あるけど」 京太郎「俺アウトドア派なんで本はちょっと……ごめんなさい」 照「……」 照「……えーと」オロオロ 京太郎(かわいいなこの人) 照「好きです、付き合ってください」 京太郎「……」 照「あっ」 京太郎「……はい?」 照「……」 京太郎「ジョークですよね?そうですよね?はは、もう意地が悪いなぁ!」 照「……うぅ」カァァ 京太郎(えええー……ジョークの反応じゃねーぞコレ) 京太郎「え、えーと……」 京太郎「いや、無理かな」 照「っ!」 京太郎「いきなりってのもありますけど……」 京太郎「あなたのこと、ちょっとそういう風には見られません……すいません」 照「……そう」 照「ごめんなさい、変なこと言って」 京太郎「いや、お気持ち嬉しかったです。ありがとうございました」ペコリ 照「……」 京太郎「い、痛みもひいてきたんで……じゃあ俺、これで戻ります」 照「……うん」 京太郎「それじゃ、お先に失礼しますね」 ――――――― 京太郎「ビ、ビックリした。いきなりあんまこと言われるとは思わないだろ普通……」 京太郎「でも可愛かったしちょっと勿体無かったかなぁ……ってダメだダメだ!俺には絹恵さんと郁乃さんがいるじゃないか」 京太郎「それにこれから後半戦なんだし、気持ち切り替えねーとな」 ゴツン 京太郎「ほわい!?」 ?「いたっ!!」 京太郎(や、やば!考え事しすぎて誰かにぶつかっちまった!) 淡「ううー……いたぁい!!」 京太郎「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか!?」 淡「大丈夫なワケあるかー!」ウガー 京太郎「ヒエッ!」」ビクッ 淡「……ん?ああー!さっきのパツキンじゃん!」 京太郎「え?」 淡「丁度良かったー、菫先輩から"照だけじゃ心配だから様子見て来い"って言われてきたんだけど」 淡「その様子じゃダイジョブウそうだね」 京太郎「まぁ、だいぶ痛みはひきました」 淡「それで、テルは?」 京太郎「あー、えっと……まだ保健室に」 淡「ってことは置いてきたってこと?」 京太郎「……結果的にそうなる、のか」 淡「ふーん」 淡「あのさ、パツキン……」 淡「これで二人っきりだね」 京太郎「え?」 淡「とう!」ガバッ 京太郎「うわっ!?」ドサッ 淡「えへへ、マウントとったりー!」 京太郎「ちょ、ちょっと何するんですか!?」 淡「大人しくしてた方がいいよー。また傷口開いちゃうかもだし」 京太郎「すいません急いでるんで本当に勘弁してください」 淡「せっかく邪魔が入らなくなったんだし、色々はなそーよ」 淡「なんていうかさ、さっきの試合見てたら私パツキンのこと気に入ったし!」 京太郎(だからそんな時間ないっての!) 京太郎(とりあえず振り払ってでも逃げねーと……) 京太郎「やめろ!」ドン 淡「きゃっ!」 京太郎(今のうちに……!)ダッ 淡「あっ、逃げた!」 淡「待てこんにゃろー!!」 ―――――― 京太郎「はぁ……はぁ」ゼーゼー モブA「だ、大丈夫か須賀?顔色悪いぞ」 京太郎「大丈夫、大丈夫だ」 京太郎(血がたくさん出た上……全力疾走したら気分が)オエッ <後半戦スタートです! 京太郎(でもせっかく王者と闘う機会なんだ……!欠場するわけにはいかねー) ピーーーー!! <試合終了ー! 213-0で龍門渕高校の勝利です! 京太郎「いよっしゃああああ!!」 京太郎「王者に勝ったぞ俺ら!」 モブA「おう、これで堂々と長野に帰れるな」 モブB「全国王者っていっても大したことなかったなぁ」 モブA(ほぼ須賀一人で攻撃も防御もしてたけどね) 顧問「よーし、長野に帰って大会に向けてのミーティングだ。忘れモンないか?」 京太郎(やり残したことか……) 京太郎(なんかあったか?) 京太郎「んなもんないない、早く帰らなきゃ」 京太郎「さらば白糸台。中々に楽しかったぜ」 ―――――― ――――― 透華「お帰りなさいませ。遠征お疲れ様ですわ」 京太郎「ありがとうございます。なんとか学校の面子は保てましたよ」 純「聞いたぜ?なんでも無双したらしいな」 京太郎「あれ?まだ誰にも話してないのに耳が早いですね」 一「知らなかったの?あの試合テレビで全国放送されてたんだよ?」 京太郎「え゛っ……?」 智紀「全国にファンがいっぱいできてる」ポチポチ 純「はは、よかったな人気者」 京太郎(コケなくてよかった!ほんとによかった……!)ホッ 透華「今日はお疲れでしょう?そろそろ休んではいかが?」 京太郎「そうですね。流石に色々とやばい気がするので」 透華「明日はお休みとします。一日羽根を伸ばしなさい」 京太郎「えっ、それって勝手に決めていいんですか?」 透華「あなたのご活躍にお爺様もご満悦ですわ。喜んで休暇をくださるでしょう」 京太郎「はぁ……」 京太郎(まぁ、いっか。せっかく休みくれるって言ってんだし) 京太郎(明日は何しよっかなー) 京太郎(久々に清澄に顔でも出してみるか) 京太郎(優希や和、部長に染谷先輩元気してるかな) 京太郎(あいつもそう言えば清澄だったな) ――――――――― 久「あら、これ意外と美味しいわね」ポリポリ 春「それが自慢」 久「はい、あーん」 春「あむっ」 優希「転校生がきたと思ったらこれだじゃ」 まこ「アイツは女専門のたらしかえ」 京太郎「仲良くしてるようで、嬉しいです」 まこ「ま、部長は人に好かれやすいからのう」 まこ「……ん?」 優希「きょ、京太郎ーーーー!?」 久「へっ!?」 まこ「なっ!?」 春「!」 京太郎「お久しぶりです」 まこ「ったく、帰ってくるなら連絡の一つぐらいよこさんか!」ポコッ 京太郎「あたっ!す、すいません」 久「その割には嬉しそうねまこ」 久「須賀くん、噂は聞いてるわよ?随分と約束通り活躍してるそうじゃない」 京太郎「まぁ、ぼちぼち」 春「……」ギュッ 京太郎「お、おい!こんなとこでひっつくなって!」 まこ「なんじゃ二人とも知り合いだったんか?」 京太郎「まぁ、それは色々と……」 久「はっはーん」ニヤリ 京太郎「そ、そういえば和は?」 優希「……のどちゃんなら、最近学校にきてないじぇ」 京太郎「えっ?」 久「咲が……自分よりあなたを取ったことがよっぽどショックだったみたいでね」 京太郎「あっ……」 久「咲はどう?元気にしてる?」 京太郎「………」 優希「京太郎?」 京太郎「はい、そこそこ!」 京太郎「相変わらずのポンコツっぷりで、気苦労が絶えないですよ!」ハハ 久「仲良くはしてるみたいね、安心したわ」 京太郎「俺もみんなの元気そうな顔が見て安心しましたよ……和はいないけど」 京太郎(あっ!) まこ「……」 優希「……」 久「……」 春「?」 優希「なぁ、京太郎……」 京太郎「ん?」 優希「お前、清澄に戻ってくる気は無いのか?」 京太郎「……え」 優希「私は昔みたいに、京太郎と喧嘩して、咲ちゃんに麻雀でボコボコにされて、のどちゃんがいる頃に帰りたいじぇ……」 久「優希、それは……」 まこ「気持ちは分かるが京太郎にも京太郎の道があるんじゃ。それを邪魔しちゃいかん」 優希「今の麻雀部もはるるが来て賑やかになったけど、やっぱり私には京太郎がいないと何か物足りないじょ……」 京太郎「……俺は」 京太郎「すいません、今日は帰ります」 京太郎「またな春」ナデナデ 春「…」コクコク 優希「逃げるな京太郎ーー!どうなんだじぇ!?」 京太郎「すまん優希。俺は、あくまでハンドボール一筋だ」 優希「なっ!」 京太郎「ここで辞めたら俺を応援してくれてる人に申し訳ねぇよ」 優希「うう……」 京太郎「ごめんな優希」 優希「……も、もういいじぇ!京太郎なんか知らん!」 京太郎「じゃあ部長、染谷先輩……近いうちにまた顔出しますんで」 まこ「おう、時間に余裕があると時でええわ」 久「私たちも応援してるわよ。頑張ってね」 京太郎「はい、ありがとうございます」 ――――――― 京太郎(応援してくれてる人たちか……彼女の絹恵さんと郁乃さん) 京太郎(永水の石戸さん薄墨さん、滝見に………) 京太郎(龍門渕の龍門渕透華さんと天江さん、井上さんにも世話になったな) 京太郎(大阪じゃ洋榎さんや雅枝さんに出会って) 京太郎(白糸台じゃ結局名前聞けなかったけどあの綺麗な人と、カウントしていいか分からないちょっとアホっぽい子) 京太郎(そして清澄のみんな………と、幼馴染の咲) 京太郎(ちょっと怖かった人も交じってるけど、いろんな人に支えられてんだな俺は) 京太郎「か、海外留学っすか?」 教師「ああ。この前の白糸台との練習試合を見たらしくてな、是非どうかと」 教師「本当は白糸台の選手をスカウトするつもりだったらしいが」ハハ 京太郎「そんなこといきなり言われても……ちょっと」 教師「急がなくても返事は一週間後までに考えてくれればいい」 教師「それまでにご家族と話し合って決めることだ」 京太郎「は……はい」 京太郎(本場ドイツに行くことは全ハンドボールの夢だし、普通に考えて行かない手は無いないけど) 京太郎(でも流石に海外は国内とはワケが違うし……どうしたもんかな) 京太郎(それに色んな人に世話になりっぱなしで勝手に行くのはちょっと……) 京太郎(いや、やっぱり行こう) 京太郎(ここで自分から道を断ったら今まで応援してくれてた人たちに申し訳ねーよな) 京太郎「まぁ、流石に何も言わないで行くのはダメだし何人かに留学するって伝えないと……」 京太郎(って言ってもあんまり言いふらしても嫌味っぽくなるかもしれないから5人くらいにしとくか) 京太郎(5人も行っとけばその内誰かの耳にも入るだろ) ――――――― 久「私を呼び出すなんて、随分と偉くなったわねぇ須賀くん」 京太郎「はは……すいません。でも清澄じゃ言えないようなことなので」 京太郎(優希に聞かれたらただじゃすまねーだろうしなぁ……) 久「冗談よ冗談。相変わらず元気そうで安心したわ」 久「で、用件は何かしら?」 京太郎「はい、実は俺……ハンドボールで海外留学が決まったこと部長に伝えようと思って」 久「海外留学!?ワオ、やるじゃない須賀くん!」 久「……でも何でそれを私に言おうと思ったの?優希とか咲のが喜んでくれたんじゃない?」 京太郎「一番最初に背中を押し出してくれた部長に、一番最初言うのが礼儀だと思って」 久「ほうほう……じゃあまだ咲とかには言ってないんだ?」 京太郎「時間があれば伝えるつもりです」 久「分かった。優希とかには折をみて言っておくわ」 京太郎「よろしくお願いします」 京太郎「それと部長、今までお世話になりました」ペコリ 久「こらこら、もう部長じゃないでしょ」アハハ 京太郎「部長は部長ですよ。俺の中でそれはずっと変わりません」 久「そ、そう?」 久「……じゃあ、部長として最後に一言だけ」 久「あっちに行っても頑張りなさい!」バシッ 京太郎「いって!」 久「コケたりしたら清澄の雑用に逆戻りだからね?いい?」 京太郎「……はい!」 久「うん。よろしい」 久「日本に帰ってきたら、顔ぐらい出しなさいよ?」 ―――――――― 京太郎(なんだかんだ言って部長も俺の事、結構気にかけてくれてたのか……) 京太郎(この恩返しは活躍で返すとしよう) 京太郎(……んで、次は誰に言いに行くかな) 京太郎(次は龍門渕さんかな……こっち来てから色々と世話になったし) 京太郎(あと、俺の事好きって井上さんから聞いてたんだけど……どうなんだろ) 透華「……海外留学と?ドイツに?」 京太郎「はい」 透華「確かに国内であなたの実力を埋もれさせるのは酷というものですわね」 透華(ドイツは少し遠い気もしますが、まぁいいですわ。別荘も幾つかありますし) 京太郎「本当に、龍門渕さんにはお世話になりました!」ペコリ 透華「まぁそんな!顔をあげてくださいまし」 透華「あなたは我が龍門渕の誇りですわ。もっと胸を張りなさい」 京太郎「龍門渕さん……」 京太郎「本当にありがとうございました!俺、あっちでも頑張ってきます!」 透華「え、ええ!期待していますわ……!」 京太郎「じゃあ、俺はこれで」 透華「………」 透華(結局告白できないままですわね……なんて情けない) 透華(って、違いますわ!今言わなきゃいつ言うんですの私!?) 透華「好きでしたのよ!」 京太郎「うおっ!?」 透華「私、あなたを出逢った時からずっとお慕い申していましたわ!」 京太郎(うおお!やっぱりマジだったんだな。龍門渕さんが俺の事好きって……) 京太郎(けど……い、いざ言われると)アタフタ 透華「ですから京太郎さんが遠くに行ってしまうなんて、とても耐えられませんわ!どうか行かないでくださいませ!」 京太郎「えっと………」 雅枝「お茶でええか?」 京太郎「はい、お構いなく」 雅枝「そういや絹と洋榎はおらへんのか?」 京太郎「俺一人できました」 雅枝「ま、ええわ。それで大阪まできて言いたいことって、どないしたん?」 京太郎「……実は俺、ハンドボールで海外留学が決まったんです」 雅枝「ほぉー、そらすごいなぁ!絹には言うたんか?」 京太郎「いえ……中々言い出せなくて」 雅枝「やろなぁ。彼氏が海外留学て相当辛いもんな」 雅枝「で、なんで絹恵でも洋榎でもあらへんで私に言うたん?」 京太郎「雅枝さん大人ですし、絹恵さんから麻雀で海外に行ってたって聞きました」 京太郎「だから先輩として海外に行く上で何かいいアドバイスがもらえるかと思って」 雅枝「アドバイス言うてもなぁ………んー」 雅枝「あ、せや!」 京太郎「!」 雅枝「私がついってって教えたるわ」 京太郎「はい!?」 雅枝「海外初めてなんやろ?なら、暮らし方とか色々教えたる」 京太郎「いやいやいや!流石にそれは!」 雅枝「遠慮せんでもええ。京太郎が一人でやってけるようになったら私も戻るわ」 京太郎「そうじゃなくて、夫さんとか仕事とかどうするんですか!?」 雅枝「そこら辺は適当に片付ける」 雅枝「京太郎はハンドボールだけに集中しとけばええんや」 京太郎(……俺、愛宕さんの夫に刺されないな) ――――――――― 京太郎(ま、まさかこんな展開になるとは……) 京太郎(いやでも飯とかの問題とか生活環境の心配は無くなったって考えたら……結果オーライなのか?) 京太郎(そう考えたらちょっとは良い気がしてきたかも。とりあえず残りの挨拶回っとくか) 京太郎「絹恵さん、ちょっといいですか?」 絹恵「おおー京太郎!どないしたん?」 京太郎「ここじゃちょっと。場所を変えましょう」 京太郎「俺、ハンドボールで海外留学が決まりました」 絹恵「……えっ?」 京太郎「言うのが遅くなってすいません」 絹恵「それはええんやけど……京太郎」 絹恵「海外、行くん?」 京太郎「……はい」 絹恵「そ、そっか……そうなんや」 京太郎「……」 絹恵「……」 絹恵「なぁ、京太郎?」 京太郎「はい?」 絹恵「か、彼女として……応援しとるで」グスッ 絹恵「ほんま寂しくなるけど、京太郎が帰ってくるまで我慢するで……っ!」ヒック 京太郎「そんな泣かないで下さいよ……俺まで泣きたくなるじゃないですか」 絹恵「だ、だって……」 京太郎「俺、あっちで活躍して絹恵さんに相応しい男になって帰ってきます」 京太郎「だからそれまで待っててください」 絹恵「……」 絹恵「うん……待っとるから、ぜったい帰ってきてや………約束やで!」 ―――――――――― 京太郎(あっ!"お母さんはついてきますよ"って言うの忘れてた!) 京太郎(ま、まぁ……あの雰囲気でそんなこと言えなかったしな仕方ないか) 京太郎(……さて、最後は誰に言おうかな) ――――――― 京太郎「よっ、咲!」 咲「……」 京太郎(あ、あれ?聞こえてなかったのか?じゃもう一回……) 京太郎「咲ー!」 咲「……」 京太郎「……」 京太郎(あれ、もしかして無視されてるのか?) 咲「海外留学決まったらしいね、おめでとう」 京太郎「!?」ビクッ 京太郎「……な、なんだ知ってたのか」 咲「それで、私に何か用事かな?」 京太郎「あ、ああ!だからその海外留学することをお前に言っとこうって思って」 咲「どうして?」 京太郎「どうしてって、お前俺の為に全国転々としてたんだし言っとかなきゃって思って」 咲「……それだけ?」 京太郎「へっ?」 咲「ごめん京ちゃん、私もう行くね」 京太郎「お、おい!待てって咲!」 京太郎「まだお前に言いたいことが残ってんだよ!」 咲「……」ピタッ 京太郎「あのさ、咲……」 京太郎「なんでそんな機嫌悪いんだ?生理?」 咲「……」 京太郎「嘘だって、そんな怖い顔で睨むなよ!」 咲「京ちゃん」 京太郎「あ、はい」 咲「頑張ってね。京ちゃんの一ファン、あと"友達"として応援してるから」 ――――――――――― 京太郎(咲の奴、ゴミクズを見るような目で俺を見てたな) 京太郎(結局なんで怒ってたかずっと分からねーままだったし……) 京太郎(ま、いいや。とりあえず荷造り初めなきゃな) ―――――――― ――――――― 雅枝「京太郎ー!はよ起きんかい!」 京太郎「あ、あと五分……あと五分……」ムニャ 雅枝「もう朝ごはんも出来とるで。ぱぱっと用意して食わんかい」 京太郎「今日は朝飯抜きでいいです……」 雅枝「食うモン食わんと力もでらへんよ」 京太郎「朝飯食わなくても俺、強いですから大丈夫です……」 雅枝「いいからはよ起き!」ガバッ 京太郎「いやああーーー!変態ー!!」 雅枝「アホ言うなや。ほら、モタモタしとったらKGWが迎えにくんで!」 京太郎「分かりましたよっと………」 京太郎「それじゃ、いただきまーす」 雅枝「ぎょーさんあるから一杯食べ。ほんで元気付けて、今日も頑張ってき」 京太郎「はーい」 ―――――――――― 恒子「今年のインハイは龍門渕の圧勝だったねー!もうちょっと盛り上がると思ってたけどほぼ一強状態だし!」 恒子「去年凄かった白糸……なんたらと巫女さんのたくさんいる学校は何で今年出てないの?」 健夜「白糸台と永水だよ!それぐらい覚えようよ!」 健夜「……なんでも白糸台は暴力事件が表沙汰になっちゃって、出場停止で……」 健夜「永水は主力が欠けてしまったとかで、辞退したって聞いたよ」 恒子「うっわ、なにそれ!?でんじゃらす過ぎっしょ!」 K「ったく、お前15歳のクセにあんな年上美人と同棲なんて羨ましすぎだろ……」 京太郎「そうか?」 K「そうだよ。俺なんて相手がいないからエロチャぐらいしかすることないのに」 京太郎「確かに雅枝さんには感謝してるよ。いつもおいしいご飯作ってくれるし色々世話してくれるし」 K「それは下の世話もか?」 京太郎「それは秘密だ」 K「死んでく………ん?」 京太郎「どうした?」 K「なんかさ、あそこにいる女の子ずっとお前の方見てね?お前と同じ日本人っぽいけど」 京太郎「え?」 京太郎「……どこだよ」 K「……あれ?おかしいな」 K「確かにショートヘアの女の子がいたんだけど」 京太郎「エロチャのし過ぎで幻覚見えてんだよお前」ハハハ 京太郎「速く練習行こうぜ、遅刻したらまたどやされるぞ」 K「お、おう……」 カン
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京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 京太郎「家ん中いても仕方ねーし、ちょっと出歩くか」 京太郎「なんでもいいから面白い事おきねーかな」 TV「今行くなら兵庫!激安プランで旅行ができる!!」 京太郎「ん?」 TV「明石焼きに神戸牛!美味しい物満載!」 京太郎「……」ゴクッ TV「さらに兵庫は聖地巡礼としても多くの……」 京太郎「兵庫……か。いいかも」 京太郎「あ、咲?ちょっと兵庫に行ってくるから部長に部活休むって言っててくれ」 京太郎「ん?いや冗談じゃないって。それじゃ頼むからな」ピッ ―――――― ――――― 京太郎「ここが兵庫か」 京太郎「流石に長野よりは都会だけど、思ったよりのどかな所だな」 京太郎「まだ旅館のチェックインまで時間はあるし、なにして時間潰そうか……」 京太郎「兵庫に来たらやっぱり神戸牛はかかせないよな」 京太郎「少し高いかもしれないけど、せっかく来たんだし食っとかなきゃ損ってもんだぜ」 店員「お待たせしましたー。熱いんでお気をつけください」 京太郎「うおおおーすげぇ!こんな霜降り見た事ねぇ!」 京太郎「あ、写真撮って後で優希に送ってやろ」パシャ 京太郎「よーしそれじゃあ、いただきまーす!」 ――――――― 京太郎「ふー、食った食った」ゲプ 京太郎「流石に1万はデカかったけどそれに見合うだけの美味しさはあったな」 京太郎「そろそろ時間は……あ、まだあるな」 京太郎「神戸牛も食ったことだし次はどこ行こっかな」 京太郎(やばい……なんかそれっぽい路地に迷い込んでしまった) 京太郎(確か一回キャッチに捕まったら面倒くさいって言ってたな……早いとこ出ないと) 配り「おっ?そこのお兄さーん!これ貰ってってよー」 京太郎「俺まだ未成年なんで遠慮します!!」 配り「いや、ただ貰ってくれるだけで助かるよ!貰った後はどっか捨ててくれてもいいから!」 京太郎「……はぁ」 京太郎「"デリバリーヘルス、自宅出張致します"か」 京太郎「ほぉー、今のデリヘルって1万円いかないんだな。安いじゃん」 京太郎「……」 京太郎(もし頼んだとしても、ここ兵庫だし誰にもばれないよな……?)ゴクッ 京太郎(せっかく旅行にきてんだしちょっとぐらいはいいか) ――――――― 京太郎(ビジネスホテルの一室借りることにしたけど……この待つ間って中々緊張するな) 京太郎(流石に指名できるお金は無かったけど、胸が大きい人が来てくれるといいな) ピンポーン 京太郎(き、来た!) 京太郎「はーい!今開けます!」 健夜「お、お邪魔しまーす……」 京太郎「……」ジー 健夜「初めまして。今日お相手を務めさせていただきます、すこやん(仮名)です」 京太郎「あ、はい」 健夜「よろしくお願いしますね」 京太郎(うーん……顔は可愛いけど、スタイルはそんなによくないな)ガックシ 京太郎(と言うかこの人どっかで見たことあるような……?)チラッ 健夜「……!」ビクッ 京太郎(んー、誰だっけ?) 京太郎(ま、いっか。逆にデリヘル嬢と知り合いって方がおかしいし) 京太郎「一つ聞きたいんですけどいいですか?」 健夜「はい?」 京太郎「デリヘルって本番アリなんですか?」 健夜「本番……?」 京太郎(意味知らないのか……) 京太郎「んーっとですね、ゴニョニョって事ですよ」 健夜「ええっ!?ダ、ダメだよ!そういうのはちゃんとしたお店に行って貰わないと……!」 健夜「……それにまだ私、そういう経験無いし」 京太郎「そういう経験無いのにデリ嬢やってんのか!?」 健夜「だって……男慣れしないといつまでたっても結婚できないから」ボソッ 京太郎「俺としてはデリ嬢やってたような人と結婚なんかしたくないですけどね」 健夜「……」 京太郎「ってことで、初めて同士ってことで俺とやってみませんか?」 健夜「だ、だからそれは!」 京太郎「お願いします!俺ここでDT捨てないと一生捨てられない気がします!」ドゲザ 健夜「……それは私もだけど、ちゃんとこういうのは結婚相手とじゃなきゃ」 京太郎「先っちょだけ!先っちょだけですから!」 健夜「うう……」 健夜「………じゃあ」 健夜「……責任とってくれるなら」 京太郎「え?」 健夜「そ、その……そこまで言うなら……ちゃんと責任とってくれるなら、いいよ」 京太郎「いや、それは勘弁してください」 京太郎「俺まだ遊びたいですし」 健夜「……うん、それがいいと私も思うよ。こういうのは本当に好きな人と」 京太郎「けどそれとこれとは別ですよね?」 健夜「へ?」 京太郎「つべこべ言わず脱げってことですよ!」ガバチョ 健夜「ひゃあああっ!?」 京太郎「もうちょっと肉付きのいい身体なら文句は無かったんだけどな……ま、いっか」 健夜「だ、誰か!誰か助けて!!」ジタバタ 京太郎「暴れんじゃねーよ!」 健夜「やめて!!」バシッ 京太郎「って!……叩きやがったなお前?」 京太郎(今日で兵庫から帰る日だけど……何もなくてよかったぜ) 京太郎(旅行に行く前、トラブルにあって帰れなくなる夢を何回も見てたからな) 京太郎(土産もたくさん買ったし、観光もできた) 京太郎「それじゃ帰……」 ガッ!! 京太郎「うぐっ!?」 京太郎(え……え??後頭部が……熱い?) 京太郎(それに何だか眼がグルグル回って……) 「コイツ、どうします?」 「誰にも見つかることの無い、どこかの深い山中に捨ててこい」 「デリ嬢だからと言ってヤンチャし過ぎだなぁ兄ちゃん?ケジメはとってもらわんといけんわ」 ―――――――――― ―――――――― 穏乃「んー!やっぱ山の頂上ってきんもちいいなー!!」 穏乃「空気も美味しいし、さいこ………ん?」クンクン 穏乃(なにこれ……鉄の臭い?) 穏乃(おっかしいなぁ、この山に鉄の建物なんて無かった気がするけど、こっちからかな?)タタタ 穏乃「……」 穏乃「!!?」 穏乃「に・ん・げ・ん・だぁぁぁぁーーーーー!!!」ズドーン 玄「れれれのれ~♪れれんれ~」サッサッ 玄「……うん、綺麗になった。これだけお掃除すればいいよね」 ―――――――ぁぁぁ…… 玄「?」 ――――――うわぁぁぁぁぁぁ ドドドド 玄「な、なにこの声?どこから……」 穏乃「うわああああああああああああ玄さああああああああん!!!」ドドドドドド 玄「わわわわっ!?穏乃ちゃん?!」 穏乃「ど、どどどどうしよう玄さん!山に人が捨てられてた!」 玄「!?」 穏乃「なんか頭から血が凄いしやばいって!」 玄「じ、事情はともかく早く看病しなきゃだね!」 京太郎「……ふわーっ」 京太郎(ちょっと寝すぎたなぁ、頭痛ぇし……それにお腹も減ってきたぞ) 京太郎(なんか食いモン食いモンっと)ムクリ 京太郎「………」 京太郎「ん?」キョロキョロ 京太郎(……あれ?ここどこだ?) 京太郎(俺の家、にしては匂いが違うし) 京太郎(って……俺の家ってどこだっけ?てか俺どこに住んでたっけ) 穏乃「おにいさーん、おしぼりの変えもってき……!?」 京太郎「?」 穏乃「うわああああああ玄さん宥さあああああん!!」ダダダダ 京太郎「な、なんだ?」 ――――――――― 玄「目が覚めたんだね!?ホント、死んじゃったらどうしようかと思ったよー!」 京太郎「……」 宥「よかったぁ……本当によかった」グスッ 京太郎「……」 玄「穏乃ちゃんががキミをここまで運んできてくれて、おねーちゃんが一晩中看病してくれてたんだよ?」 穏乃「いや、玄さんもずっと看病してたじゃないですか」 京太郎「……えーっと、一つ訪ねてもいいですか?」 玄「はい?」 京太郎「俺は誰であなた達は誰ですか?」 宥「……」 玄「……」 穏乃「……」 玄「こ、これはまさか……記憶喪失というあの伝説の」 宥「ええっ!?」 穏乃「そんな漫画じゃあるまいし、"もう元気だぞー"って言う冗談ですよね?」ハハー 京太郎「……」 穏乃「……」 穏乃「あの、お兄さん………ホントに何も覚えてないの?」 京太郎「名前だけ思いだせる。確か須賀京太郎だった、気がする」 京太郎「でもそれ以外、本当に何も思い出せないんだ」 穏乃「マ……マジ?」 宥「ふぇぇぇ……」オロオロ 京太郎「教えてください。俺とあなた達はどういう関係なんですか?」 京太郎「もしかしてこれが初会話でお互い知らない人だったり……」ジリッ 玄(どうしようおねーちゃん穏乃ちゃん!なんだか警戒されてるみたいだよ……!) 玄「え、えっと……」 宥「そのぅ……」 穏乃「あ、あれだよ!あれ!」 穏乃「京太郎は私の彼女だよ!」コンラン 玄「!?」 宥「!?」 京太郎「……えっ」 京太郎「彼女?俺が?」 穏乃「そうそう!京太郎と私は彼女で、ずっと付き合ってきたじゃん!」 京太郎「そうか……俺は女だったのか」 玄「それを言うなら彼氏じゃないかな穏乃ちゃん……」 穏乃「あっ」 京太郎「?」 穏乃「ご、ごめん、ちょっと混乱してて何言ってるか分かんなくなっちゃった」 穏乃「今言ったことは忘れてよ!」ハハ 京太郎「……まぁ、とにかく」 京太郎「俺とお前は付き合ってたってことでいいんだな?」 穏乃「あっ、いや!それは!」 京太郎「シズだっけ、名前?」 穏乃「え?、う、うん」 京太郎「心配かけてゴメンなシズ」ギュッ 穏乃「ふきゅっ!?」 京太郎「もうこんな思いはさせないからさ……許してくれると嬉しい」ナデナデ 穏乃「……」 穏乃「……う、うん」カァー 玄「堕ちたな」 宥「く、玄ちゃんどこでそんな言葉覚えてきたの……?」 京太郎「ちなみにあなた方二人は?? 宥「!」ビクッ 玄「ふっふっふ……私たちは」 玄「あなたの愛人なのです!」テキトー 宥「ふぁ!?」 穏乃(ちょ、ちょっと玄さん!それはいくらなんでも……!) 京太郎「……愛人か」 穏乃「?」 京太郎「こんな可愛い彼女がいながら、俺は愛人なんてモンを作ってたのか」ギリッ 玄「……あれ?」 京太郎「俺は前の自分が赦せなくて……怒りが収まりません!」 京太郎「本当にゴメンな、シズ。こんなクソ野郎で」 京太郎「でももう浮気なんて絶対しないから!これまでのこと殴ってくれてもいいから、許してくれ!頼む!」ドゲザ 穏乃(すっごく心が痛い) 宥(玄ちゃん……) 玄(うわわ!こ、こうなったらあの二人に助けを求めるしかないよぅ……!) 憧「……で、なんでそんな適当なことばっか吹き込んだワケ?」 憧「玄とシズだけならともかく……宥姉まで!!」 穏乃「そ、そんなに怒んないでよ憧」 宥「ごめんなさい……」 玄「あの時はああいうしか無かったのです」 灼「わずらわしい」 京太郎「あなた方は……?」 憧「ん?ああ、私と灼は」 憧「普通の……」 京太郎「普通の?」 憧「……!」ズギュン 京太郎「普通の、何ですか?」 憧「………」 憧「私ね、京太郎の前世の恋人だよ……ずっと会える日を待ってた」 京太郎「は、はい?」 灼「何言ってんの憧……」ドンビキ 京太郎「ええと、あなたは?」 灼「私はキミの親分」キリッ 灼(親分?何言ってんだろ私……?) 京太郎「……」 京太郎「どういうことなの?」 穏乃「私に聞かれても……憧の様子何かいつもと違うし、灼さんもあんな冗談いうような人じゃないし」 京太郎「ええと、つまり関係を整理するとこういうことか」 京太郎「シズは俺の恋人で、玄さん宥さん?は俺の愛人」 京太郎「憧さんは俺の前世の恋人で灼さんは俺の親分だった……ってことか」 玄「うんうん」 京太郎「……えっと、とりあえずごちゃごちゃし過ぎてワケわかんないや」アハハー 宥「あ、諦めたらダメだよぅ!」 京太郎(こうして俺は記憶が戻るまで松実館で働きつつ居候することになった) 玄「本当にいいの?む、無理しなくていいんだよ?」 京太郎「いえ、流石にタダで飯食わせてもらう訳にはいかないんで……」 京太郎「記憶が戻るまでは俺もこの館で働かさせていただきます」 宥「そんなの気にする必要ないのに……」 京太郎「前の俺が何やってたかは知りませんけど、体力はそこそこあるみたいですし」 京太郎「存分に使ってやってください」 玄「えー、おほん!では今日から京太郎くんには松実館で働いてもらうことになります!」 京太郎「はい。よろしくお願いします」 宥「よろしくね」 玄「ではまず京太郎君には……」 玄「薪割りをやってもらいます!」 玄「私やおねーちゃんじゃ力が足りないから、これをやってもらうと助かるかな」 京太郎「薪割りですか」 玄「うん!説明は……いるかな?」 京太郎「いえ、大丈夫です」 宥「危ないから気を付けてね」 ――――――――――― 京太郎「よいしょ!」 パコーン 京太郎「ふん!」 スパコーン 京太郎(単純作業とはいえ、重い斧を振り回すのは中々疲れるな……) 京太郎(よーし、終わったぞ) 京太郎(後はこの薪を裏方まで持っていけば…) トントン 京太郎「?」クルッ 憧「やっほ」 京太郎「……」 京太郎「えーと……憧さん?でしたよね」 憧「うん、覚えててくれたんだ?」 京太郎(そりゃあんな事言われたらな……) 京太郎「俺に何か用事ですか?」 憧「玄から京太郎がここで働くことになったって聞いたからさ」 憧「恋人が働いてる様子をからかいにきたってわけ♪」 京太郎「つまり邪魔しに来たってことですね」 京太郎「……ん?ちょっと待て、確か俺の恋人ってシズなんじゃ」 憧「ああ、あれ嘘だから」 京太郎「!?」 京太郎「いやいや待ってくださいよ!あの場でみんな同意してたじゃないですか」 憧「そうだっけ?」 京太郎「そんな嘘で俺をからかおうと……」 憧「でもさ、あの時はみんな混乱しててとりあえず合わせとけーって感じだったでしょ?」 憧「何だかシズも玄も変なこと口走ってたみたいだし」 京太郎(た、確か) 憧「そういうことで、京太郎の本当の恋人は私だったりするわけ」 憧「信じてもらえたかな?」 京太郎「………」 京太郎「分かりました……そこまで言うなら信じます」 憧「うん、信じてくれてありがと京太郎」 京太郎(正直な所100%信じたワケじゃないけど、今の俺にはこの人たちの情報をアテにする以外道は無いしな……) 憧「あと、できれば敬語はやめてくれると嬉しいかな。名前も呼び捨てでいいから」 憧「……また、これからよろしくね」モジモジ 京太郎「お、おう」 京太郎(可愛い) <京太郎くーん、ちょっときてー! 京太郎「ん?」 憧「あ、呼ばれてるよ」 京太郎「みたいだな」 憧「邪魔して悪かったわね。今日の所は帰るわ」 京太郎「おう」 憧「仕事、頑張りなさいよ!」 京太郎「はーい、呼びましたか?」 玄「あ、来たね京太郎くん。キミにお客様だよ!」 京太郎「俺にですか?」 京太郎(誰だろ……) 穏乃「あの、わざわざ呼んでもらわなくても」 玄「穏乃ちゃんも会っていきたいでしょ?」 穏乃「それは……」 京太郎「ん?シズ?」 穏乃「あ……おっす京太郎」 穏乃「い、今大丈夫だったかな?」 京太郎「ああ」 穏乃「そか、よかった……じゃあこれ!」スッ 京太郎「?」 穏乃「ウチの和菓子の中から、元気のつくもの持ってきたんだ!」 穏乃「甘い物は疲れが取れるっていうしよかったら食べてよ」 京太郎「いいのか?こんなに」 穏乃「うん、だって……」 穏乃「彼氏を応援するのは彼女として当然だしさ」カァァ 玄(し、穏乃ちゃんが女の子してる…!) 京太郎「……」 京太郎(穏乃が彼女って言うのは嘘……だけど) 京太郎「ありがとな、シズ」 京太郎「後でゆっくり食べさせてもらうよ」 穏乃「えへへ、どういたいまして」 穏乃「それじゃあいつまでも仕事の邪魔してちゃ悪いし、私はこれで」 京太郎「おう。気を付けてな」 穏乃「うん!じゃあまたな京太郎」 京太郎「玄さんちょっといいですか?」 玄「ん?なに?」 京太郎「単刀直入に言いますけどシズが俺の彼女って嘘ですよね?」 玄「!?」ギクッ 玄(ば、ばれてる……?なんで?) 京太郎「俺の本当の彼女は憧。違いますか?」 玄「えっ」 玄「……うんと、どうしてそう思ったのかな?」 京太郎「さっき憧に会いました」 玄(よ、呼び捨て?) 京太郎「そこで憧に"シズが彼女って言うのは嘘で本当の彼女は私"って言われたので」 玄「へ!?」 玄(憧ちゃんの言ってること正しいけど、違う……どうしてそんなこと言ったんだろ) 玄(これ以上嘘に嘘を重ねるのはダメな気がしてきたし、もう本当の事言った方が……) 玄「……あのね、京太郎くん」 京太郎「はい?」 玄「穏乃ちゃんが彼女だよ!騙されちゃダメ!」 京太郎「えっ……」 玄「どうして憧ちゃんがそんな事言ったのか分かんないけど、キミの彼女は穏乃ちゃんだよ!」 京太郎「……」 京太郎「本当に?」ジッ 玄「本当!」 京太郎「でも、あの時シズ含めて玄さん達結構適当な事言ってたらしいじゃないですか」 玄「うっ……そ、それは」 京太郎「すいません、もう俺には誰が本当の事を言ってるのか分からなくなってきました……」 京太郎「薪割り終わったんで少し外で頭冷やしてきます」 玄「……」 京太郎「記憶が無いって本当に便利だな。後付けで何でもかんでも突っ込むことができるし」 京太郎「でもシズの顔、確かにウソついてるように見えなかったし……どうしたものか」 京太郎「うーん……なんとかしてシズに本音を吐き出させる方法は」 京太郎「すいませーん」 綾乃「いらっしゃいませー!」 京太郎「あ、穏乃さんの友達の須賀京太郎と申しますが……穏乃さんはいらっしゃいますか?」 綾乃「あら、ウチの穏乃がいつもお世話になっております」 綾乃「ええ、先ほど帰ってきたばかりなので。呼んできましょうか?」 京太郎「お願いします」 穏乃「さっきぶりだね京太郎!」 穏乃「和菓子どうだったかな?口にあったらよかったんだけど」 京太郎「……」 穏乃「京太郎?」 京太郎「あのさ……実は折り入って頼みがあるんだ」 穏乃「え?」 京太郎「俺は今から本音で話すからお前も本音で話してくれ」 穏乃「ど、どうしたのさそんなにかしこまって」 京太郎「シズって本当に俺の彼氏なのか?」 穏乃「!?」ビクッ 穏乃「……な、なに言ってんのさ。京太郎は私の」 京太郎「もしシズが本当に俺の彼女だったって言うなら、疑ってしまったお詫びでどんな事も受け入れるよ」 京太郎「でも俺は本当の事が知りたい!だから嘘つかずに教えてくれ!」 穏乃「うう……」 京太郎「俺とお前はどういう関係なんだ!?」 穏乃「……分かった、話すよ」 穏乃「実はさ……」 穏乃「ってことなんだ」 穏乃「これは本当の事だって約束する」 京太郎「……」ジー 穏乃「……」キッ 京太郎(目が泳いでないし、今度こそ本当っぽいな) 京太郎「じゃあ山で倒れてた俺を担いで、旅館まで運んできてくれたのか。そんな小さい身体で」 穏乃「む……一言余計だよ」 京太郎「ってことは命の恩人ってことじゃねぇか!?何でそれ隠してたんだよ?」 穏乃「そ、そんな大した事したわけじゃないって!本当に偶然だったんだから」 京太郎「それでもお前は俺を助けてくれたんだ。もしお前が見つけてくれなかったら……」 穏乃「……」 京太郎「何か御礼しなきゃだな、命助けてもらったうえに菓子折りやる立場の俺が逆に和菓子まで貰ってるんだから」 穏乃「いいって、そんなの!私は京太郎が元気になってくれただけで嬉しいよ」 京太郎「そういうわけにはいかないだろ。なんでもいいから、せめて御礼させてくれよ」 京太郎「そうじゃないと俺の気が済まない」 穏乃「……なんでもか」ン? 穏乃「じゃあ……」 穏乃「お友達からで良いから、お付き合いしてください!」 京太郎「……」ポカーン 穏乃「……」 穏乃「だ、だめかな?」 京太郎「いや……ダメじゃないけど、そんな事でいいのか?」 穏乃「え?」 京太郎「何て言うか、もっと凄い事お願いされると思ってたからちょっと拍子抜けでさ」 京太郎「……その、俺でよかったらこちらこそよろしく頼むよシズ」 穏乃「っ!」 京太郎「まだ記憶戻ってないけど、これからお前と新しく創っていくのも悪くないか」 京太郎「だからもう嘘はつかないでくれよ?」 京太郎「うおっ、急に抱き付くなって!」 穏乃「えへへ、京太郎ー!」 憧「へぇ……」 玄 宥 灼「適当な事言ってしまって……」 玄 宥 灼「ごめんなさい」ペコリ 京太郎「……」 穏乃「その、玄さん達も京太郎を元気づけようとしてやったみたいだし……」 穏乃「あんまり怒らないであげてくれたら嬉しいなって」 京太郎「いや、怒ってないぞ」 穏乃「……へ?」 京太郎「そもそもあなた方が看病してくれなければ、少なくとも俺はここにいないわけですしね」ハハ 京太郎「穏乃と同じ命の恩人を怒ったりなんかしませんよ」 玄「京太郎くん……!」キラキラ 京太郎(まぁ"愛人"とか"親方"とかはあからさまに怪しかったしな……) 宥「あっ、でも穏乃ちゃんと京太郎くんは、今度は本当の恋人になったんだよね?」 穏乃「…はい」カァァ 京太郎「そうなりますね」 玄「おー、嘘から出た実だね!」 灼「ん?でもなんだか憧もそんな事言ってなかった?前世の恋人がどうのこうの」 京太郎「……」 宥「そういえば憧ちゃんは……?」 ―――――――――― 憧(シズは親友として大好きだけど……それとこれとは話が別よね) 憧(まさかシズに先を越されちゃったのは予想外だけど、なんとかあの人を振りむかせる方法は無いのかしらね) 憧(試用期間的な意味合いで付き合うっていうのはダメかしら) 憧(シズにも話通してたら厄介な事にもならないだろうし……やるだけやってみるか) ―――――――――― 憧「というわけで、私とも付き合って」 京太郎「お、おう?」 憧「みんなと一緒で嘘ついてた事は謝るわ。けど京太郎が好きって言うのは本当」 京太郎「えっと……気持ちはありがたいけど俺にはシズが」 憧「シズにはちゃんと話通してあるわよ」 憧「"京太郎のためになるならいいよ、それに憧なら信用できるから"って言ってた」 京太郎(そんなんでいいのかシズ!?) 京太郎「で、でも彼女がいるのに別の女の子と付き合うって言うのはどうなんだ?」 憧「シズより私を優先させろなんて言わないしましてやシズと別れろなんて言わない」 憧「私はあくまで二番目としておいてくれればいいから……」 京太郎「……」 京太郎「分かった」 憧「……」ニヤ 京太郎「そこまで言うなら、憧とも付き合うことにするよ」 京太郎「だけど俺の本当の彼女はシズだから……それは忘れないでくれ」 憧「うんうん、分かってるって!」 憧(一応でも"付き合っている"って事実がさえあれば浮気にはならないし) 憧(後はここからどう巻き返すかね) 京太郎(何だかまたややこしいことになってきたな……シズも断ればいいのに) 宥「京太郎くん、お仕事の件で少しいいかな?」 京太郎「あ、はい!いいですよ!」 宥「えーっとね……今日キミにやってもらうお仕事は」 宥「お洗濯だね」 京太郎「洗濯ですか」 宥「お洗濯のやり方とかは大丈夫かな?」 京太郎「流石にそれくらいは」 宥「あ、そうだよね……ごめんなさい」 宥「私はボイラー室で点検してるから、終わったら声かけてね」 ――――――― 京太郎(昨日の薪割りと違って随分楽な仕事だな)パッパッ 京太郎(洗濯物を洗濯機に入れたら、後は干すだけだし) ゴウンゴウン 京太郎(よーし、終わったな。後は干して終わりと) 京太郎(枕カバーに布団のシーツ、仲居さんの着物に……下着)パパパ 京太郎「………」 京太郎「……デカいな」 京太郎「……」ゴクリ 京太郎(こんだけあるならちょっとぐらい貰ってもいいよな?) 京太郎「…」ソーッ 宥「京太郎くん、終わりそうかなぁ?」 京太郎「ぬわ!?」 宥「はぅ!?」ビクッ 京太郎「……な、なんだ宥さんですか」 京太郎(危ね、もう少しで下着で遊んでたところ見られるところだった) 宥「ご、ごめん驚かせちゃったかな?」 京太郎「いえいえ!ちょっとビックリしただけですよ」 京太郎「お洗濯キッチリ終わらせときました!」 宥「わぁ、やっぱり男の人の手があると助かるよぅ……ありがとう 玄(うわわわ……) 玄(こっそりおねーちゃんのブラ見に来ようと思ったら、とんでもない人がいたよ……) ――――――――― 京太郎「どうかしました玄さん?今日の仕事はもう終わったんじゃ」 玄「ああ、仕事の話で呼んだんじゃないんだ。ちょっと聞きたいことがあって」 京太郎「聞きたいこと?」 玄「キミのズボンの右ポケット」 京太郎「!!」ドキイッ 玄「…」ニッコリ 玄「もう言わなくても分かるよね」 京太郎「な、なんですか!?まさか俺を脅す気ですか!?」 玄「えっ」 京太郎「お願いします黙っててください!ほんの気の迷いだったんです!」 玄(あ、あれ?ただ同じおもち好きとして語り合おうとしただけなんだけどなぁ) 玄(でも何だか面白くなりそうだから黙ってよ) 京太郎「なんでもしますんでお願いします!俺、ここから追いだされたら穏乃に顔向けできません!」 玄「ん?今なんでもって言った?」 京太郎「はい!俺にできることならどんな雑用でもします!」 玄「ふーむ、なるほどなるほどなるほど」 玄「じゃあ私とも付き合ってください」 京太郎「……はい?」 玄「穏乃ちゃんと付き合いつつ憧ちゃんとも付き合ってるんなら、私と付き合ってもいいよね?」 京太郎「え、いやそれは……ちょっと」 玄「……」 玄「そうだよね、ダメだよね……」 玄「なら仕方ないからおねーちゃんに」 京太郎「分かった分かった!分かりましたよ分かりましたから!」 玄「素直でよろしい」ドヤ 京太郎「……」イラッ 京太郎(ああ、一時の気の迷いがこんな事になるなんて……ここ追いだされるよりはマシだけどさ) 玄「それじゃ、これからよろしくね京太郎くん!」 玄「あ、それと穏乃ちゃんには私から言っておくから安心してね!」 京太郎(付き合うってもう何がどう付き合うのか分からないな) ―――――――――――― 京太郎(今日は仕事の手伝いは休みか……) 京太郎(せっかくの休日だしゆっくり休みたいところだけど)ピッ 「近くの山で追いかけっこしよー!」 「洋服見たいから付き合ってくれると嬉しいな」 「今日暇ならピクニックしに行こうよ!お弁当作ったんだ!」 京太郎(三者三様とはまさにこの事……) 京太郎(うーん、誰と休日を過ごそうかな) 京太郎「おーい、シズー!」 京太郎(まぁ、大本命の彼女なわけだしシズ選ぶのは当然だな) 穏乃「あ、おはよー京太郎!」 京太郎「待ったか?」 穏乃「ううん、そんなに」 穏乃「あ、でももう久しぶりに山でかけっこできると思ったらもうワクワクしちゃってさ!朝4時から走ってたよ」 京太郎(それでやや顔がしっとりしてるのか……) 穏乃「憧と小6以来だなー誰かと山でかけっこするなんて」 京太郎(憧が?あいつ山でかけっこなんてするイメージには見えないけどな) 穏乃「普通にやるだけじゃつまんないから、何か賭けようよ」 京太郎「え?」 穏乃「先にに山頂に着いた方が勝った方の言う事聞くって言うのはどう?」ヘヘ 京太郎「おいおい、俺は男だぞ?正気か?」 穏乃「その返事はOKってことでいいんだ?」 京太郎「……どれだけ自信があるかわかんねーけど、後悔しても遅いからな」 穏乃「あははは、どうしたどうした京太郎!遅いよー?」 京太郎(おいおいどこの忍者だあいつは……!?何で普通に木から木に乗り移ってんだよ!) 穏乃「私の勝ちだなー!」ブイ 京太郎「ぜぇ、ぜぇ……!げほっ、げほ!!」 京太郎「な、なんで汗の一つすら書いてないんだよ!人間かお前は!?」 穏乃「え?この程度じゃ汗はかかないよ普通」 穏乃「それよりも約束、覚えてるよねー?」ニヤニヤ 京太郎「うっ……」 穏乃「そうだなー、甘蜜屋で美味しい物奢ってもらうのもいいし、また山登りに付き合ってもらうのもいいけど……それはいつでもできるし」 穏乃「じゃあ……」 穏乃「ちゅーしてよ」モジモジ 京太郎「……」 穏乃「……」 京太郎「……」 穏乃「な、何か言えよ!恥ずかし……んむっ!?」 京太郎「ごめん、可愛くてつい不意打ちしたくなった」 穏乃「うう、いきなりすぎだよ……ちょっとぐらい心の準備させてくれったっていいじゃんかー!」カァァ 京太郎「ちゅーしてよって言ったのはお前だろ?」 京太郎「それとも見栄張ってただけなのか?そんな顔真っ赤にして」ニヤニヤ 穏乃「ああ恥ずかしーーーー!!もう先に降りてるからな!!」ダダダ 京太郎(可愛い) ―――――――――――― 玄("今日は穏乃と遊びに行くからすいません"か) 玄(まぁ、穏乃ちゃんを優先するのは当たり前だよね……) 玄(お弁当作ってたんだけど……無駄になっちゃったな) 京太郎(今日は楽しかったな、穏乃のちょっと可愛い所も見れたし……) 京太郎(早く帰って飯食って風呂入って、今日の事思いだしながら寝よ) 主婦A「ねぇ、あの子朝からずっと噴水の前にいるわよね」ヒソヒソ 主婦B「あんなのおめかしばっちりしてるのに……彼氏さん待ってたんじゃないのかしら」 京太郎(……ん?) 憧「へっくしょい!!」 憧「……うう、さむい」ゴシゴシ 京太郎「……」 京太郎「……何で?」 京太郎(お、俺確かに憧に"今日は穏乃と遊び行くからゴメン"ってメール送ったよな?!)ピッ 京太郎(……あっ間違えて玄さんに2回送ってた) 憧(ちょっと風邪ひいちゃったかな)ズズッ 憧(京太郎が無視するってことは無いと思うから、ここでずっと待ってたら来てくれるよね……) 京太郎(とにかく、憧迎えに行って謝らないと……)スッ 京太郎(……いや待て) 京太郎(仮に憧を迎えに行ったところでなんて言えばいいんだ?"今まで穏乃と遊んでました"って?) 京太郎(ダメだダメだそんな……かといって適当な言い訳も考えつかないし) 京太郎「うーん」グヌヌ 憧「へぶしっ!!」ハックション 京太郎「今日は楽しかったな~早く帰って風呂入んなきゃ」ピョンピョン ナンパ男A「ねぇ、おねーさんずっとここにいるけど逆ナン待ちって奴?」 憧「ふきゅっ!?」ビクッ ナンパ男B「マジ?それなら俺達とお茶でもしない?」 憧「ちょ、ちょっとなによあんた達……?」 ナンパ男B「そんな計画しなくても大丈夫だって、パパっとお茶して終わりだからヘーキヘーキ」 憧「いや!離してよ!」 憧(助けて京太郎……!!) ――――――――― 京太郎「ただいまかえりましたー!」 宥「あっ、おかえりなさい京太郎くん」 宥「どう?穏乃ちゃんとのデート楽しめたかな?」 京太郎「はい、楽しかったですよ。ちょっと疲れましたけど」 宥「穏乃ちゃんは元気がいいからね……お疲れ様」 宥「台所に晩御飯ラップしておいてあるから、よかったら食べてね」 京太郎「すいません、晩御飯の準備までしてもらっちゃって……ありがたくいただきます!」 京太郎「食った食った」ゲプッ 京太郎「さーて、自分の食った分ぐらいは自分で洗いますかね」 京太郎「そんでゴミはゴミ箱へシュート………あ、外れた」ポイッ ガスッ 京太郎「俺の腕も堕ちたな。って昔の記憶ねーんだけどな」スッ ポイッ 京太郎「ん?なんだこれ……うお!?」ゴソゴソ 京太郎(な、なんで弁当箱が丸ごとゴミ箱に捨てられてんだ……?) 京太郎「うおお、すっげー美味そう……!」パカッ 京太郎(一体なんでこんな豪勢な弁当なのに捨てられてんだ?賞味期限切れとか?) 京太郎(でもスーパーの弁当とかならともかく、これは家庭調理用の弁当箱だし) 京太郎「………」グゥゥゥゥ 京太郎「……作り直したらまだ食べられるかも」 ――――――――――― 京太郎「えーっと、片栗粉小さじ一杯に塩は少量………少量ってどんくらいだ?」 京太郎「火の温度は一定……一定ってなんだよ!?ちゃんと細かい数字かけよ!!」 京太郎「締めにお好みでトッピングを………ってトッピングのが材料費より高そうじゃねぇか……」 ―――――――――― 京太郎「で、できた……」 京太郎(弁当作りって思ったより大変だな……前の俺もこんな風に苦労したんだろうか?) 玄(はわわわわ……) 玄(きょ、京太郎くんが私の捨てたお弁当を漁って作り直してるなんて……) 玄(これはそういう事と思ってもいいのかな?)ドキドキ 京太郎「それじゃ……いただきます!」スッ 京太郎(オエッ……クソ不味) 京太郎(なんだこの弁当、絶望的じゃねーか……) 京太郎「あーあ、こんな(クソ不味い弁当食う)なら玄さんの手作り弁当食べてみたかったな」 バン!! 玄「おまかせあれ!」 京太郎「えっ」 玄「そこまで言ってもらえるなら、私がんばるよっ!」 京太郎「玄さん??」 玄「京太郎くんお腹減ってるんだよね?なら、今から私が作ってあげます!」ドヤッ 京太郎「はぁ、そりゃどうも……」 玄「絶対に美味しい料理作るから、少し待っててね!」 憧「ただいまー」 望「おかえりー、どうだったデートは?」 憧「……」 憧「すっごく楽しかった!」ニコッ 望「そっか、それはよかったね」 憧「うん!」 望「それにしても憧に彼氏とはねー」ニヤニヤ 望「どう?いい人そう?」 ―――――――― 憧「私がなにしたっていうのよ……!だいたい何よ京太郎もシズも!!」 ナンパ男A「……」 憧「ねぇ、聞いてんのあんたら?!」バン ナンパ男B「あっ、はい」 ナンパ男A「聞いてましたよ!」 憧「……本当に聞いていましたか?」ボソッ ナンパ男AB「……聞いてませんでした」 ―――――――― 憧「私、絶対諦めないから!!」 望「へ?」 憧「全部よ全部!!」 憧「もう相手がシズだろうが玄だろうが、負けないわよ!」 憧「見てろー!ここから逆転してやるから!」 望(んーひょっとして憧の彼氏って女の子なのかしら……?だとしたらたまげたわねぇ) 玄「はい、あーん」 京太郎「自分で食えますって……!」 玄「そんな遠慮しなくても大丈夫だよー?」ムフフ 玄「私たちは"恋人同士"なんだからね!」 京太郎(な、なんだどうしたんだ玄さん?あの弁当の一件でえらく積極的になってないか?) 憧「…」イラッ 穏乃「あ、あのぅ玄さん……」 玄「ん?どうしたのかな穏乃ちゃん」 穏乃「その、私も京太郎とお昼ご飯食べたいんですけど……」 穏乃「最近ずっと玄さん京太郎にお昼は付きっきりだし、私もそろそろ」 憧「そうよ玄。京太郎はあんただけの彼氏じゃないんだから」 玄「……」 憧「なにその目?普段弱気な顔してるくせに随分怖い顔するじゃない」 穏乃「ま、まぁまぁ落ち着いて憧!」 宥「ふぇぇ、なんだか怖いよぅ」ガクガク 灼「確かに生徒以外が入っちゃいけないって決まりは阿知賀にないけどさ……」 宥「灼ちゃんなんとかならない……?」 灼「……ハルちゃんに頼んでみる」 灼「ってことなんだけどさ、なんとかならないかなハルちゃん?」 晴絵「……」チラッ 玄「憧ちゃんは京太郎くんとは合わないと思うな」 憧「は?あんた喧嘩売ってんの?」 玄「ずっと待っててすっぽかされたような人を、京太郎くんが振り向くと思う?」 憧「残念ー!その後ちゃんと京太郎とおわびのデートしましたから」 憧「大体2年も来るはずの無かった人達を部室で待ち続けていた重い女に言われたくないわよ!」 穏乃「もー!喧嘩しないでってば!!」 穏乃「私二人が喧嘩してるところなんて見たくないよ!」 玄「……穏乃ちゃんは京太郎くんの一番の彼女だからそんな事が言えるんだよ」 穏乃「へ?」 憧「それは一里あるかもね……シズは京太郎の一番手だから」 穏乃「ちょ、ちょっと待ってよ!いきなりそんなこと言われてもワケわかんなくなるよ!」 晴絵「うん、あれはムリだ!私が学生時代に経験しなかった領域だし」 灼「そ、そう…」 ―――――――――――― 京太郎「連れ出してくれてありがとうございます……俺、多分あそこにいたら参っちゃってましたよ」 宥「ううん、いいの。私もあったかくなかったから……」 宥「もうちょっとほとぼりが冷めたら戻ろう?ね?」ニコッ 京太郎「……」ポー 京太郎(平成のマザーテレサだ……) 京太郎「今日はなんかすることありますか?」 宥「ごめんね……今日は電気屋さんが工事に来てる関係で旅館はお休みなんだ」 京太郎「え?そうなんですか」 宥「うん。だから今日は一日ゆっくり過ごしても大丈夫だよ」 宥「私は部屋に籠ってるから、何かあったら声をかけてね」 京太郎(休みか……っていってもずっと部屋でゴロゴロしてるのもアレだしな) 京太郎(誰か遊びに誘ってみるか) 憧「まさか、京太郎の方から誘ってくれるなんてねー」 京太郎「この前は一日すっぽかちまったからな」 憧「そのお礼ならもうしてもらったじゃん。気にしてないよ」 憧「それよりも、デートに誘ってもらったからには今日はしっかり楽しまなきゃね!」 京太郎「おう!」 憧「で、どこに連れてってくれるの?」 京太郎「……え?」 憧「え?じゃないわよ、誘ってくれたからにはどこに連れて行ってくれるか考えてるんでしょ?」 京太郎「……」ダラダラ 京太郎「あ、ああ……!そりゃそうだろ何言ってんだよ憧!」 憧「じゃあどこ?」 京太郎「えーっと……」 憧「奈良公園かー、まぁ京太郎にしてはいいチョイスかな」 京太郎「そ、そっか。気に入ってくれたならよかった」ホッ 憧「それにしても……こんな真っ昼間っていうのにカップルがたくさんいるわねぇ。鹿より多いんじゃないの?」 京太郎「そりゃここら辺で一番大きい公園だしな、景色も綺麗だし」 京太郎「まさにカップルには定番のスポットって言っても過言じゃねーよ」ドヤッ 憧「……じゃあさ京太郎」 京太郎「ん?」 憧「わ、私たちも周りから見たらイチャついてるカップルに見えてたりするのかな……?」 憧「こんなにくっついて歩いてるわけなんだし」 京太郎「……んー、そうだなぁ」 京太郎「んー」ジー 憧「……」ドキドキ 京太郎「いや、身長差ありすぎて兄貴と妹にしか見えないんじゃないか?」 憧「……」←149cm 京太郎「……」←182cm 憧「そんなこと言ったらシズとかどうなるのよ!?」 京太郎「シズはカップルにみえるとかそういうの気にしてないみたいだし、いいんじゃねーの?」 憧「うう……せめてあと10cm高かったら」 京太郎「やっぱ気にしてたのか」 憧「当たり前じゃない!雰囲気と身長が伴ってないってそれ一番言われてるから」 憧「あんた十分高いんだから5cmぐらいよこしなさいよ!」ガバッ 京太郎「やるか!!」 憧「あっ、ちょっと!逃げんなー!」 望「どんな彼氏か気になって来ちゃったけど、いい感じね。憧も懐いてるみたいだし」 晴絵「少しイチャイチャし過ぎじゃないのか?」イラッ ――――――――――― 憧「んーーー!遊んだ遊んだー!」 京太郎「ただ公園グルグルしてただけなのにな……すっげぇ疲れた」 憧「今日は楽しかった京太郎。また誘いなさいよ?」 京太郎「まぁ、暇ができたらな」 憧「えへへ……約束だからね?」 憧「それじゃあ、また明日!」 京太郎「おう、またな!」 京太郎「……」 京太郎(ん?待てよ……そういや"モテる男のマニュアル本 小鍛治プロ著"にはデート後のアフターが大事って書いてあったな) 京太郎(となりゃまだここで帰すわけには……) 京太郎「ち、ちょっと待ってくれ憧!」 憧「?」 京太郎「えーと、その……」 憧「なに?まだ何かあった?」 京太郎(何でもいい、食事でも夜までやってるウインドウショッピングでもなんでも…………それじゃあ) 京太郎「ホテル行かない?」ニッコリ 憧「……」 京太郎「……」 京太郎(あばばばばばばばぁぁぁーーーーーーーー!!)ガビーン 京太郎(何でもいいって言ったけどコレはダメだろ!?何言ってんだよ俺は) 京太郎(ああ、もう絶対嫌われ……) 憧「……いいよ」 京太郎「……え?」 憧「初めてで、怖いけど……京太郎とならいいよ」カァァ 京太郎「…………」 ―――――――――――――――― 京太郎(この後滅茶苦茶キモティキモティー事した) 京太郎(ただ一つ気がかりなのは……) 京太郎(やっぱり憧とキモティことをしたとシズと玄に言うべきだろうか……) 京太郎(……いや言うべきだな。隠しておいて後々面倒なことになったら嫌だし) 京太郎(じゃあまずは一緒に住んでる玄さんから) 玄「ふーむ、なるほどなるほどなるほど」 玄「つ、ついに憧ちゃんと一線を越えちゃったわけだね」 京太郎「……はい」 玄「憧ちゃんどうだった?」 京太郎「すごく……いい匂いしましたし、柔らかかったです」 玄「へー」 京太郎「と、とりあえずこれだけは話しておきたかったので……じゃあ俺はこれで」 ガシッ 京太郎「!?」ビクッ 玄「本命の穏乃ちゃんとじゃなく……」 玄「"憧ちゃん"と一線を越えちゃったってことは、私も越えちゃっていいってことなのかな?」 京太郎「え、それは……」 玄「それに、ね」 玄「私憧ちゃんよりおもち大きいんだよ?」 京太郎「……」ゴクッ 京太郎「確かに魅力的なお話しです……けど」 玄「?」 京太郎「どうせ姉妹なら宥さんも含めて、纏めて頂きたいと思ってるので……その時まで少し待ってくれませんか?」 玄「……」 玄「……キ、キミ意外と欲張りなんだね」 京太郎「そっちのが面白そうですし」 玄「うーーん……私は全然いいんだけど、おねーちゃんはなんて言うか分かんないよ?」 京太郎「大丈夫です。それは俺が何とかします」 京太郎「夢の"姉妹丼"ってやつのためなら火の中水の中でもいきますよ!!」 玄(京太郎くんって真面目な性格なのかなって思ったけど、そうでもないみたいだね……) ―――――――――――― 京太郎「憧とあんなことやこんなこと、ヤりました」 穏乃「ちょっとはオブラートに包んでくれよ……」 穏乃「……まぁ一応憧とも恋人同士だからいいけどさ」 京太郎「いいのか?」 穏乃「うん、憧なら大丈夫そうだしね。最近はちょっと怖いけど」 京太郎「そっか……」 京太郎「ところでシズはヤらせてくれないんですか?」 穏乃「ふえっ!!?」 ――――――――― ―――――――― 京太郎(最近憧と玄さん喧嘩しなくなって平和でいいなー。こんな日がずっと続いてくれればいいのに) 穏乃「京太郎……」 京太郎「ん?お、どうした穏乃?」 穏乃「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」 京太郎「どうしたそんな暗い顔して?お前に似合わねーぞ、ほら笑え笑え!」 穏乃「……ここじゃなんだから、ちょっとこっち来て」 京太郎「えええええええええええ!!!」 穏乃「しーっ!声が大きいって!」 京太郎「ま、まさか……あの時の一発がアタったのか!?」 穏乃「そうとしか考えられないだろぉ……ど、どうしよう」アタフタ 穏乃「まさか……全国出場停止とかになっちゃうのかなぁ?」 京太郎「い、いやそれはまだ日程的に大丈夫としてだな」 京太郎「問題は周りの人にどう説明すればいいかだ……火遊びで怒られたじゃ済まないぞ」 京太郎「……手段としては」 京太郎「今の段階じゃ俺には何もできない……とりあえず保留ってことじゃダメか?」 穏乃「保留って、時間が経つにつれて状況が悪くなってっちゃうよそれじゃ!」 京太郎「その時はその時で考えようぜ。今すぐに決断を出す必要は無いし」 京太郎「って言っても一応何人かに報告だけはしとくけどな……まだ誰にも言ってないんだろ?」 穏乃「言えるわけないだろ!母さんと父さんにさえ言ってないよ!」 京太郎「流石に二人だけの秘密ってことにするのはまずいから、とりあえず信用できる人達に相談しよう」 穏乃「……誰に?」 京太郎「……ってことなんですが」ガクブル 穏乃「……」ガクブル 晴絵「ふむふむ、なるほどね」 晴絵「とりあえずお前ら一発ずつ叩かせろ」 バチコン バチコン ベイベー バチコーーン!! 晴絵「全くお前たちは……!自分が高校生だって自覚はあるのか!?」 京太郎「すいません……」ヒリヒリ 穏乃「いたい……」ヒリヒリ 晴絵「はぁ…できちゃったものは仕方ないけど、その先はどう考えてんだ?産むのか?」 穏乃「い、一応そのつもりにしてます」 晴絵「簡単に言ってるけど産むんなら学校は辞めなきゃいけないし子育てもしないといけないってこと分かってるか?」 京太郎「その覚悟は既にあります。俺は自分の全力をかけて穏乃を支えていくつもりです」 穏乃「私も……学校を辞めてでも産みたいなって思ってます」 晴絵「……私がお前らの頃は恋もせず麻雀に打ち込んでたんだけどねぇ、時代が変わったのか」 晴絵「もう私からは何も言わないよ。お前たちの覚悟は確かに聞いたからね」 穏乃「赤土先生……」 晴絵「そんで須賀って言ったっけ……?あんた、シズを頼んだよ」 京太郎「おまかせあれ!!」 京太郎(でも姉妹丼はしたいから、それは別腹だよな) 晴絵「その返事はちょっと不安だけど……頼んだからね?」 ――――――――― 憧「はぁぁぁぁ!?あ、あんたいつの間にシズに手を……っていうか妊娠って」カァァ 憧「ど……どうする気なのよ二人とも?まさか産むなんて言わないわよね?」 穏乃「私は……産みたいと思ってるよ」 憧「へ?」 穏乃「せっかく京太郎との間にできた子どもなんだよ……?」サスサス 穏乃「私は産めたら嬉しいなって」 憧「……はぁ」 憧「ホントにシズは計算ができなんだから……でも気持ちは分かるのよね」 憧「ね、京太郎?一昨日は激しかったし」チラッ 京太郎「!」ビクッ 憧「あのさ京太郎……私たちもそういう関係よね?」 京太郎「はい」 憧「シズに子どもができたんなら、私にも………ダメ?」 穏乃「な、なに言ってんだよ憧!そんなのダメに……」 憧「シズは黙っててよ。私は京太郎に聞いてるんだから」 憧「それで、どうなの京太郎?」 京太郎「ちょっと待て憧!なんか勘違いしてるみたいだから言わせてくれ!」 憧「勘違い?」 京太郎「俺だって好きで穏乃を妊娠させたわけじゃなくて、ホント偶然……」 憧「そんなの言い訳にならないでしょ?避妊しなかった時点で説得力ゼロよ」 京太郎「うっ……」 穏乃「うう…」 憧「それに秘密を共有するなら二人より三人の方が、何かと効率いいと思わない?」 京太郎「………」 京太郎(高校の記憶が無いからよく分かんねーけど、今の高校生ってこんなに乱れてんのかよ……) 京太郎「……憧」 京太郎「そんなこと女の子が言うもんじゃないぞ」ポン 憧「……」 京太郎「もっと自分を大切にしろよ。親御さんが悲しむぞ」 京太郎「まだ高校生なんだし焦る必要は無い、未来の結婚相手が見つかるまでそういうのは……」 憧「……はぁ?何言ってんのよ」 憧「もう既にあんたに抱かれてるのに未来の結婚相手も何もないじゃない!」 穏乃「ふぇっ!?そ、そうなの?」 京太郎「あっ、はい」 憧「しかも誘ってきたのは京太郎だからね?」 憧「私がもう無理って言っても、猿みたいに朝まで盛ってたんだから」 穏乃「ふーん……」 京太郎「……」ダラダラ 憧「……もうこの際だからハッキリさせときたいんだけど」 憧「あんたがこれから先、一生付き合っていこうって考えてるのは誰なの?」 京太郎「え?いや、それは本命のシズ……」 憧「本当にそうなの?なら私も諦めがつくけど」 憧「本当の本当なのね?」 京太郎「……」 京太郎「………」ウーン 穏乃「き、京太郎……黙らないでよ…不安になるじゃん」 京太郎(俺が本当に将来を歩んでいきたい人か……) 京太郎「穏乃……」 穏乃「!」パァ 京太郎「……じゃなくて」 穏乃「へ?」 京太郎「憧」 憧「…」フフン 京太郎「でもない」 憧「はぁ!?」 京太郎「俺が本当に幸せにしたいと思ってるのは……宥さんだよ」 穏乃 憧「え?」 穏乃 憧「えええええええええ!?」 憧「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!なんでそこで宥姉が出てくるのよ!」 穏乃「そうだよ!ここは私か憧を選ぶ所じゃん!」 穏乃「それに京太郎、私のことずっと支えてくれるって言ったじゃん!」 京太郎「俺さ、思ったんだ」 京太郎「身体の弱い宥さんの手助けをするたびに"俺って人の世話するために生まれてきたんだなー"って」 京太郎「だから、これから先あの人を支えて生きていきたいなって考えるようになった」 憧「……それ、宥姉はなんて言ってるの?」 京太郎「まだ打ち明けてない。これから打ち明けるつもりだ」 穏乃「そ、そっか……じゃあちょっと安心かな」 憧「うん。もし宥姉にフラれたら、まだチャンスはあるってことだしね」 穏乃「それもだけど……」 穏乃「……京太郎、私はお前の事信じてるよ」 ―――――――― ――――――― 宥「あったかーい」ヌクヌク 京太郎「宥さん、みかん #21085;けましたよ」 宥「ありがとう京太郎くん。いただきまーす……」 京太郎「宥さん」 宥「んっ?」モグモグ 京太郎「俺と結婚してくれませんか?」 宥「!」ゴクン 宥「えっ?……え?えぇぇぇぇ!?」 京太郎「俺、宥さんと過ごす度に将来ずっとあなたの横にいれたらいいなってずっと思ってました」 京太郎「だから嫁さんにするなら宥さんがいいんです!」 宥「だ、だめだよぅ!京太郎くんには穏乃ちゃんが……」 京太郎「穏乃は確かに恋人ですが、結婚するってなったらまた話は違ってきますので」 京太郎「俺じゃダメでしょうか?」 宥「落ち着いて……ね?いったん落ち着こう京太郎くん」アセアセ 京太郎「落ち着いてなんかいられませんよ!」ガバッ 宥「きゃっ!」 京太郎「こうして抱きしめてるだけでも冷たいあなたを、俺は将来支えていきたいんです」 宥「京太郎くん……」 宥(京太郎くんの体温、あったかいなぁ)ホカホカ ピキーン 京太郎「!?」ハッ 宥「わ、私でよければ……よろしくお願いします」カァァ 京太郎「………」 宥「これからすっごく迷惑かけるかもしれないけど……それでもいいかなぁ?」 京太郎「は、はい」 宥「ふふっ……すごく嬉しい」 宥「ここで一緒に、ずっと一緒に暮らそうね京太郎くん」 京太郎(思い出した……思い出しちまった) 京太郎(家に、長野に帰らなきゃ……一刻も早く! 京太郎(母さん父さん、麻雀部のみんな。何日も家を空けてきっと心配されてるはずだ……) 京太郎(……け、けど) ―――――――― 穏乃「京太郎……宥さんと結婚することになったって………ほ、本当なの?」 憧「嘘でしょ?なんで今まで関係なかった宥姉が介入してくるのよ」 玄「おねーちゃん……なんで、どうしておねーちゃんなの?」 晴絵「……」ハァ 灼「……」 宥「み、みんな怖いよぅ」ギュッ 京太郎(記憶を無くしてる間に起こったこの後始末、どうつけりゃいいんだ……)ハワワ 京太郎(しかも人の娘さんを妊娠までさせてしまったし……素直に帰れそうにないな) 京太郎(今記憶が戻ったって打ち明けても家まで押しかけてこられるのがオチだし、なんとか打開策は……!) 京太郎(とりあえず……こうなるに至った原因を作ったあのデリ嬢に復讐して考えるか) 晴絵「お前行ったよな?シズを支えて生きるって」 灼「妊娠までさせといてそれはちょっと酷いよ……」 穏乃「ちょ、ちょっと待ってください!私も避妊しなかったからで、京太郎だけが悪いっていうのは違いますよ!」 玄「おねーちゃん、私と京太郎くんの恋応援しててくれたよね……?なのになんでこんな……あんまりだよ」 憧「宥姉なら断ってくれるって信じてたんだけどなー」 宥「あうう……」 京太郎「あ、すいませーん。ちょっと便所行ってきます」 ――――――――― ―――――――― 京太郎「復讐できるならなんでもいい……手段はどうしようか」ブツブツ 京太郎(ここは奈良だから……兵庫まではそんなに遠くないな) 京太郎(あいつのおかげで俺は死にかけたんだ……絶対許さねぇぞ) ―――――――― ――――――― ―――――― 健夜(今日のお客さん、優しい人でよかったな……) 健夜(この前みたいな怖い人だったらどうしようってずっと考えてたけど、ああいうのが稀なのかな?) 健夜(とりあえず今の調子で早く男の人に慣れなきゃね、お母さん安心させたいし) トントン 健夜「……?」クルッ 京太郎「よっ、久しぶり!」 健夜「……」 健夜「ひっ!?」 京太郎「流石に穏乃や憧ほどじゃないですけど、そこそこ気持ちいいですね」パンパンパン 健夜「がっ……はっ!あがががっ!!」ジタバタ 京太郎「ったくよ、あんたのせいでえらい目にあったぜ」 京太郎「俺の平凡な日常を壊してくれちゃってさ、反省してるんですか?」ギュゥゥゥゥ 健夜「ゆ、ゆるじで……!ごろざないでっ!!」 京太郎「人を殺そうとしといて自分は助かろうって思ってるんですか?」 健夜「な、なんの話で!?」 京太郎「は?」ブチッ 京太郎「怒らせたなぁ、俺の事な?本気で怒らせたなぁ?」 健夜「ごっ、ごべんなざいごべんなざい!!ごべんなざいいい!!」 健夜「ううっ……うっ」グスッ 京太郎「この写真ネット上にばら撒かれたく無かったら……分かってますよね"小鍛治プロ"?」 京太郎「あなただけじゃなく、あなたのお母さんやこのプリクラ一緒に撮ってるアナウンサーにも迷惑がかかりますよ」 健夜「……」 健夜「……分かりました」 京太郎(はーっ、やっとスッキリした…これで思い残すことは何もねーな) 京太郎(阿知賀に戻るか……それとも長野に帰るか……それとも) 京太郎「ただいま帰りましたー」ガラッ 宥「いらっしゃ……あっ!」 玄「京太郎くん!?ど、どこに行ってたの?おトイレに行って行方不明になってたから、みんな心配してたんだよ!?」 京太郎「ちょっとケジメをつけに」 玄「ケ……ケジメ?」 宥「本当によかったぁ……ひょっとしたらもと居た場所に帰っちゃったんじゃないかって、すっごく心配だったんだ」 玄「うん。まだ解決してない問題が山積みだもんね」 京太郎「ああ、そのことなんですが……」 玄「?」 京太郎「とりあえず、今までの過去全部を捨てて俺はこの松実家に骨を埋めようって思います」 京太郎「"宥"さんと一緒に」 宥「……」 玄「っ」ギリッ 京太郎「いいですか?宥さん」 宥「……うん、私もそうなったらいいなって、ずっと思ってたんだ」 宥「玄ちゃん……ゴメンね」 玄「な、なんで謝るのかなーおねーちゃん?別にいいよ私は気にしてないから!」 玄「でもでも、そのことはちゃんと穏乃ちゃんと憧ちゃんにも伝えておかないとね……」 京太郎「そうだな。その二人にも散々迷惑かけたし」 玄「……じゃあちょっと、私みんなに京太郎くんが帰ってきたってこと伝えてくるね」 ―――――――― ――――――― 宥「お疲れ様京太郎くん。あ……仕事中は支配人さんって言った方がいいのかなぁ?」 京太郎「まだ支配人じゃねーよ。それにまだお義父さんには適わないって」 宥「でもお父さん"次の支配人は京太郎だ"って言ってたから……」 京太郎「そんな気が早い、まだ子どもだって生まれてないのに」 宥「でもいつかは欲しいなぁ、子ども…………あ、そういえば」 京太郎「んん?」 宥「穏乃ちゃんもうすぐだって」 京太郎「……そっか」 宥「行く?」 京太郎「おいおい、今更どんな顔して行けばいいんだよ」ハハ 宥「そ、それもそうだね……ごめん」 京太郎「憧は今なにしてんだ?」 宥「憧ちゃんの詳しいことは分からないけど……この前桜子ちゃんが街で知らない人と歩いているのを見たって」 京太郎「ってことはアイツにも彼氏ができたってことか。そりゃめでたいな」 宥「うん……」 京太郎「じゃあ後は……玄さんが戻ってくるのを待つだけだな」 宥「そうだね、玄ちゃんがいつでもここに戻ってきてもいいように……帰る場所を作っててあげなきゃ」 漁夫の利エンド
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A「悪いな、ロンだ」 京太郎「うがああああああ! 聴牌してたのにぃいいいい!!」 B「とても麻雀部員とは思えない警戒の低さだな」 C「そんなんで大会出れるのかよ」 京太郎「うるせぇ……だいたいお前らそんなに強いんならうちの部に来てくれよ」 B「部活とか怠いわ」 A「まぁ、あの原村さんと一緒の部活っていうのは魅力的なんだけどな」 A「お前の様子を見ているとちょっとな……」 C「どう見てもパシリだろ」 京太郎「……やっぱりそう見えるのか?」 A「どっからどう見てもな」 B「女子がお前のことタコス買い出し器って呼んでるの聞いたぞ」 京太郎「くそっ! これもみんなあのタコス娘のせいだ……」 C「まぁ戦力にならないんじゃ仕方ないな」 A「女子の方は団体にも出るんだろ? 去年のミドルチャンプもいるみたいだし、お前の存在意義はそんなもんさ」 C「役にたててよかったな!」バシバシ 京太郎「はぁ……もういっそマネージャーに転向しようかな」 A「そういや新体操の女子とかがお前のこと欲しがってたぞ。麻雀部で腐らせておくのはもったいないって」 C「羨ましいねぇ、イケメンは」 京太郎「新体操はおもt……いやなんでもない」 B「そういやこの間読んだ雑誌で、女子ランク全国2位の学校のエースの特集組んでてな」 B「なんでも病気で生死の境をさまよってから、いきなり強くなったらしいぞ」 A「そんなプライベート情報まで載せていいのかよ」 B「ゴシップみたいなもんだからな、信頼はできないんだろうけど」 京太郎「……その話マジか」 C「おいおい、冗談でもやめておけよ」 京太郎「わかってるって、いくら俺でもそn」ブブブ 京太郎「…………タコス要請が出た、もう部活に行かないとな」 A「強く生きろ」 B「辛いからってさぼんなよー」 京太郎「行ってくるわ。じゃあな」 ~部活後~ 京太郎(来る日も来る日も雑用ばかり)トボトボ 京太郎(たまに卓についたら、みんなから毟られるだけの銀行扱い) 京太郎(カモだと思って連れてきた咲はどう考えても怪物) 京太郎(優希はやけにまとわりついてきて鬱陶しいし) 京太郎(和目当てで入ったのに、肝心の和は咲にお熱と……) 京太郎(俺の青春は一体何のために……) 京太郎(…………もしも、もしもだ) 京太郎(麻雀が強くなって活躍することができたら……) 京太郎(和も……いや、それ以外の美女をも振り向かせることができるかもしれない!) 『なんでも病気で生死の境をさまよってから、いきなり強くなったらしいぞ』 京太郎「………」ゴクリ 京太郎「死にかけるだけ……なら大丈夫だよな?」 京太郎(そう、何も死ぬ必要はない) 京太郎(確実に生還できる方法で、なおかつ命を危機に晒せばいいんだ……) 京太郎(麻雀は競技人口1億人を超える、超メジャー競技) 京太郎(成功すれば、俺の灰色の青春は一気にバラ色になるはず!) 京太郎「おっし! やってやるぞ!」グッ 安価 19 京太郎が死に近づく方法 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/22(木) 00 18 31.26 ID IrLN3meiO 霞さんにクラッシュさる 京太郎(とりあえず、決行前に成功祈願でもしに行くか) 京太郎(まだ日は落ちきってないし、どうせだからあそこの大きめの神社にでも) ――神社境内―― 小蒔「……」ウロウロ 京太郎(ん? こんな時間に巫女さん?) 京太郎(というか、ここで巫女さんを見るのは初めてかもしれない) 京太郎(それにしても……立派なおもちをお持ちで……)ジュルリ 京太郎(ちょっと声をかけてみよう、これを機にお近づきになれるかもしれないし) 京太郎「あの、すみません」 小蒔「ひっ!?」ビクン 京太郎「いや、怪しいものでは……」 小蒔「えっと……その、なんの御用ですか……?」 京太郎「ちょっとお参りに来たんですが、この神社の方ですか?」 小蒔「いえ、私は用事があってちょっと寄っただけで……」 京太郎「そうだったんですか、道理で見かけない顔だと」 小蒔「あの……このあたりにお住まいの方ですよね……?」 京太郎「え、ええ、まぁ……」 小蒔「あの……このあたりで私と同じような格好をした人を見ませんでしたか?」 京太郎「いや……見てませんけど……」 小蒔「そうですか……すみません、一緒に来た人とはぐれてしまったもので」 小蒔「探し回ってみたんですけど、どこにも見当たらなくって……」 京太郎「それは大変ですね……」 京太郎(おお……近くで見るとまた想像以上に……)ゴクリ 京太郎「一緒に探すのを手伝いましょうか? 土地勘はありますし」 京太郎(和以上の逸材……加えて漂ってくるお香の甘い香り……) 京太郎「もう暗くなってきたのに、女性一人で歩き回るのも危険でしょう」 京太郎(くっ……いかん! オナ禁してきたせいで俺のリー棒がっ!!) 小蒔「そんな……そこまでしていただかなくても……」 京太郎「いえ、この須賀京太郎、目の前で困っている女性をほうっては置けません」 京太郎「さぁ、早く行きましょう」グイッ 小蒔「あ、ちょ」 霞「あらあら、そこの獣は小蒔ちゃんに何をしているのかしら」 京太郎「え?」クルッ ギュム パンッ!! 京太郎(あれ……ここはどこだ……?) 京太郎(あたりは霧の中のようにぼんやりとしてる) 京太郎(俺は一体……) 京太郎(…………あの光は) 京太郎(…………) 京太郎(…) 京太郎() 安価 45 京太郎が手に入れた力 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/22(木) 00 49 37.30 ID 3eJX9VBr0 牌が一つ飛ばしで透けて見える 京太郎?「ぅう……」 京太郎?「…………ここ……は?」 霞「気がつきましたか!?」 京太郎?「……あなたは?」 霞「石戸と申します、あの時は勘違いで取り返しのつかないことを……」ドゲザ 京太郎?「取り返しのつかない……?」 霞「…………私のせいで、あなたは既に男性ではなくなってしまいました」 京太郎?「へ?」 霞「正確には男性としての機能を失って……」 京太郎?「は……え……?」 霞「今から3日前、私はあなたが小蒔……我が一派の姫君に襲いかかっている暴漢だと勘違いをし、睾丸を握りつぶしてしまいました……」 京太郎「……握り…潰し?」ゾク 霞「今、私たちはあなたに2つの選択肢を用意できます」 霞「一つは、睾丸を失ったまま男性として生きていくこと」 霞「もう一つは、私たちの儀式で完全に女性に生まれ変わるということです」 霞「完全にこちらの責任でこのようなことになってしまい……本当に申し訳ありません……」 京太郎?「待ってください……話が急すぎて何が何だか……」 霞「急かすようで申し訳ありませんが、女性になる方を選ぶのでしたら早めに儀式を行わないと間に合わなくなります……」 霞「どうか、この場でご決断を……」 京太郎(女……俺が?) 京太郎(ど、どうすればいいんだ俺……) 85 玉無し野郎ルートor京子ルート 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/11/22(木) 01 14 05.28 ID l4dHd1QO0 京子 京太郎(風前)「えっと……中途半端なのはアレ? なんで……女にしてもらえますか……?」 霞「!! 分かりました、では早速準備に取り掛からせていただきます」スッ ハッチャン! イマスグミンナヲココニ リョウカイデスヨー! バタバタ 京太郎(風前)「これで良かったんだろうか……」 京太郎(風前)「何が何だかさっぱり分からないが……」 ~1週間後~ ――長野清澄―― 京子「とうとう帰ってきてしまったか……」 京子(儀式が終わってから、女性としての基礎知識を学んでから帰ってきたわけだが) 京子(まだ未だ違和感が拭えない……) 京子(髪はロングになってしまったのはいいとして) 京子(問題はこのおもちだ……) 京子(男性器のサイズに比例するらしいが、標準で15てそんなに大きかったのか? ) 京子(周りの人間よりはデカい気でいたけど、そもそもそんなに人のを見たわけでもなかったからなぁ) 京子(さて、ここからが正念場だ) 京子(相手に自分の言うことを信用させる神水……) 京子(これを香水の感覚でつけていれば女になったという事実をすんなりと受け入れさせることができる……らしい) 京子(不安だ……) 京子(とりあえず家に行くか……) ――自宅―― 京子「ただいまー」 母「はい!? どなた……」 京子「俺俺、京太郎だよ!実はさ、帰り道で体が熱くなったと思ったらこんな体になっちゃってさ なんか国立研究所みたいなところへ連れて行かれて、今日まで検査してたんだよ! 俺も信じられなかったんだけど、実際こんなことになっちゃってるわけだし 新種の病気みたいでまだ話を大きくしたくないらしいから発表はしてないんだけど 体にこれといった事情はないから問題ないし、心配しなくても大丈夫だぞ」 母「……」 京子(マズイ……顔が歪んでる) 京子(このまま警察ルート直行か?) 母「それは、大変だったねぇ……」ホロリ 京子(ちょろすぎワロタ) ――部室―― 京子(とりあえず同じ要領で教師を納得させることに成功した) 京子(あとは麻雀部の人間だけだが、まだ誰も来ていないな……) 京子(まあ女になったことに慣れていないがための体調不良を装って抜け出してきただけなんだけどな) 京子(この神水、かなり使えるから温存しておいたほうがいいな) ガチャ 咲「……え?」 京子「あ、咲」 咲「…………」プルプル 京子(あ、マズイ説明しないと……) 京子「あー、咲これはだな」 咲「京ちゃあああああああん!!」ダキッ 京子「!!??」 咲「どこに行ってたのバカっ! 私がどれだけ心配したとっ……!」ギュウウ 京子「は? え?」 京子(落ち着け、俺はまだ何もしてないぞ) 京子「えっと、先生から聞いたのか……?」 咲「なんにも聞いてないよ! 京ちゃんが帰ってきてるなんて一言もっ!」 京子「じゃ、じゃあなんでわかるんだよ……」 咲「そんなの私にもわからないよ……でも、絶対に京ちゃんだってわかるの!!」 京子(さっぱりだ……) 咲「良かった……良かったよぉ…………」ポロポロ 京子(まいったな、不思議なこともあるもんだ……) 京子(それにしても……) 京子(自分と比較することでより一層際立つ咲ボディの貧相さ……) ――部員への解説後―― 久「それにしても……特筆すべきはその胸よね」 優希「まさか犬の胸がのどちゃんの胸と拮抗する日が来るとは……」 まこ「髪も目を見張るような美しさの金髪じゃのう」 和「なぜでしょう……そんなオカルト有り得ない、と思うことができないのは……」 咲「でも、これで久しぶりに全員が揃いましたね!」ニコニコ 京子「ははは……みんながすんなり受け入れてくれて助かりました」 久「とにかく、無事に戻ってこれてなによりだわ」 久「今日はお祝いにパーッとやりたいところだけど……」 まこ「県予選も近いし、悠長なことは行ってられんのう」 久「ということで、今日も麻雀の特訓に励みたいと思います」 咲「そうだ! 久しぶりだし京ちゃんも一緒に打とうよ!」 京子「え?」 久「そうね、女の子になったわけだし、腕次第では団体戦にも出場できるわよ?」 まこ「京太郎……おっと、京子と呼んだほうがええんか?」 京子「どちらでも構いませんよ」 まこ「女子に京太郎と呼ぶんは気が引けるけぇ、京子にするか」 和「私は……須賀さんでいいですね」 優希「よしっ! 長いこと躾てなかったし、早速犬を調教してやる必要があるじぇ!」 久(なんだか以前より危険なセリフに感じられるわね……) 咲「みんなもこう言っているし、ね? 京ちゃん」 京子「まぁ、俺も麻雀部員だしな。構わないけど」 東:咲 南:優希 西:京子 北:和 ―東1局― 京子(なんか、すっげぇ大切なことを忘れている気がするんだが)ヒョイ 京子(お、順子が増えた) 京子(なかなかいい滑り出しだが……) 京子(…………ん?) 咲:1■1■④■③■九■九■一 京子(咲の手……ありゃあほぼ確実にヤオチュウの暗刻が二つだな……) 京子(こえーこえー、いつ嶺上開花が決まるか分かったもんじゃ……) 京子(……………………) 京子(ん?) 京子「うおわあああああああああああああああああ!!」 一同「!?」 久「ちょ、いきなりどうしたの!?」 咲「きょ、京ちゃん?」 京子「は、牌が……透けて……」 まこ「は?」 和「須賀さんは何を言っているんでしょうか……?」 優希「とうとう頭がおかしくなってしまったか……」 京子「さ、咲!! お前の手、そっちから見て左からひとつ飛ばしに一九九③④11になってないか!?」 咲「え……あ!」 久「ほんとね……須賀……さんの言う通りだわ……」 京子(ど、どういうことだ……) 京子(女になった時に、ほかの異常が起きたっていうのか……) 京子(いったいこれは…………) 京子(あ) 京子(………………そうだった) 京子(なんで今まで忘れてたんだ……) 京子(命を危険にさらすことで、麻雀が強くなるって聞いて……) 京子(もしかして、今の俺の体は……この力の代償ってことだったのか……?) 京子(ああ、神様……あんたって奴は…………とんでもないやつだよ……) ∧∧ ∩ ( ´∀`)/ ∧∧ ∩ ⊂ ノ ( ´∀`)/ (つ ノ ⊂ ノ ∧∧ ∩ (ノ (つ ノ ( ´∀`)/ (ノ ⊂ ノ ∧∧ ∩ (つ ノ ( ´∀`)/ (ノ ⊂ ノ ∧∧ ∩ (つ ノ ( ´∀`)/ (ノ ⊂ ノ (つ ノ ∧∧ ∩ (ノ ( ´∀`)/ ⊂ ノ (つ ノ (ノ ∧∧ ∩ ( ´∀`)/ _| つ/ヽ-、_ / └-(____/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 続きはまた建てるわ <⌒/ヽ___ /<_/____/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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1 : ◆VB1fdkUTPA [saga]:2013/03/07(木) 01 52 52.64 ID 7H4LaEIS0 ヤンデレNo01.独占恋愛型『駄目だよ、京ちゃん。私以外を見ちゃ、だめ』 ヤンデレNo02.自虐型『私は所詮凡人、京太郎君の周りにはもっとええ子がおるやん』 ヤンデレNo03.奉仕型『僕は君の為にいる。だから、君はただそれを感受してればいいんだ』 ヤンデレNo04.ストーカー型『ずっと、見てるっすよ』 ヤンデレNo05.あがり症型『(女性が男性の手を握ってる絵)』バッ ヤンデレNo06.他者依存型『やだ、やだやだやだやだ!もう生意気言わないからっ!だから傍に、傍にいさせて!!』 ヤンデレNo07.愛情独占型『……ダルいけど、言うよ。―――なんで、他の子見てる?』 ヤンデレNo08.愛憎一体型『咲さんは渡したくないのに、なんで貴方なんかに私は、私は、私……』 ヤンデレNo09.魔性型『狭いとこってどうして落ち着くんでしょうね、須賀君?』 ヤンデレNo10.思い込み型『京太郎、死ぬまで一緒って約束したからな……うち、病弱やけど付き合ってな』 ヤンデレNo11.強襲型『犬!せっかくだから私の世話する栄誉をやるじぇ!』 ヤンデレNo12.教育型『ふふっ、君は本当に――――デキの悪い、生徒だよ』 ヤンデレNo13.百合デレ型『あは……部長と一緒に、可愛がってあげます』 ヤンデレNo14.束縛(監禁)型『ぼっちじゃ、ないよ………』 ヤンデレNo15.破滅型『みんな、みんな無くなっちゃえばいいんです』 ヤンデレNo16.愛縛型『おいで、京ちゃん。怖くないよ』 ヤンデレNo17.排除型『邪魔……退いてくれるかな?』 ヤンデレNo18.被虐型『や、ぁあ……も、っと……いじめてぇな……』 etc、etc、etc―――――― ※このスレの女の子は総じて病んでます。 ※男須賀が主人公。 ※死にます、殺されます。 ※ループしてます。 ※キャラ崩壊注意。 【ルール説明】 1、舞台は全国大会。 2、安価指定のキャラクターと接触。 3、安価内容で関わりあう。 4、病むか、でれるか。 5、病みメーターが一定の数値に達するほど女の子の行動がNPC化していきます。 6、期間は14日から~28日間 7、豊音は大天使、はっきり分かんだね 8、オダワラハコネ先生のセーラはぐうかわいい 9、泉ちゃんのお尻スパンキングしたい 10、かわいい(腹パン) 11、クロチャーはホームグラウンド特化型 12、クロチャーの手首はボロボロ
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京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 TV「決闘!!」 京太郎「お、何か面白そうなの始まった」 京太郎「……っと時間か。仕方ねぇ、帰ってみよう」 ピンポーン 京太郎(くっそ何だよ、この忙しい朝に……!) ピンポンピンポーン 京太郎「はーい!今行きますよー!」 <ドンドンドン!! 京太郎(うるせぇ……)ガタy 京太郎「はいはい須賀ですよ、どちらさ」 ヤクザA「…」 ヤクザB「…」 京太郎「…」 京太郎「……えっ」 京太郎(ええええええ!?な、何だこの厳つい人達?) 京太郎(絶対やべぇよやべぇよ……!雰囲気がカタギじゃねぇもん!) ヤクザA「おひかえなすって、さしつけました仁義!」 京太郎「!?」ビクッ ヤクザB「失礼でござんす。手前、生国は東東京」 智葉「おい、やめろ。お前たちの顔が怖いから恐縮してしまってるじゃないか」 ヤクザA B「「あっ、お嬢!すいません!」」 京太郎(おっ……女の子?) 智葉「朝早くにすまないな。須賀京太郎で間違いないな?」 京太郎「そ、そうですけど?」 智葉「よし」 京太郎(何がよしなんだ!?) 智葉「車をそこに止めてある。行こうか」 京太郎「へっ?……い、行こうってどこに?」 智葉「おかしなことを言うなキミは」ハハ 智葉「ウチにきまってるじゃないか」 京太郎「誰が行くか!!」ダッ 智葉「あっ……!おい!」 京太郎(乗ったが最後だ。行く末は東京湾か海外だろどうせ……!) 京太郎(そんなのいやだ、俺は死にたくない!まだ生きてやりたいことがいっぱいあんだよ!!) 京太郎(……って、あれ?なんで俺ヤクザなんかに追われてんだ?) 京太郎(ま、まぁそれは後から考えるとして、とりあえずほとぼりが冷めるまでどっかで身を隠さねーと……) 京太郎(目には目を……歯には歯を……ヤクザにはヤクザを!) 京太郎「ということで助けてください!!」ドンドン 京太郎「助けてくださあああああああああああい!!」ドンドンドン 竜華「なんやうっさいわ!鉄砲玉かい!?」ガラッ 京太郎「なんか変なヤン●ミみたいな一族に追われてるんです!助けてください!」 竜華「すまんなぁ、ドラマはあんま見らへんで分からんわ」 竜華「てか誰やねんジブン?」 京太郎「須賀京太郎です!とりあえず少しの間でいいんでかくまってください!!」 竜華「……せやなぁ」 竜華「……」ジーッ 京太郎「……」ニカッ 竜華「うんうん」 京太郎「!」 竜華「そんなチンピラ顔信じれるか」ピシャリ 京太郎「ああっ、そんなひどい!」 <イタゾー! アソコダ!! 京太郎(うわああああ!!やばいって!!このままだとセメントコース……!)ゾクッ 京太郎(……いや、諦めてたまるか!俺は最後まで逃げ切ってやる!) 智葉「ネリー、ご苦労だったな」 ネリー「いいからお金」 智葉「ああ、分かってるよ。ほら」 ネリー「全くさ……"迷子になって泣いてる子どもの真似"なんてもう二度とやらないからね?」 ネリー「次もお金弾んでくれるなら別だけど」チラッチラッ 京太郎(くっそおおおお!!内通者だったのかよあんのガキ!) 智葉「捕まえるのに苦労したよ。で、どうして逃げるんだ?」 京太郎「……そりゃ、ヤクザが急に来たら怖くて逃げるでしょう」 智葉「"ヤクザ"ではなく"極道"だ」 智葉「まぁ、それはいいとして……何もご両親から話は伺ってないのか?」 京太郎「話?」 智葉「私とキミが結婚するという話だ」 京太郎「……」 京太郎「は?」 智葉「簡単に言えば、政略結婚という形になるのか?ウチの組とキミの組の発展の為の」 京太郎「は?は?」 智葉「政略結婚と聞いてどんな腑抜けが来るかと思ったら、まぁ……」 智葉「その、なんだ………な、中々いい男じゃないか」カァァ 京太郎「……」 ヤクザA「お嬢?まさか照れてるんですか?」 智葉「殺すぞ」 ヤクザA「ウッス、センセンシャル」 京太郎(えーと、ちょっと待てよ……纏めるとこの女の子は極道の家系で、かつ俺と勢力拡大の為に結婚と) 京太郎(うん、さっぱり分かんねーな)ハハ 智葉「帰って祝議をあげるぞ。丁重に彼を家まで送れ」 ヤクザB「へい」 智葉「じゃあ、行こうか。お前さん」 京太郎(ああ、逃れられない……) ―――――――― 組長「ほぉ、ワシが選んだだけあっていい顔しとるわ」 京太郎「……」ガクガク ヤクザC「お嬢とは幸せになってほしいのう」 ヤクザD「そうじゃのう」 京太郎(やばいマジで逃げ場がない……どうすりゃいいんだこの状況)ブルブル 組長「ほれ、二代目。盃を交わすぞ」 京太郎「……」ガクブル 智葉(おい)ツンツン 京太郎「……え?俺!?」 智葉(キミ以外誰がいる?) 組長「この盃を交わせばお前さん正式に辻垣外の一人となるが……その覚悟はいいな?」 京太郎(勘弁してくれって!!このままじゃホントに極道の一員にされちまう……) 京太郎(何か……何か無いのか!?この状況を覆すことのできる、圧倒的な何か!) 京太郎(ない……ない……そんなものない) 京太郎(ってそりゃそうか……これが現実なんだ) 京太郎「……その盃、いだだきます」 組長「おう!これでおめぇもウチの一員だ」 組長「サトハのこと頼んだぞ?漢と漢の約束だからな?」 京太郎「へい……」 ―――――――― ――――――― 京太郎(なんだかんだで結婚式当日が来てしまった……) 京太郎(なんでも全日本から有名な極道連中が集まるらしいけど……俺生きて帰れるかな) 智葉「おう、京太郎。袴姿も似合ってるじゃないか」 京太郎「ん?………っ!?」 智葉「なんだ?緊張してるのか?」 京太郎「あ、いや……なんでもないよ」ハハ 京太郎(本当に眼鏡と髪型変えただけで別人みたいに綺麗になるなこの人……) 智葉「お前、そろそろ時間だがいいのか?」」 京太郎「え?まだ早くないか」 新郎は早めに行かなくちゃいけないだろ?」 京太郎「あっ……そっか」 智葉「次に会うのは来賓の前だ」 智葉「私もすぐに後から行くから、待っててくれ」 京太郎「……」 京太郎「あーあ、ついに結婚してしまった……」 京太郎「これで俺もついに極道の仲間入りか……ごめん母さん父さん」 智葉「後悔してるか?」 京太郎「……いや、後悔はしてないけど……もうちょっと平凡には生きたかったよ」 智葉「極道も年がら年中抗争してるわけじゃない。私だって極道抜きにしたら普通の女の子に見えるだろ?」 京太郎「……」 京太郎「当家、手前の仁義、失礼ですがお控えなすって」サッ 智葉「有難う御座いやす。手前の仁義を失礼さんにござんすが、控えさせて頂きやす」サッ 京太郎「ほーらでた!いや、普通の女の子はそんな台詞がすぐには出てこないからな!」 智葉「いや、普通の男もそんな口上を出したりしないんじゃないのか……?」 京太郎「……」 智葉「……」 京太郎「ったく、可愛くねぇな!ああいえばこう言うし!」 智葉「お前もな」 <二代目!お嬢!学校行く時間っすよー! ―――――― 京太郎「あのさ」 智葉「ん?なんだ?」 京太郎「その、眼鏡取るのと髪下ろすのはさ…………俺の前だけにしてくれない?」 カン
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その1 まとめに戻る その3 番外編【船Qがモニター見すぎて疲れてるから肩をもんであげる】 番外編【依存りゅーか】 番外編【りゅーかに胸部マッサージ】 番外編【竜華と新婚さんごっこ】 番外編【怜とお医者さんごっこ】 番外編【じゃあトキの前でセーラとプロレスだ!】 【帰りが遅くなった泉を送って、空に星が瞬く夜道を、なんでもないようなことを話ながら二人で歩いていたら泉が自分の恋心に気づく展開】 番外編【ロン(物理)体験会】 番外編【ロン(物理)※ただしゲス】 番外編if【姫様、京ちゃんと婚約】 番外編【雅枝さんと遊園地】 ~【雅枝さんと遊園地】After~ 番外編【長年連れ添った嫁の最後を看取る夫ごっこ怜と京太郎】 番外編【竜華とロッカー】 番外編if【姫様と婚約したことを千里山の皆に発表】 番外編if【姫様と京ちゃんで遠距離恋愛するかどっちかに移住するか相談】 番外編【泉と二人羽織】 【二人羽織りリトライ】 番外編【怜の体拭き】 【怜の体拭き】【布団に潜った所からエロ展開になるif】 番外編【船Qがモニター見すぎて疲れてるから肩をもんであげる】 船久保「んー…」ゴリゴリ 京太郎「肩凝りですか?船久保先輩」ソノオモチデ? 船久保「モニタとにらめっこですからね…そら肩も凝りますわ」ハッタオシマスヨ? 京太郎「なるほど…。でしたら肩揉みでもしますよ。一応マネージャーですから」 船久保「…た…たまには…そういう仕事をするのもいいんじゃないですかね…?」 ……… …… … 船久保「あー…そこちゃうで…。もうちょい下や」 京太郎「ここですか?」グッ 船久保「今度は下過ぎや」 京太郎「すいません…何しろ(船久保先輩の肩を揉むのは)初めてですからツボがわからなくて…」 船久保「せやったら段々回数こなせばええやん…んっ…そこぉ…」 京太郎「ここですか?」グッ 船久保「あぁ…そこ気持ちいいです…」 京太郎「……先輩?」 船久保「なんや須賀君?」 京太郎「俺もノっちゃいましたけど……」 竜華「……」カァァ 怜「……」/// セーラ「……」プシュー 泉「……」アワアワアワアワアワ 京太郎「…これ以上は大変なことになるかと」 船久保「せやね。せやけど肩揉みは続けてーな。須賀君上手いから気持ちええんや」 京太郎「はいはい。わかりましたよ」ギュッ 船久保「あ~ぁぁ…」ゴクラク 京太郎「喜んでもらえるなら何よりです。…あ、どうせなら他のみなさんもこの後やりましょうか?」 船久保「えっ…?」 京太郎「あれ?何かマズかったですか船久保先輩?」 船久保「……………別に」 京太郎「?」 船久保「………とりあえずまだ肩凝りとれへんから肩凝りとれるまで続けてーや須賀君」 京太郎「はいはいわかりましたよっと」グッ 船久保(………なんとなく…この辛い肩凝りに…消えるなと思う自分がいる。…なんでやろなぁ?)ハテ? 船久保(……ま。今はええわ…。このままで…十分幸せやし)ホッコリ fin! 番外編【依存りゅーか】 京太郎「んあー…っ。授業終わったぁ…飯だ飯!」ガタッ 竜華「すーがーくんっ」 京太郎「部長?どうかしました?」 竜華「おーひーる!一緒に食べようや!」ニパッ 「!?」ガタッ ユルスマジスガ… バクハツシロ… シミズダニセンパイハオレノヨメ… スガキョウタロウニシヲ… 京太郎「ぶ…部長!逃げましょう!」ダッ 竜華「嫌や」 京太郎「このままじゃ俺殺されかねませんから!」 竜華「須賀君が手をとってくれなきゃ動きたくなーい」 ユルサン… スガノセキネーカラ… オレノコトヲヨウシニシテクレ… 京太郎「あーもう!行きますよ部長!掴まっててくださいね!」ダッ 竜華「当然やろ!一生離さへんで須賀君?」ニコッ ……… …… … 京太郎「とまぁ屋上まで逃げてきましたけど」 竜華「丁度ええわ。お昼にしよーや」 京太郎「あ、俺弁当…教室…」 竜華「須賀君の分も作ってあるでー?」 京太郎「ホ…ホントっすか!?是非頂きます!」 竜華「いっただっきまーす」 京太郎「…ってあれ?その話に出てきた弁当は?」 竜華「あげてもいいけどー…」スッ 京太郎「なんすか?箸?」 竜華「あーん」アーン 京太郎「え?」 竜華「須賀君が食べさせてくれたらお弁当あげるー」 京太郎「え?え?」 竜華「…………………」 竜華「…………嫌?」ウルウル 京太郎「うっ…」 竜華「……ウチ…須賀君に嫌われてもうた…もうイヤや…」スタスタ 京太郎「し…します!しますから!危ないんで帰ってきてください!」 竜華「はーい」 京太郎「…は…はい…あーん…」 竜華「あーん」モグモグ 竜華「はい須賀君あーん」 京太郎「あ…あーん…」パクッ 竜華「どや?美味しい?」 京太郎「お…美味しいです」 京太郎(…けどメッチャ恥ずかしいんだけど!) 竜華「………ねぇ須賀君?」 京太郎「え?はいなんですか?」 竜華「ウチね…もう須賀君無しじゃ生きられへん」 京太郎「ぶっ!い…いきなり…な…何を言ってるんですか!?」 竜華「須賀君にならウチのこと全部あげる…なんだってする…せやから須賀君のことウチに頂戴?」 京太郎「ぶ…部長…?」 竜華「…もうな。須賀君が他の子と話してるの見たくないんや。…なんか苦しいから…。せやから」 京太郎「え…いや…何をいきなり…」 竜華「ウチは須賀君のものやから…須賀君もウチのものになって?ね?」 京太郎「部長!?い…一旦落ち着いてください!何を言ってるのかわかってます!?」 竜華「当たり前やろ」 竜華「ウチはもう須賀君無しじゃ生きられへん。せやから一生須賀君と一緒にいる。なんなら留年したって良いし、須賀君と一緒にいるためならなんだってするで?」 京太郎「………部長。ホント落ち着いてください…」 竜華「…嫌なん…?ウチじゃ嫌なん…?」 京太郎「いやそういうわけじゃ…」 竜華「ウチ…須賀君に嫌われたらもう生きられへん。須賀君が傍におらんことに耐えられへん。な?ウチと一緒に居てや。ずっと」ギュッ 京太郎「…部長…」 竜華「…一人は…寂しいんや…辛いんや…苦しいんや…でも…須賀君が一緒だから…一緒にいてくれるから…」ギュッ 京太郎(…な…なんか…放っておけないのはなんでだろうな…)ナデナデ 竜華「…えへへ。…嬉しい」ニコッ fin! 番外編【りゅーかに胸部マッサージ】 竜華「ううぅ…」 京太郎「どうしたんです部長?」 竜華「いやぁ…肩凝りが酷いんや…」ゴリゴリ 京太郎「へー…何か原因でも?」 竜華「あー…男の子にはわからんのや…重いんよ。女子は」 京太郎(…?) 京太郎「…そういうことなら俺にお任せあれ!」 竜華「なんかしてくれるんか?」 京太郎「今まで丁度マッサージの本を読んでたんです!試させてください!」 竜華「おー…マネージャーらしい仕事やなぁ…ほな頼むわ」 ……… …… … 京太郎「えっと…女性の肩凝り解消のページはっと…。これかな?」 竜華「つーらーいー…」 京太郎「あー…とりあえず肩揉みしますね」 竜華「あぁぁ…気持ちええわー…。あ、須賀君もうちょい左ー」 京太郎「はいー」 竜華「うきゅー…」 京太郎「さて…肩凝り解消のマッサージ試しますねー」 竜華「頼むわー」 京太郎「えっと…『胸の下あたりに凝りがあります。ほぐしましょう』…?」 京太郎(…というか俺後ろに回ってるから胸の下あたりとかどの辺かわからねーじゃねーか…) 京太郎(…この辺?)フニッ 竜華「ひゃんっ!?」 竜華「ど…どこ触っとんねん!」 京太郎「す…すいません!どの辺か迷ってしまって…。…この辺…?」モミモミ 竜華「あっ…ひゃう…ちょっ…ちょ…すがっ…くっ!」/// 京太郎(『胸の下あたりから脇にかけて揉んでいきます』…か)モミモミ 竜華「んにゃっ!?…あっひゃっ!くっ…くすぐった…須賀君!」 竜華「あはははは!ちょっ…苦し…あはははははは!止めっ…止めて…ひはは…」クネクネ 京太郎「あっ!あんまり動かないでください!手がずれちゃいますから!」ムニュムニュ 京太郎(…あれ?なんか凄い柔らかいんだけど。…なんだこれ?)モミモミ 竜華「ひゃあっ…ちょ…須賀君!?ど…どこを…その…も…も…ひゃうっ!」/// 京太郎「部長ー。やっぱり後ろからはやりずらいんで前回っていいですか?」モミモミ 竜華「も…もうやらんでええぇぇぇぇぇ!」/// fin! 番外編【竜華と新婚さんごっこ】 京太郎「ちわーっす」ガチャッ 竜華「やり直しー」バタン 京太郎「………………」 京太郎「えっ?」 京太郎「…お…遅れましたー」ガチャッ 竜華「わんもあー」バタン 京太郎「…………………」 京太郎「…不肖!須賀京太郎!千里山高校麻雀部部室に…いざ参る!」ガチャッ 竜華「アホかいな」バシッ 京太郎「どうしろって言うんですか!?」 ……… …… … 京太郎「し…新婚さんごっこ…?」 竜華「せや。まぁ色々と訳ありやねん」 京太郎「まぁ…そういうことなら…。……ただいまー」ガチャッ 竜華「おかえりー」 竜華「お風呂にする?ご飯にする?」 京太郎(…………!?)ゴクリ 竜華「……………………」 竜華「…………須賀君?」 京太郎「………あれ?…『そ・れ・と・も』は無いんですか?」 竜華「…?ご飯とお風呂以外に何かあるん?」 京太郎「………なんでも無いです…」 ……… …… … 竜華「須賀君ー?」 京太郎「なんです部長?」 竜華「…須賀君…「新婚さんごっこ」なんやから部長はないやろ部長は…」 京太郎「あー…そうですねー…。え…っと…りゅ…竜華さん…?」 竜華「…及第点やな」 竜華「では改めて…須賀君ー?」 京太郎「部長」 竜華「なんや須賀君!さっき言ったことも忘れたんか!」 京太郎「これは「新婚さんごっこ」ですよね?」 竜華「せやで!」 京太郎「………………」ニヤッ 京太郎「だったら…「須賀君」はおかしいですよね?」ニコッ 竜華「あ…ぅ…」 京太郎「はい。やり直しですよ?」 竜華「え…でもでもでも…。そんな…名前呼びなんて…は…恥ずいし…」 京太郎「俺は呼びましたよ?竜華さん?」 竜華「ぅ…。きょ…、き…ぅ…ろぅ…」ボソボソ 京太郎「聞こえませんよ?」 竜華「きょ…きょ…京太郎君!」/// 京太郎「何かな竜華さん?」ニコッ 竜華「はうっ…」/// 竜華「や…やっぱし終わり!終わりや!新婚さんごっこ終わりぃ!…この部室暑い!ちょっと外行ってくる!」ダッ 京太郎「いってらっしゃい。竜華さん」ニコッ 竜華「あ…あぅあぅ…」/// アワアワ fin! 番外編【怜とお医者さんごっこ】 怜「…なぁ須賀君?」 京太郎「なんでしょうか?」 怜「お医者さんごっこって知っとる?」 京太郎「ぶっ!?」 怜「いやな?今日廊下で男子が「お…おらは幼女とお医者さんごっこするのが夢なんだな!でふゅでふゅ」ってゆーとったんや。…で…「なんやこの人は将来小児科の医師にでもなりたいんやな。ええ人や」って思て」 京太郎「先輩!?違う!凄く違う!その人真反対ですよ!」 怜「フナQに話したらこっぴどく叱られてん。そんなにお医者さんごっこってアカンの?」 京太郎「あ…あああ…当たり前ですよ!」 怜「んー。ようわからんから須賀君。ちょっとやろうや。お医者さんごっこ」 京太郎「え?」 ……… …… … 怜「とりあえず最初はウチがお医者さんやるで」 京太郎「あー…そうですねー…はいー…」 怜(いつもは患者なのに…。…なんか新鮮や…!)キラキラ 怜「というわけでまずは形からや」ナース 京太郎(……すばらっ!)グッ 怜「はーい。患者さんどうぞー」 京太郎「ゴホッゴホッ。すびばぜん…鼻と喉が…ゴホッゴホッ…」 怜「それはアカンなぁ…。ほな体温計るでー」ミミデハカルタイプ ピッ 怜「あー…熱あるやん」 京太郎「ホントでずか…」ズビーッ! 怜「喉見るでー」 京太郎「う゛ぁい」 怜「あー…赤いでー喉」 怜「次はー。聴診やねー。胸出してーな」 京太郎「はい…」 怜「ふーん。ふんふんふん」 怜(…意外に筋肉あるなぁ…。というか…これが男子なんやね…女子と違ってガッチリしとる…) 怜「終わりやー」 怜(…?ほら…何も疚しいことないやん!フナQは何を言うてんねん!) 怜「じゃあ交代や」 京太郎「ほ…ホントにやるんですか…?」 怜「流石に自分だけやるんは変やろ。任せとき!患者役なら朝飯前や」 京太郎「え…えーと…じゃあ…ね…熱計りますねー…」ピッ 怜「ケホッ。ううう…寒気がぁぁ…寒気がぁぁ」カタカタ 京太郎「喉見ますから口開けてくださーい」 怜「………………」 京太郎「………先輩?」 怜(…………恥ずい…。須賀君の目の前であーんなんて…)/// 怜「あ…あーん…」 京太郎「あー。か…風邪ですかねー…」 京太郎「え…えっと…その…あの…」アワアワ 怜「なんや?次は聴診やろ?…ウチは服を…」ハッ 京太郎「わ…わかりましたか先輩…?」 怜(…この流れやと…その…ウチ…須賀君に…その…胸…見せることになるやん…)/// 怜(…ってことはフナQが怒っとったのはそういうこと…!?…え?…じゃあウチ…) 怜(…お医者さんごっこやろう…なんて…須賀君に…須賀…君…に…)/// 京太郎「え…えと…せ…先輩…?」 怜「…あわあわあわ」アセアセ 怜「えっとやね!その…し…知らんかったから!?その!…変な意味は無かったって言うか!」アセアセ 京太郎「わ…わかってますから!先輩!大丈夫です落ち着いてください!」 怜「…せ…せやから…き…嫌わんといて…須賀君…」ウルウル 京太郎「わかってますってば…」 怜「へ…変な子やて思われたくない…須賀君…お願いやから…」ウルウル 京太郎「…………」ギュッ 京太郎「大丈夫ですから。ちゃんとわかってます。大体何があったって先輩のことを嫌いにはなりませんよ」ギュッ 怜「…須賀君…おおきに…」ギュッ ……… …… … 怜「須賀君。プロレスごっこってなんや?」 京太郎「えっ?」 fin! 番外編【じゃあトキの前でセーラとプロレスだ!】 怜「須賀君プロレスごっこってなんや?」 京太郎「えっ?」 怜「プロレスってスポーツやろ?ごっこてなんやごっこて。そんなこと言うたら「野球ごっこ」「サッカーごっこ」「セパタクローごっこ」とかなってまうやん」 京太郎「なんでセパタクローをチョイスしたんですか!?」 ……… …… … 京太郎「とにかく…この前の二の舞ですからこの話題は終わりです」 怜「う…せやな…。こないだみたいのはゴメンや…」 セーラ「京太郎ー!プロレスしよーぜー!」バンッ 京太郎「」 怜「あ。ちょうどええわセーラ」 セーラ「なんや怜?」 ……… …… … 京太郎「え…えーと…セーラ先輩は…どうしていきなりプロレスを…?」 セーラ「昨日テレビでなんかの決勝見ててん。「これや!」と思ったんや」 京太郎「なぜ思ってしまったのか…」 セーラ「ほないくでー!筋○バスターや!」ダッ 京太郎「待ったぁぁ!それはマズいですから!」 セーラ「待った無しや!」ガッ 京太郎「うわぁぁぁぁ!!」 ……… …… … 怜「………あー…お茶美味しい」ズズズ 京太郎「」 セーラ「てやー」メキメキメキ 京太郎(おかしい……) 京太郎(…女子とプロレス→「はっはっはホールドしちゃうぞー」「きゃー須賀君に抱きしめられてるみたいー ポッ」……とか…) 京太郎(…「えーい!」「うわっ!なんとか抜け出さなきゃ!じたばた」「きゃっ!もー!どこ触ってるのよー!」) 京太郎(…とかそういうのが無い!…なんというか締めがしっかりし過ぎててそんな余裕無い!) 怜(うーん…。これのどこが恥ずかしいことに繋がるのか…全くわからへん…)ズズズ セーラ「うりゃーぁ!」グッ 京太郎「」 怜(…んー。合法的に抱き合えるとか…タッチ出来るとか…?) セーラ「どや?降参したらどうや京太郎」 京太郎「」 怜(………ん?) 怜(…えっと…なんか…須賀君…気絶してへんか?) セーラ「おーい京太郎ー?」グググ 京太郎「」 怜「セ…セーラ!ストップ!ストップや!」 セーラ「へ?」 怜「アカン!須賀君落ちとる!どないしよ!?」アワアワ セーラ「うわわわわ!?見てなかったけど…あ…青ざめとる…!どーすりゃええねん!」 怜「………じ…人工呼吸…とか…?」 セーラ「」ピタッ 怜「じょ…冗談やて…。ウチ保健の先生呼んでくる!」タタタッ ……… …… … セーラ「ぅぅぅ…きょ…京太郎…ゴメンなぁ…」グスッ セーラ「オレ…そんなつもりじゃ…ぐすっ…頼むから起きてーな…っ」 セーラ「………………」 怜『人工呼吸とか…?』 セーラ「…せ…せやな…。責任は…ちゃんと取らな…」スッ セーラ(は…恥ずかしがっとる場合ちゃうねん…!動け…動けオレ…!)/// セーラ「…………………」 京太郎「はっ!?」 セーラ「うわおう!?」ビクッ 京太郎「あ…あれ…?俺は…?…あれ?なんでセーラ先輩に膝枕されて…?」 セーラ「きょ…きょう…た…ろ…ぐすっ…うぇぇ…ひっく…うぇぇぇぇぇ…」ポロポロ 京太郎「えぇ!?セ…セーラ先輩!?どうしたんですか!?……っ!」 京太郎(そうだ…!俺セーラ先輩に落とされたんだっけ…) セーラ「オレのせいで…京太郎が…もう…起きないんじゃないかって…ううっ…ゴメン…ゴメン…」 京太郎「…とりあえず涙拭いてください。ハンカチ貸しますから」スッ セーラ「ゴメン…京太郎…ぐすっ…ほんまに…ぐすっ」 京太郎「……………………」 京太郎「…………あー…。セーラ先輩。俺なんで気絶してたんですかね?」 セーラ「う…それは…オレが…」 京太郎「さっきまで俺は園城寺先輩と話してたんですけど…あー…よく覚えてねーや」 セーラ「きょ…うた…ろー…?」グスッ 京太郎「よいしょっと」 セーラ「あっ…ま…まだ横になっとった方が…!」 京太郎「平気ですよ。それに…」ギュッ 京太郎「立ち上がらないと…こうは出来ませんから」 セーラ「…京太郎…」 京太郎「…俺…。セーラ先輩の傍にいますから。どんなことがあっても。だからセーラ先輩も笑っててください」 京太郎「…俺…笑顔のセーラ先輩が好きですから」ニコッ セーラ「きょ…京太郎…」/// 京太郎「だから泣かないでください。ね?」 セーラ「…………うん」/// 怜「セーラ!先生連れてきた…で…」 怜「……………………」 怜(……な…なんか抱き合っとる…) 怜「……なるほど。プロレスごっこはアカンね」バタン 京太郎「ちょっと園城寺先輩!?何勝手に自己解決してるんですか!?」 fin! 【帰りが遅くなった泉を送って、空に星が瞬く夜道を、なんでもないようなことを話ながら二人で歩いていたら泉が自分の恋心に気づく展開】 泉「すっかり遅くなってしまいました…」 京太郎「あれ?二条まだ残ってたのか?」 泉「ウチはちょっと牌譜の整理を…須賀君こそ遅いですね」 京太郎「今日は雑用が少し多くてな…うわっ…真っ暗だな」 泉「まさかこんな暗くなるとは思ってなかったです」 京太郎「んー…この中二条一人帰らせるのもアレだしな…。女子の部屋まで送ってくよ二条」 泉「お…おおきに。須賀君」 ……… …… … 京太郎「いやぁ…すげえな…空」 泉「そうですね…。大阪じゃこんなに沢山は見えないですね…」 京太郎「…綺麗だな。凄く」 泉「…………」ドキッ 泉(…………?) 泉「そういえばモブ2ちゃんからメールが来たんです。須賀君がどのぐらい強くなったか気になるみたいで」 京太郎「アイツもなぁ…なんで俺につっかかって来るんだか…」ハァ 泉「あはは…」 京太郎「そーいや二条。合宿来て二条が遊んでるのあまり見たことないんだけど…どうしてるんだ?」 泉「…合宿ですからね。まぁ自分に出来ることをやってますよ。…そりゃ遊びたいですけど」 京太郎「ふーん。…んじゃ今度どっか行くか?」 泉「…え?」 京太郎「あ…あれ?嫌…だったか…?」 泉「そ…そうじゃないですけど…」 泉(…服…。どんなん持ってきたっけ…?あ…でも合宿だから…って一番のお気に入りは置いてきちゃったような…) 泉(…ってあれ?ウチはなんでお洒落のことを考えてるんでしょ?) 京太郎「良かった。どっか二条は行きたい場所あるか?…あ、どうせなら落ち着ける場所の方がいいか?」 泉「前みたいにファミレスで駄弁っててもいいですけどね」 泉(…そう考えると…話も合うし…色々気を使ってくれるし…須賀君といると落ち着く…のかもしれませんね) 泉(…なんかいつもより心音が大きく聞こえますね…。…なんででしょ?) 泉「…ウチはどこでもいいですよ」 京太郎「そうか?…んー…あ。二条ここちょっと段差だから気を付けろよ?」 泉「えっ?」ガッ 泉「きゃっ!?」 京太郎「………っと。危ないから気を付けろって」ガシッ 泉「あ…ごめんなさい」バッ 京太郎「………にしても…ホントに星が綺麗だな」 泉「…そうですね…」 泉(…須賀君…なんだか無邪気な目ですね…。男子ってこういうの好きなんでしょうか?) 泉(…須賀君の横顔…。…………)ポー 京太郎「?」 京太郎「二条?なんか顔に付いてるか?」ズイッ 泉「え?い…いやいや…。なんでもないです!」 京太郎「?まぁいいか。さっ。二条行こうぜ」ニコッ 泉「………!」ドキッ 泉(………ああ…なんだ…) 泉(さっきから心音がこんなに大きいわけ…) 泉(ウチ…須賀君のこと…) 京太郎「おーい。二条ってば?聞いてるか?」 泉「え!?」 京太郎「おう…そんな驚くなって…。…場所だよ場所。どこか候補決めといてくれな。無きゃ無いで俺が決めるし」 泉「…せやったら…落ち着くとこ」 京太郎「やっぱ落ち着くとこか…んー。どっかあったかなー」 泉「あ…あと出来れば近場で…」 京太郎「近場?そーするとホントにファミレスとかになっちまうぞ?」 泉「別にそれでもいいですよ」 泉「だって………」 京太郎「?」 泉「……なんでもないです」ニコッ 泉(…須賀君と長く一緒にいられますしねっ!) 泉「あ…でもでもでも…や…やっぱりふ…二人きりは…恥ずかしい気が…」ゴニョゴニョ /// 京太郎「?」 fin! 番外編【ロン(物理)体験会】 菫「………おい照」 照「……何?」 菫「…なんだこれは?」 麻雀部の麻雀大会! ザワザワザワ…… 照「…皆様本日はお集まりいただきありがとうございますっ」ニコッ 照「白糸台高校麻雀部主催の麻雀大会!是非とも楽しんでください!」 照「……ということ。…この前インタビューされた雑誌の企画」 菫「……なのに白糸台主催なのか?」 照「先生方が乗り気らしい…」 菫「…はぁ…。仕方ないな。人が集まってしまったことだし今更どうこうは言えない」 淡「テルー」トテトテ 照「司会進行は頼んだ。私は毎回卓に入らなきゃいけないらしいから…」 淡「はーい」 淡「じゃあみんな空いてる卓に入ってねー」 ……… …… … 京太郎「よろしくお願いします!」 照「よろしくお願いします」 菫「よろしくお願いします…」 京太郎(…ま…まさか本当に当たるなんて…。チャンピオンに…) 照「…始めるか」 菫「…おい照。これは本気でやるのか?」コソコソ 照「当たり前。全身全霊で当たらないと失礼」 菫「いや…その…まぁいいや…」 京太郎「俺が起家かぁ…」 照「…………………」ゴゥッ! 菫(…゙照魔鏡゙…本気か…。…仕方ない) ……… …… … 京太郎「ツモッ!2000オールですっ!」 照「…………………」 京太郎(おおぉ!?俺…チャンピオン相手にあがった!行けるかも!?) 京太郎「連荘ですっ!」 照「ツモ…400・600」 京太郎(あれっ?) 照「ツモ1000・2000」 照「ロン。6400」 照「ツモ。3900オール」 ……… …… … 京太郎「と…止められねぇ…」 菫(………………………) 京太郎(…………なんかこいっ!) 京太郎(……お?…好配牌…?)カチャ 京太郎(…ま…また入った…!?こ…これならっ!) 京太郎「三順目…!リーチだっ!」ビシッ! 照「…………!」 「…ロン」 京太郎「……え」 京太郎(……チャンピオンじゃなくてこっち…!?) ドシュッ! ゴッ! 京太郎「……は…?」ガタンッ! 菫「…3200」 ……… …… … 菫「…ロン。3900」ドシュッ! 京太郎「ぐっ…がぁぁぁ!」バキバキバキ 菫「…君の飛びで終わりみたいだな。…ロン。12000」ドシュシュッ! 京太郎「うわぁぁぁ!」ドーン! 照「………あ…吹っ飛んだ先でお茶被った…」 淡「うわぁ…派手に吹っ飛んだねぇ。おーい。生きてるー?金髪仲間ー」ツンツン 菫「…すまない…。手を貸すから起き上がってくれ…。すまないが大星も手伝ってくれ」スッ 淡「はーい」スッ 京太郎「すっ…すみません…。イテテ…目が開けられな…」スッ 淡「んっ…」フニ 菫「…っ!」ムニッ 京太郎(あれ?なんか手の感触じゃない…?)サワサワ ムニムニ 菫「………っ~~!」 菫「……………!」ドシュッ! 京太郎「ぎゃああぁぁ!?なんでぇぇぇ!?」ゴキゴキゴキ fin! 番外編【ロン(物理)※ただしゲス】 京太郎「麻雀をしましょう」 竜華「なんや藪から棒に」 京太郎「いや…麻雀をしましょう」 怜「それはええけど…二人余るやん」 京太郎「問題ないです。4麻したあと3麻しましょう」 船久保「なんややる気ですね須賀君」 京太郎「ええ…とても」 セーラ「せやったらサイコロふるでー」 京太郎「ちなみに罰ゲームありですから」(ゲス顔) 竜華「…は?」 京太郎「ロンされたら放銃先の人に何かされる的な」(ゲス顔) 京太郎「まぁ具体的にはくすぐりかな」 怜「あー…まぁようは須賀君に振り込まなきゃええんやな」 セーラ「一種の特訓やな」 ……… …… … 京太郎「ロン。2000」 竜華「なっ…!?」 竜華(なんやこれ…!?直前でおかしな待ちに…) 京太郎「んー。いちいち中断するとあれですし…。最後まで貯めておきましょうか。部長は一回分」 竜華「…ウ…ウチが須賀君から直撃とったら相殺に…」 京太郎「してもいいんじゃないですか?」 竜華「よしっ! ……… …… … 京太郎「ロン」 京太郎「ローン」 京太郎「それです部長!」 ……… …… … 京太郎「さて。じゃあ始めますか」ワキワキ 竜華(なんで…連続放銃…こんなん今までせえへんかったのに…) 京太郎「じゃ。始めますねー」コショコショ 竜華「あはははははは!ちょっ…くすぐっ…あはははは!」 竜華「あはははは!ひっ…ひっ…ははっ…」 京太郎「部長脇腹弱いですね」コショコショ 竜華「わ…わかっ…とるんっ…やったら…止め…ひー…ひー」 京太郎「えい」ツー 竜華「~!」←背筋なぞるあれ 竜華「な…なんや須賀く…」 京太郎「はい続きです」コショコショ 竜華「あはっ…はぁ…も…もう…やめ…はぁっ…はぁ…」 京太郎「ふっ」 竜華「ひんっ!」 京太郎「あ、耳も弱いですか?」 竜華「はぁ…はぁ…も…もう止めてーな…須賀君…」 京太郎(…さっきからオモチが…揺れてるんだよなぁ…)(ゲス顔) 京太郎「うーむ…」コショコショ 竜華「はっ…はぁっ…」 京太郎「えい」ムニッ ムニッ 竜華「んぅっ!な…な…!?」 竜華「はぁっ…あっ…んんっ!…はぁっ…」 竜華(アカン…疲れて…抵抗出来へん…んっ!) 京太郎「………………」モミモミ 竜華「あんっ…はぁ…す…須賀く…ぅんっ…あぁ…」 竜華「だっ…だめぇ…んっ…あっあっ…あっ…」 竜華「すっ…須賀君!須賀君!あっ…」 竜華「あああぁぁぁ!」 京太郎「はっ!」ガバッ 京太郎「……夢かよぉぉぉ!」 京太郎「うわぁぁぁ!寝かせてくれぇぇぇ!」 fin! 番外編if【姫様、京ちゃんと婚約】 ※今後番外編で姫様になったら設定引き継ぎ。 あらすじ いつぞやのお話し。 なんやかんやで姫様達の裸を見ちゃった京太郎。 小蒔「…せ…責任…と…とってください…!」/// 京太郎「え…えっと…!そ…そんな簡単に言う台詞じゃありませんよ神代さ…」 小蒔「違いますっ!」 京太郎「っ!?」 小蒔「違います…違いますよ…そんな簡単に言ってるわけじゃありません…。…わ…私…そんなに…軽い女の子に見えますか…?」ウルッ 京太郎「い…いえ決して!…そういうわけじゃ…ないです…」 小蒔「わ…私は…ずっと言いたかったんです…」 小蒔「初めて会ってから…確かにまだ数日ですけど…ホントに楽しかったです…ホントに…」 小蒔「わ…わ…私は…!じ…神代小蒔は…須賀…京太郎君のことを…!」 京太郎「じ…神代さん!落ち着いて!ゆ…ゆっくり考えてから…!」 小蒔「お慕いしていますっ!ずっと!」 京太郎「っ…」 小蒔「……………………」 京太郎「……………………」 京太郎「………その…」 小蒔「…っ…」ダッ 京太郎「じ…神代さんっ!?」 小蒔(…聞きたくない…聞きたくないですよ…。私は…好きなんです…須賀さんが…)ダッ 京太郎「神代さんっ!」ダッ ……… …… … 霞「……………私達はどうしましょうか?」 春「……姫様を迎える準備…」 初美「なら一応藁人形作っておくのですよー」 巴「はっちゃん?それはシャレにならない……いやでもいっか」 ……… …… … 京太郎「神代さんっ!」 小蒔「い…嫌ですっ!言わないでくださいっ!」ポロポロ 小蒔「…辛いだけなら…聞きたくないですよ…ぐすっ」グスッ 京太郎「……………神代さん」ギュッ 小蒔「…………あっ…」 京太郎「…凄く…嬉しいです…でも…」 小蒔「…………………」 京太郎「大阪と鹿児島ですよ?…いいんですか…?」 小蒔「わ…私は…いつまでも…待てます…」 京太郎「………俺は待てませんよ…」 京太郎「俺だって…神代さんが…神代小蒔さんが…好きです…」ギュゥッ 小蒔「…!」 京太郎「……だ…だから…お…俺と…!」 京太郎「付き合ってくださいっ…!」 小蒔「…………嫌ですっ」 京太郎「………え?」 小蒔「嫌ですっ」プクーッ 京太郎「えっ!?…え…えと…言い方…!?…お…俺の彼女に…」 小蒔「いーやーでーすー」プクッ 小蒔「…そ…そうじゃなくて…」/// 小蒔「わ…私を…゙一生゙…幸せに…して…ください…」/// 京太郎「!」 京太郎「…はい…!…絶対に…!」ギュッ 小蒔「…嬉しいですっ…!…きょ…京太郎さんっ!」ギュッ fin! 番外編【雅枝さんと遊園地】 雅枝「…………………」ジーッ 京太郎「ツモ!3900オール!」 雅枝「…………………」ジーッ 京太郎「それローン!8000!」 雅枝「…………………」ジーッ 京太郎「ツ…ツモ…1300・2600…」 雅枝「…………………」ジーッ 京太郎「あ…あの…監督…?俺…何かしましたか…?」 雅枝「……………須賀」 京太郎「はい…」 雅枝「部活終わった後暇やな?」 京太郎「え?」 雅枝「ちょっと部室残りぃや」 京太郎「え」 雅枝「まぁええから」 京太郎「は…はぁ…」 ……… …… … 雅枝「よし。車乗りぃや」 京太郎「あの…一体どこに…?」 雅枝「ええからええから」 京太郎(お…俺…なんか危ない賭場とか連れてかれるんじゃ…) 雅枝「…………………」 京太郎(うわぁぁぁ…運転中だと尚更間が持たない…!) 京太郎「か…監督…どこに向かってるんですか…?」 雅枝「……とっても…楽しい所や」 京太郎(な…なんかヤバい…!?) ~遊園地~ 京太郎「…え?」 雅枝「なんや?こういうところは嫌いか?」 京太郎「いえ…そうじゃなくて…予想外すぎて何がなんだか…」 雅枝「…………さよか」 京太郎(…………あれ?) 雅枝「…でも折角来たんやし…入ろうや」 京太郎「は…はい…行きましょう」 ……… …… … 雅枝「…………これ…何が楽しいんや…?」 京太郎「いや…あの…コーヒーカップは回さないとイマイチっていうか…」 雅枝「なるほどな…これか」グルン 京太郎「まぁそんな感じです」 雅枝「ほー…」グルグルグル 京太郎「ちょっ…か…監督…!?」 雅枝「あーなるほどなぁ。回っとるわー」グルグルグル 京太郎「うわぁぁぁぁ!」 ……… …… … 雅枝「…………………」 京太郎「………………」 雅枝「………あー…気持ち悪い…」 京太郎「このノリは普通俺が酔うノリなんですけどね…大丈夫ですか監督」 雅枝「……………それ」 京太郎「え?」 雅枝「ちょっと今は監督いうの止めてーや…」 京太郎「え!?…えっと…愛宕先生…とか…」 雅枝「先生も余計や…。それに愛宕って言うんもなんとなく嫌やわ」 京太郎「えっと…じゃあ…雅枝…さん…?」 雅枝「それでええわ。よしっ次行くで…」フラッ 京太郎「おっとと…まだ休みますか?」ガシッ 雅枝「おおきに…でも…次や。…行くで」 京太郎(……………ん…?) 京太郎「ゴーカート…懐かしいなー」 雅枝「…須賀」 京太郎「はい?」 雅枝「レースや!敗けへんからな!」ビュン 京太郎「早っ!?」 京太郎「くそっ…!」 雅枝「勝負事に負けたくはないんや!」 京太郎「俺だって…!」 ……… …… … 京太郎「いやぁ白熱しましたねー」 雅枝「ギリギリで抜き返したのには燃えたわ」テクテク 京太郎「って…次はお化け屋敷ですか?」 雅枝「行くで」スタスタ 京太郎「ちなみにかん…雅枝さんはお化け屋敷大丈夫なんですか?」 雅枝「……………はぁ」 雅枝「須賀。ええか?お化け屋敷のお化けはそもそも作り物や」 雅枝「それに幽霊なんて存在するわけないやろ?人魂とかもちゃんと理論的に解明出来るものばかりで…」ペラペラ 京太郎「はぁ」 雅枝「そうして出てきた地中のリンと空気中の成分が化学反応を起こして人魂のようなものに…」ペラペラ 京太郎(……………やべぇ…教師モードになってる…) お化け「う゛ぁぁぁああ゛!」バッ 雅枝「!?」ビクッ ガシッ 京太郎「うわっ!?」 京太郎「いやー…いきなりで驚きましたね…。雅枝さん?」 雅枝「…はっ!」パッ 雅枝「……こほん。…ポルターガイストなんかも霊的な現象じゃなく…」 お化け「ぎゃああああああああ!」バッ 雅枝「っ!」ギュッ 京太郎「………………」 京太郎「…あのー…?」 雅枝「な…なんや!?須賀!」ウルウル 京太郎(……結局怖いのか…) 京太郎「あのー…かん…雅枝さん?怖いなら怖いで…」 雅枝「なっ…何言うとんのや!ナメてんのか!怖ないわ!」 京太郎「そうですか…?」 ガタッ 雅枝「ひっ!」ビクッ 京太郎「…あの…今…」 雅枝「怖ない言うとるやろ!校内ランク下げるで!?」 京太郎「理不尽だ!?」 お化け「きしゃあぁぁぁぁぁぁ!」 お化け「うわおうぁぁぁ!」 雅枝「…~~~っ!」ダッ 京太郎「あっ!?雅枝さんっ!?」 ……… …… … 雅枝「はぁ…はぁ…はぁ…」 京太郎「あの雅枝さん?」 雅枝「ちゃうで!眼鏡が吹っ飛んだんや!」 京太郎「いやかけて…」 雅枝「ええな?」ゴゴゴ 京太郎「はい…」プルプル お化けs「捕まえてやるぅぅぅぅ…!オオオォォ…!」 雅枝「きゃぁぁー!」ギュゥゥゥ! 京太郎「いてててて!?ま…雅枝さん!痛い!痛いですっ!」 雅枝「……………」プルプル 京太郎「あー…その…もう大丈夫ですよ…?」 雅枝「………………」 雅枝「………い…行くで!」カタカタ 京太郎(な…涙目で言われてもなぁ…) 京太郎「……最後は観覧車ですかー。定番ですね」 雅枝「あ…アカンかった…?」 京太郎「いえいえ。むしろ最後と言えばこれですよね」 雅枝「そう。…ほな乗ろうや…須賀」 ……… …… … 京太郎「うわー…高けぇ…。雅枝さんは高いところは平気ですか?」 雅枝「か…からかうな…。…くっ…覚えとき…須賀…」 京太郎「頂上までもうすぐですね」 雅枝「せやなぁ」 京太郎「………雅枝さん」 雅枝「…なんや?」 京太郎「ずっと…ずっと聞きたかったことがあるんです」 雅枝「言うてみぃや」 京太郎「…………………」 京太郎「…どうして今日は俺の顔色伺ってるんですか?」 雅枝「…バレた…?」 京太郎「…当たり前です。…何か理由があるんですか?」 雅枝「ふぅー…。…旦那はもうおらんねん。未亡人ってやつや」 京太郎「…へ?」 雅枝「…あの人がいなくなってから…結構経ったなぁ…。娘が二人おるんやけどな…」 雅枝「二人とも元気に育って…。…あ…洋榎は育ってないか…どことは言わんけど」 雅枝「…とにかく…。女手一つでここまで…よう元気に育ってくれたわ…オカン冥利につきるんやけどな」 京太郎「………………」 雅枝「…でも…最近思ったんや…。…家計のために仕事ばかりで。オカンらしいことしてやれたんかな…って」 雅枝「せやから…須賀には悪いけど…娘達を遊園地に誘えるかどうか…ちょっと予習したんや」 雅枝「…た…楽しかったか…?」 京太郎「……それは勿論ですけど…」 雅枝「…………はぁー。…少し肩の荷がおりたわ…」 京太郎「……大丈夫ですよ雅枝さん。心配することありませんって」 雅枝「…ホンマか?これで二人が「オカン…つまらへんわーセンスないわー」とか言うたら須賀のせいやで?」 京太郎「ありえませんって。雅枝さんの娘さんですからしっかりした子なんでしょうね」 雅枝「………勿論や」 京太郎「なら大丈夫ですよ」ナデナデ 雅枝「そっか…………」 雅枝「……ってなんで撫でとんのや!」 京太郎「あっ…つい…」 雅枝「………まぁ今回は許したるわ…」 京太郎「ありがたき幸せ」 京太郎「あ。もうすぐ一周ですね」 雅枝「せやな……。…須賀」 京太郎「はい?」 雅枝「……………おおきに」 京太郎「いえいえ。雅枝さんが良かったならそれで」ニコッ 雅枝「す…須賀は調子ええ…」 ガタン! 雅枝「わっ!?」グラッ 京太郎「雅枝さん!?」ギュッ 係員「すいませーん。ちょっと揺れちゃいましたねー…お疲れ様…でし…た…」 京太郎「あ」ギュッ 雅枝「え?」←抱かれてる 係員「………もう一周…します…?」 雅枝・京太郎「「結構ですから!」」 ……… …… … 後日。 京太郎「ツモっ!4000オールです!」 雅枝「須賀!ちょっと来ぃや!今の…」 京太郎「はいなんですか雅枝さん?」 竜華「…………………」 竜華「ん?」 怜「あれ?」 京太郎「え?」 雅枝「………阿呆…」/// fin! ~【雅枝さんと遊園地】After~ 雅枝「…………」チラッ 洋榎「いやー…そこはAやろー」 絹恵「お姉ちゃんここはBやで」 洋榎「いやー…正解はAやって」 絹恵「いやいやBが………」 洋榎「………Cかー…予想外やったわ」 雅枝「………………」チラッ 洋榎「あ、オカン」 雅枝「なっ…なんや…!?」ビクッ 洋榎「何を驚いとんねん…。…晩御飯は何やー」 雅枝「よ…予定はハンバーグや」 絹恵「……………」ハンバーグ 洋榎「……………」ハンバーグ 洋榎・絹恵「……………」ジュルリ 雅枝「…………………」カサッ 雅枝(はぁー…遊園地のチケット…買ったはええけど…うぅ…言うタイミングが…)チラッ 洋榎「よぅし絹。例にならってハンバーグの話しようや」 絹恵「お姉ちゃんはハンバーグになにかける?」 洋榎「言うてオカンのハンバーグは最初からチーズとソースついとるしな…そのままやな」 絹恵「………とまぁ例によって話はおしまいやな。…あ、テレビが遊園地特集に…」 雅枝「!」ガタンッ! 洋榎「ちょ!?オカンどないした!?」 雅枝「な…なんでもないー…」 ……… …… … 雅枝「出来たでー」コト 雅枝(計算は完璧や…!ハンバーグを置くときにコッソリとチケットも置く…!)スッ 絹恵「わーい!ハンバーグやぁー!」キラキラ 洋榎「待ってましたハンバーグぅ!」キラキラ 雅枝「……………ぐすっ」グスッ 洋榎「え…!?あれ!?オカンどないした!?」 絹恵「なんや!?救急箱いる!?」 雅枝「ちゃう!…ちゃうけど…!」ヒラッ 洋榎「ん?なんやこれ…遊園地のチケット…?」 絹恵「えっ!?遊園地!?」 雅枝「と…とりあえず…いただきます」 洋榎・絹恵「「………遊園地…。…………えへへ…遊園地…遊園地かぁ…」」エヘヘ 雅枝「…………………。えぇーい!折角作ったんやからハンバーグ食えやハンバーグ!」 fin! 番外編【長年連れ添った嫁の最後を看取る夫ごっこ怜と京太郎】 怜「…う…けほっ…けほっ…」 京太郎「怜…」 怜「きょ…京ちゃん…ウチ…ウチな…」 京太郎「もういい怜…。言わなくったって…全部わかってる…。だからもう…」 怜「ううん…これだけは…これだけは言わせてーな…けほっけほっ」 京太郎「怜…!」 怜「ウチ…京ちゃんに出会えて…幸せやったよ…」 京太郎「ああ…俺もだ…怜…!」 怜「ウチの…初めて作った手料理…美味しくなかったよね…?…完食してくれて…ありがとう…」 京太郎「怜の作った料理なら…!なんだって旨かったさ…!」 怜「二人でもう一度旅行に行こうって行ったのに…約束…守れなくてごめんな…」 京太郎「行ける…まだ行けるよ…」ポロポロ 怜「ふふっ…泣いたらアカンで…。…泣き虫京ちゃん…」 京太郎「っ…その呼び方は…止めろって…言っただろ…怜…」ポロポロ 怜「…ホンマに…ありがとう…ウチ…幸せでした…」 京太郎「怜っ!」ギュッ 京太郎「向こうでも…ここでも…生まれ変わっても…俺の嫁は…怜だけだっ…!」 怜「…おおきに…ウチの…ウチだけの…旦那様…」 京太郎「怜…!」ギュッ 怜「京ちゃん…!」ギュッ 怜「…嬉しい…京ちゃんの…いつもウチを守ってくれたこの腕の中で…。…これなら安心して…眠れるわ…」 京太郎「怜っ!?」 怜「…大好きやで…京ちゃん…」 京太郎「怜っ…。…ずっと…ずっと…一緒だ…。今までも…これからも…」ギュッ 「はいカットー!熱演でしたね!須賀君!園城寺先輩!」 怜「ほ…ほんまにこれを文化祭で流すんか…?」 「当たり前です!映像大賞狙ってます!…なのに…!」 「途中のと最後の!ギュッじゃないですよ!台本読みました!?」 京太郎「キ…キスなんて…するわけないじゃないですか!ねぇ!?園城寺先輩!」 怜「…せ…せやね…。で…でも映像大賞取るために…ひ…必要やったら…その…ウチは…す…須賀君なら…その…」ゴニョゴニョ 「せやったら撮ります?完全版!」 怜「……………………」←想像中 怜「……………………」 怜「…………………」ボンッ /// 怜「……む…無理や…」/// 「なら編集でなんとかしまーす」 怜「へ…編集でも…だ…だめええぇぇぇ!」 fin! 番外編【竜華とロッカー】 京太郎「おはようございます」ガチャ 竜華「ひっ!?」ビクッ! 京太郎「あれ?部長…早いですね?」 竜華「………しゃーない…見つかったからには…。須賀君…」 京太郎「は…はい…」 竜華「ウチな。……これからドッキリすんねん」 京太郎「…………は?」 竜華「このロッカーにやな?入って待機して…人が来たらこう…バーン!って」 京太郎「な…なるほど…」 竜華「ふふふ…浩子の慌てふためく顔が目に浮かぶで…!一回やってみたかったんや…!ドッキリ!」 京太郎「はぁ…。でも…それじゃあ俺はどうしましょうか?」 竜華「須賀君もやる?」 京太郎「んー…俺は…どうしようかな…」 竜華「まぁどっちにせ内緒やでー」 京太郎「わかってますよ」 ワカッタ ワカッタ ジャ マタアトデナ 竜華「わ…わわわ!?誰か来とる…!?」ワタワタ 京太郎「うわわわ!隠れないと!?」 ……… …… … 竜華「って…!なんで同じ所に隠れてんのや!」 京太郎「すいません…慌ててしまって…つい」 竜華「…はぁ。とりあえず最初の一人は諦めて一回出ようや」 京太郎「そうですねー」 雅枝「清水谷おるー?」ガチャ 京太郎(ダメだぁぁぁぁぁ!) 竜華「か…監督…!?出れへんやん!?」 雅枝「あれ?おらんのか。さっき職員室来たんやけどなぁ…待つか」 竜華(アウトやぁぁぁぁ!?) 京太郎「出たら俺…ヤバいことに…!?」 竜華「と…とりあえず監督がどっか行くまでの辛抱やで須賀君!」 京太郎「そうですね!」 ……… …… … 京太郎「あ…暑くなって来ましたね…」 竜華「か…監督…はようどっかいってーなぁ…」 京太郎「部長は大丈夫ですか?暑くないですか…?」 竜華「大丈夫…じゃないなぁ…」 京太郎「で…ですよね…」 竜華「ん…汗が足に…」モゾモゾ 京太郎「ぶ…部長…!あんまり動かないでください!」 竜華「あ…ごめん須賀君…」 京太郎(…太股はすごく柔らかかったですけどね!) 竜華「…………………」 京太郎(み…耳元で呼吸されると…なんか…その…!) 京太郎(ううう…ちょっとこの位置は…色々と良くない…)モゾモゾ 竜華「…んっ…」ピクッ 京太郎「あ…すいません」 竜華「ん…うん…大丈夫…」 竜華(ちょ…ちょっと…冷静になったら…ア…アカンやん!) 竜華(お…男の子とこんな狭い場所に二人きりなんて…その…) 京太郎「ふぅー。監督帰りませんね…」 竜華(か…かかか…か…顔近いし…!)/// 京太郎「部長?」 竜華「な…なんでもないです…」/// 京太郎(…なんで敬語…?) 竜華「…っ!足痺れた…」 京太郎「えっ!?」 竜華「ごめっ…立ってるの…辛…」フラッ 京太郎「うわ!?部長!?」ガシッ 竜華「ちょ…ちょっと…寄っ掛からせてーな…須賀君…」ウルウル 京太郎「俺は…い…いいですけど…」 竜華「んんっ…!」ピリピリ 竜華「す…すがく…あ…あんま太股…触らんといて…痺れてまう…」 京太郎「す…すみません!さっきのでちょっと右手がその位置に行ってしまって…!どかしますから!」モゾ 竜華「んんんっ!や…やめ…し…しびれ…っ…」 京太郎「すみません!すみません!」 竜華「…んっ…」ガタッ ガタッ 雅枝「!?」 雅枝「な…なんや…!?ロッカー…?」 京太郎(ヤバいヤバいヤバい…!) 竜華「ご…ごめん須賀君…!ウチが足痺れてなけりゃ今倒れへんかったのに!」フニュ 京太郎(…部長が倒れて来たから…その…あたってる…。……………) 竜華「と…とりあえず今は動かへんようにするから…。監督来てまうし…」 京太郎「そうですね。動かないようにしましょう」キリッ 雅枝「…ポ…ポルターガイスト…?」 雅枝「…ロ…ロッカーとか…そう言う金属製のものには…熱膨張とか…磁場とか…そういう要素がかかりやすいから…その…ポルターガイストも殆ど科学的に証明できて…」ブツブツ オドオド 京太郎(こ…怖がってるだけか…助かったぁ…) 竜華「ご…ごめ…須賀君…ちょっと起きれそうにない…から…」ギュッ 京太郎「ぶ…部長!?」 竜華「あんま動かへんように…固定させてや…」ギュッ フニュ 京太郎「…すばらっ!」 竜華「な…なんや須賀君…?」 雅枝「せ…せや!職員室で待とう!それや!書き置きでもしとけばええやろ!」 雅枝「…べ…別に怖ないけどな…!」スタスタスタ 京太郎「やった!監督帰った!じゃあ開けますね!」ガチャ 竜華「あ…!待っ…今開けたら…!」グラッ 京太郎(しまった!?部長は今足痺れてるから…!?) 京太郎「危ないっ!」ガシッ ……… …… … 京太郎「いつつ…部長…大丈夫ですか?怪我は…」 竜華「ウチは大丈夫…やけど…は…早く離れな…!」ムニュ 京太郎「名残惜しい…」 京太郎(そうですね!) 竜華「な…何言うとんのや!退くで!」/// 竜華「…んしょ…はうっ!」シビビ 京太郎「部長!?」 竜華「ごめ…須賀君…痺れてたてへん…もう少しこのまま…」フニュ 京太郎「………………すばら…」パアァァ 竜華「うわっ!?なんか昇天しとる!?須賀君ー!?須賀君!?」 fin! 番外編if【姫様と婚約したことを千里山の皆に発表】 京太郎「ただいま戻りましたー」 セーラ「おー。京太郎遅かったなー。なんかあったん?」 京太郎「え…ええ…まぁ…その…」 セーラ「?」 京太郎「と…とりあえず…あ…集まって貰えますか…?」 セーラ「ん。了解や」 ……… …… … 竜華「で?なんの用や須賀君?」 怜「ウチの睡眠時間を削ったこと…後悔するんやな…!ごごご…!」 京太郎「あー…すいません園城寺先輩…今そんな軽口返す余裕ないっす…」 怜「あ…そーなん…」 船久保「で。なんでウチらは集められたんです?」 京太郎「あー…えっと…入っていいですよ」 小蒔「し…失礼します…」 泉「?神代さん?どないしたんですか?」 京太郎「あー…えっと…先輩達にご報告がありまして…」 京太郎「あー…えーと…そのー…」 小蒔「京太郎さん…無理に言わなくても…色々落ち着いてからでいいんじゃ…」 京太郎「いや。言います。先輩達にはお世話になってるし…」 竜華「はっはーん…彼女が出来ましたー…ってドッキリやな?読めたで」 船久保「全く…簡単すぎや須賀君。こんなんすぐバレるって…」 京太郎「ち…違いますよ!」 京太郎「その…俺…!」 怜「あーあーあー。聞こえへんでー。泉ー。歌でも歌ってーやー」 怜(ホンマに彼女が出来ました!…なーんてそんな話聞きとうないって…) 泉(…恋人が出来た報告なんてされても…どんな対応すれば……) 京太郎「………俺!」 京太郎「神代小蒔さんと婚約しました!」 怜「せやからそんな報告…!………………ん?」 泉「…………………………あれ?」 竜華「……………………ドッキリの看板はどこや?」キョロキョロ セーラ「…ひ…浩子ぉ…」アワアワアワ 船久保「夢ですよ夢。うん夢」 京太郎「いや…だから…俺は…神代小蒔さんと…!」 竜華「ああああーー!聞こえへーん!」 小蒔「……………………」ダンッ! 怜「!?」 小蒔「い…いい加減にしてください!…京太郎さんは…京太郎さんは…普段お世話になっている先輩方だからこそ…一番に話すんだって…」 小蒔「皆様を信頼して…!…どれだけ勇気が必要だったと思いますか!どれだけ迷ったと思いますか!?」 小蒔「それなのにこんな…!京太郎の決意を無駄にするような…!」ジワッ 京太郎「じ…神代さん!?お…落ち着いてください!」 小蒔「だって…京太郎さんは…頑張って…決意を…」ジワッ 竜華(……アカン…) 怜(…神代さんの回りに後光が…) セーラ(なんちゅーか…自分らがきたない人間に思えてくるわ…) 船久保(人間性から勝てませんわ…) 泉(……優しい人…ですね…神代さん…) ……… …… … 小蒔「お…お恥ずかしいところを…申し訳ありません…。もう落ち着きましたので…」 セーラ「……………おめでとう京太郎」 京太郎「え?あ…はい」 セーラ「ちょっと驚いてパニックやわ…皆ー風呂行かへんー?」 竜華「…………うん…」 怜「……………………」 泉「………ついていきます…」 船久保「落ち着く…ためにも…いいですね…」 小蒔(…………………………) 小蒔(…ごめんなさい。…あなたたちが傷つく結果かもしれませんけど…。…私は誰よりも…京太郎さんのことが…好きなんです…!) ……… …… … 京太郎「行っちゃいましたね…」 小蒔「………そうですね…」 小蒔「…京太郎さんは行っちゃダメですよ。…今、…聞かれたくないでしょうから…」 京太郎「……………そうですね」 小蒔「……良かったです」ギュッ 京太郎「神代…さん…?」 小蒔「ここで「心配なので行ってきます」とか言うようだったら将来が不安でしたから…。…まぁそんな優しいところも京太郎さんらしさですけど…」 京太郎「……不安になんてさせませんよ」ギュッ 小蒔「………約束。ですからね?」 京太郎「はい。約束です。一生…幸せにしますから」ニコッ fin! 番外編if【姫様と京ちゃんで遠距離恋愛するかどっちかに移住するか相談】 京太郎「あのー…神代さん」 小蒔「……………………」 京太郎「…神代さん?」 小蒔「…はい。なんですか?」 京太郎(今の間は一体…?) 京太郎「えっと…俺達…今後どうします?」 小蒔「どう…って…?」 京太郎「遠距離…恋愛…するか、です」 小蒔「私は…基本的には鹿児島にいないと…」 京太郎「あー…じゃあ俺が…」 小蒔「ダメですよ。京太郎さん」 京太郎「え…」 小蒔「お気持ちは嬉しいですけど…こっちに来るのはダメです。ちゃんとご家族に心配をかけないようになったら…にしてください」 京太郎「……そうですね」 小蒔「…わ…私は…いくらでも…待てます…」 京太郎「……俺…は…。…会いに行っちゃうかもしれません」 小蒔「……………………」 小蒔(…そ…それは…勿論私だって会いたいです…けど…) 京太郎「…いや…。神代さんが我慢するんだ…俺が我慢出来なくてどうする!」 京太郎「あ…でも電話とメールぐらいは…」 小蒔「!はいっ!待ってます!」 小蒔「巴ちゃんに携帯電話借りなきゃ…」 京太郎「ストーーーップ!!」 小蒔「へ?」 京太郎「そうだった…神代さんは携帯持ってないんだった…」 小蒔「巴ちゃんに借りれますよ?」 京太郎「いやダメですよ。俺が電話かけると毎回巴さんに繋がるじゃないですか」 小蒔「……………あっ」 京太郎「んー…。携帯持てないんですか?」 小蒔「今まで必要がなかったので…」 京太郎「…じゃあ俺のメールアドレスと電話番号渡しておきますね…。もし携帯買ったら連絡ください」 小蒔「は…はいっ!」 京太郎「さ。じゃあこの話しはおしまいにしましょう。今は一緒にいるんですから…今を楽しみましょう」 小蒔「あっ!じゃあ私クレープ食べに行きたいですっ!」 京太郎「じゃあ行きましょうか神代さん」 小蒔「…………はい京太郎さん」 京太郎(……また…間が…) 小蒔(……………もう…) 小蒔(…は…早く…小蒔って呼んで欲しいです…)/// 京太郎「あれ?どうしました神代さん?」 小蒔「なんでもありませんー」プクーッ 京太郎「?」 fin! 番外編【泉と二人羽織】 京太郎「というわけで部活動対抗二人羽織大会があるらしい」 泉「……いや…なんですかこれ?」 京太郎「そう言われてもな…」 京太郎「とりあえずどうしようか?試しに二条が前でやってみるか?」 泉「まぁ物は試しですしね」 京太郎「んじゃちょっと失礼」 泉「試しに目の前のお水でも飲みましょう」 京太郎「えっと…これか?」 泉「そうですね。じゃあそのまま…」 京太郎(…んー…見えないのがこんなに不便だと思わなかった…) 京太郎「この辺か?」 泉「ひゃっ!?」ビクッ 京太郎「ど…どうした二条!?」バサッ 泉「そこやないですよ…あーあ…制服びしょびしょ…」 京太郎「わ…悪い…」 泉「とりあえず体操着に着替えてきます…。次は須賀君が前でいいですね」 ……… …… … 泉「…今日体操着持っててよかった…」 泉「げ。…ブラまでびしょ濡れ…。…しゃーないから取るしかないですね…」 泉(…まぁ後ろですしもう濡れることもないですし…。大丈夫ですよね) 泉「お待たせしました」 京太郎「そーいや二条の体操着姿なんて見たことなかったな。…なんか新鮮」 泉「はいはい。須賀君前で再開しますよ」 京太郎「んじゃあまた水でいいな」 泉「行きますよー」 泉(あれ…?ない?) 京太郎「すまん。ちょっと遠かったな。もうちょい前に」 泉「んくく…」ピトッ 泉(…ん…。…須賀君の背中…広い…しかも暖かい…) 京太郎「……ん?あれ?二条…?」 京太郎(この感触…?) 泉(…ぽかぽかして気持ちいい…ずっとこうしていられそうな…) 京太郎「二条ー?」 泉(…………安心する)キュッ 京太郎(…こ…この感触……や…やっぱりオモチ…!大きくないのがネックだけど…オモチはオモチ…!) 京太郎(…だがこのままじゃ二条も可哀想だな…。それにこうなるならやっぱり大きいオモチが…) 京太郎「二条!その…む…胸が…当たって…」 泉「はひゃっ!?す…すみません!」ワタワタ ゴトッ 京太郎「うわっ!?」 泉(…な…なんかコップ倒した感じ…!?) 京太郎「あちゃー。ズボンが濡れた…」 京太郎(しかも…なんか漏らしたみたいになってるよ…うわぁ…) 泉「す…すみません!すみません須賀君!」アセアセ 京太郎「いやまぁ別に…」 泉「ウ…ウチが拭きますから!」アワアワ 京太郎「に…二条!?何言って…!?」 泉「あわわわわ!?」/// 泉「違うんです!違うんです!」/// 京太郎「わかってるから!落ち着け二条!」 泉「うわぁぁぁぁ…閉じ籠りますぅぅ…」←羽織りにくるまる 京太郎(………なんか行動が可愛い) fin! 【二人羽織りリトライ】 二条「冬ですし…二人羽織りにリトライしましょう」 京太郎「半纏なんてどっから…」 泉「気にしたら負けです!行きますよ須賀君!」 京太郎「はいはい…。どこにあるんだ?」 泉「んー。まずは目の前のお餅でいいですよ」 京太郎「…え…?オモチ…!?」 京太郎「い…いいのかよ二条!?」 泉「元々食べる予定でしたし。がっちり掴んじゃてください」 京太郎「食べる予定!?自分で!?」 泉「え?別にええやろ?」 京太郎「良くないだろ!?というかどうやるんだよ!?」 泉「まぁまぁええからはようしてください。冷めるから」 京太郎「冷める!?熱が!?」 泉「そうですよ。せやからはようしてください」 京太郎「そ…そうか…本気なんだな二条…。…だったら俺も…男の見せどころだ…!行くぞ!」 京太郎「ここだっ!」モミモミ 泉「わひゃぁっ!?」 京太郎「うおりゃぁ!」サワサワ フニュフニュ 泉「~~~~~~~~!?」←声にならない 京太郎「まだまだぁ!」フニフニ 泉「きゃああああああああ!」ゴッ!ゴスッ! 京太郎「へぶっ!?」←背面頭突きから右アッパーのコンボ 京太郎「」 泉「うぅぅぅぅぅ…!」/// 泉「須賀君のアホ!スケベ!変態!え…えっち!」/// 京太郎「」 fin! 番外編【怜の体拭き】 京太郎(始まりは一通のメールだった…) from 園城寺先輩 本文 風邪引いてもうた 看病してくれへんかな…? 京太郎(なぜ俺が?部長じゃなくて?って思ったけど折角のご指名なので園城寺先輩の家へ) 京太郎(インターホンを押し…出てきたのは寝巻き姿の園城寺先輩だった) 怜「りゅーか…おおきに………ってあれ?」 京太郎「どうも」 怜「…熱のせいで竜華が須賀君に見える…」フラフラ 京太郎「間違ってないですよ先輩」 怜「………と…とりあえず上がってーな…」 京太郎(その後園城寺先輩は、なんでや?としきりに呟いたり、携帯を見ては頭に疑問符を浮かべていた) 怜「……竜華に送ったハズ…あれ?須賀君に送っとる…」 京太郎「先輩?俺は何をすれば良いですか?」 怜「ほな一日執事でも…ごほっごほっ」 怜「…あー…やっぱええわ…須賀君に風邪移したら悪いし…」 京太郎「大丈夫です!」 怜「そ…そう…?」 京太郎(ただ、園城寺先輩は俺が着く直前にお粥を食べたばかりで正直俺のやることは無かった) 怜「…………と…とりあえず…ウチは…病人らしく寝るわ…」 京太郎「わかりました」 怜「……寝てる間に変なことせん…ごほっごほっ!」 京太郎「あー…。早く寝てください。そんで早く風邪治してみんなで麻雀打ちましょう!」 怜「はーい…お休み…」 京太郎(園城寺先輩が寝息をたててゆっくりと眠っている間、俺はと言うと…特にすることもないので規則的に動く園城寺先輩の顔をゆっくり見てたり…あとたまに冷えピタを変えたり…) 京太郎(…………さて。問題はここからだ…) 京太郎(すーすーと寝息をたてていた園城寺先輩が少し苦しそうにしているのに気がついた) 京太郎(高熱でうなされているのだろうか?…とりあえず顔の汗を拭いてみる) 京太郎(…すると園城寺先輩は目を覚ました) 怜「……………ぅ」 京太郎「あ、起こしちゃいました?」 怜「……ちゃう…なんか寝苦しくて…うわ…汗びっちょりや…」 怜「うー…お風呂入りたい…」 京太郎「ダメですからね?」 怜「うー…でも気持ち悪い…」ムズムズ 京太郎「じゃあ体拭きますよ。流石にお風呂には入れませんから」 京太郎(俺は特に何も考えず、善意でそう言った。…それを聞いた園城寺先輩は真っ赤になってしまった。…なんでだ?) 怜「え…えと…えと…!?」カァァ 怜(ど…どないしよ!?アカンやろ!普通アカンやろ!?…………あ。でも…背中届かへんわ…) 怜「じゃ…じゃあ…お願い…します…」/// 怜「……は…恥ずかしいから…あまり見んといて…」/// 京太郎(さて。今現在俺の目の前には寝巻きを上を脱いだ園城寺先輩。…白い背中が凄く綺麗だ…) 京太郎「そ…それじゃ始めますよ…?」ソッ 怜「んっ」ピクッ 怜(…せ…背中やから…なんか…いきなり触られるとビクッでなるわ…) 京太郎「先輩…肌すべすべですね…」 怜「い…言わんでええて…」/// 京太郎「じゃあ拭いていきますね」ススス 怜「!?」ゾクゾクッ 京太郎「す…すいません!俺今何かしました!?」 怜「んーん…ただ背筋ゾクッてなっただけや…」 京太郎「き…気を付けます…」 ……… …… … 京太郎「大体背中は終わりましたよ」 怜「あ…ありがとうございました…」/// 京太郎「あとはどうします?」 怜「あとは自分で…」ブルブル 怜「さ…寒い…」バッ 京太郎「あっ!?先輩…寒いからって布団に入ったら…!」 怜「…………汗かいた…」 京太郎「あー…」 怜「わかった…!発想の転換…。須賀君ちょっと隣に横になってや」 京太郎「はい?」 怜「で…ウチは布団を被って…完成や。どや?」 京太郎「まぁこれなら寒くないですしいいんじゃないですか?」 京太郎(…添い寝してるみたい…とか…一つの布団で一緒に寝てるみたい…とは言わないでおこう…) 怜(…冷静になったら…なんか凄い状況やな…) 怜(す…須賀君が同じ布団の上におるし…か…体拭かれとるし…)/// 怜(…風邪引いとるけど…この時間がもっと続けば…)/// 怜ママ「ただいまー」 怜(…!?アカン!) 怜「ちょ…!須賀君隠れて!」 京太郎「えっ!?でもどこに!?」 怜「ここでええから!じっとしとって!」バサッ 怜ママ「怜ー?大丈夫ー?」ガチャ 怜「ん…んー…大丈夫…」 京太郎(………お…園城寺先輩!?マズイですって!なんで掛け布団の中に入れるんですか!) 怜ママ「あっ…せやせや。アイス冷蔵庫入れとくさかい、好きな時に食べーや」 怜「う…うん…」 京太郎(…というか園城寺先輩…上は何も着てないんじゃ…!?…て…てことは…) 怜ママ「………怜…アンタいつの間にそんな大きくなったんや…?」 怜「せ…成長期…とか…」 怜(流石に須賀君が中にいますとは言えへん…) 京太郎(…ま…マズイって!?ここにいたら…その…オモチ…が丸見え…じゃ…)カァァ 京太郎(いや願ってもないことだけど!すばらだけど!流石にマズイって!)モゾモゾ 怜「んっ!」ピクッ 怜ママ「…どないしたん?」 怜「…さ…寒くて…震えた…とか…」/// 怜「と…とりあえず移ったらアカンからリビングでゆっくりしとって!」 怜ママ「はーい」ガチャ 怜「…ふ…ふぅー…脅威は去った…」 京太郎「……………………」 怜「もうええで須賀君」バサー 怜「ってなんでそんな目を瞑って…」 怜「………ってウチはだ……!?」/// 京太郎「な…何も…見てません!見てませんから!」/// 怜「~~~!?」/// ……… …… … 怜「…………………」プクーッ 京太郎「…すみません…」 怜「……………まぁ…悪いのウチやし…」 京太郎「………掛け布団のなかで思ったんですけど」 怜「?」 京太郎「園城寺先輩…肌柔らかいですね。…ちょっとぷにぷにしていいですか。二の腕とか」 怜「え」 京太郎「冗談です」 怜「………そういや…前に「長年連れ添った妻が亡くなるのを看取る寸劇」やったなぁ」 京太郎「あー…そうですね」 怜「なんか今と似とらへん?」 京太郎「縁起でもない…」 怜「…看病してくれてありがとう…」 京太郎「…怜が辛い思いしてるんだ…そばにいるよ」 怜「…大好きやで」 京太郎「…俺もだ…怜」 怜「……………………」 京太郎「………………………」 怜・京太郎(…ノリでやってみたけど…恥ずかしい…!)/// 怜ママ「怜ー。そういや昨日の…」ガチャ 怜「あ」 京太郎「え?」 怜ママ「」 怜ママ(……男子。…見つめあってる…。…風邪…看病…) 怜ママ(……………………) 怜ママ「………………」ニコッ 怜ママ「お邪魔しました…ごゆっくり。…赤飯赤飯…」ソソソ 怜「ちゃ…ちゃう!何勘違いしとんねん!」/// fin! ちなみにその日の夕飯を京太郎はご馳走になりましたとさ。 【怜の体拭き】【布団に潜った所からエロ展開になるif】 怜「……ふぅー…脅威は去ったわ…須賀君?もう大丈夫やで」 京太郎「………………園城寺先輩」ギュッ 怜「えっ!?ちょっ…何!?」 京太郎「…俺…もう我慢出来ませんよ」 怜「え…な…何が…んむっ…ん…ちゅ…」 怜「…ぷはっ…い…いきなり…な…何を…!?」/// 京太郎「園城寺先輩……いや…怜…」 怜「す…すがく…?」 京太郎「…ちょっとでも俺のことが好きなら…このままじっとしててください」 怜「す…好きって…そ…そんな…」/// 京太郎「んっ…ちゅっ」 怜「…ん…む…ちゅ…はっ…ちゅ…んんっ…」/// 怜「ぷはっ…はぁ…はぁ…はぁ…。…ファ…ファーストキス…なんやで…?」/// 京太郎「俺だってそうですよ」 怜「…ぅ…」/// 京太郎「……怜。…大好きだ…」チュッ 怜「ん………。…ウ…ウチも…須賀君のことが…」/// 京太郎「怜……いいか…?」 怜「須賀く……ううん…京ちゃん……きて…」/// 京太郎「………怜…凄く綺麗だ…」 怜「あ…あんま…見んといて…は…恥ずかしい…から…」/// 京太郎「……いくぞ…?」 怜「いいよ…ウチの全部…京ちゃんに…あげる…からっ…」/// 京太郎「……!怜っ!」 和「そ…そういうエッチなのは…い…いけないと…思います!」/// 和「き…きんぐ…くりむぞん…です…!」 怜「はぁー…はぁー…はぁー…」 京太郎「と…怜…」ギュッ 怜「…ウチ…今………すっごく…幸せや…」ギュッ 京太郎「………俺も…」スッ ちゅっ fin!